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咲かせ屋  作者: 玖龍
最終章
34/37

意味の分からない題名をつけてみました(テヘ☆)


亜里菜さんが蝶々みたいだなっていうことで(苦しい)

 「佐之助……!」

 亜里菜が先ほどよりも頬を赤く染めて立ち上がる。

 佐之助はたじろいで一歩後ろに。


 亜里菜は佐之助の胸に飛び込んだ……!!



 ……なんてことはなかった。




 バチンっ!!




 廊下全体に響くようなその音に、にこやかに笑っていた颯介、江奈の顔は凍りついた。

 亜里菜が佐之助に……平手打ちをしたのだ。

 

 佐之助の方も、流石にそれは予測していなかったようで、目を真ん丸にして亜里菜の方を見ている。

 亜里菜は顔を真っ赤にして、はぁはぁ肩で息をしている。




 ……そしてぽろぽろと涙を零しはじめた。


 「佐之助の……ばかぁ……!」

 へにゃへにゃと床にへたり込む。

 佐之助は心配そうに亜里菜に近寄る……そろそろと。

 「あ、亜里菜……?大丈夫か?」

 それを聞くと、亜里菜は涙で目を濡らしながら、キッと佐之助を睨みつける。

 「大丈夫じゃぁないわよぉ……もう、馬鹿馬鹿馬鹿!!」

 ポカポカと佐之助の肩を叩く。

 佐之助は困り顔だ。



 ……佐之助よりも困っているのは、周りの観客だった。

 目の前で幸せな風景が広がっていた(いや、広がる途中だった)のに……展開に付いていけず、目を白黒させている。


 「あのぉ……亜里菜さん?」

 颯介は恐る恐る声をかける……が、軽く無視。

 ぐすぐすと亜里菜は泣いている。

 「えーっとぉ……佐之助。とりあえずお前が悪い」

 「な、何がだよっ!?」

 佐之助が颯介に反論する。

 「お、俺は、お前に言われた通り、自分の素直な気持ちを伝えただけだ!なんで俺が悪いんだよっ!?」

 「いやぁ……俺がいつ『自分の素直な気持ちを伝えろ』と言ったよ?」

 「……くっ!」

 はぁーと颯介はため息をつくと、再度亜里菜に声をかける。



 「でさ、亜里菜。佐之助は言ったぜ?お前の気持ちはどうなんだよ?」

 すると、普段の亜里菜からは想像できないどすの利いた声が聞こえた。

 「颯さんは黙ってな」

 「……はい」

 シュンと小さくなる。そんな彼に江奈が頭をよしよしと撫でてやる。


 「佐之助……いきなり何を言い出すんだい?」

 亜里菜は伏し目がちで言う。

 「え……つ、つまりだな。俺と夫婦(めおと)になって欲しいんだ……って亜里菜?」

 亜里菜はまだ潤んでいる目で佐之助のことを見上げる。

 そして口を開いて何かを言った――――それは微かな息音となって消えてしまったが。

 「え?」



 次の瞬間、亜里菜が佐之助の胸に飛び込んだ。

 


 



 「亜里菜……?」

 そのまま庭に倒れこんだ2人。

 亜里菜が佐之助の上に乗っている。

 「佐之助……ありがと……」

 幸せそうな顔で亜里菜が呟く。

 「約束……覚えててくれたのね」

 そう言って亜里菜は佐之助の頬に、その艶やかな唇を乗せる。




 ――—その後、正式に佐之助と亜里菜の結婚が決まった。 

次回、多分最終回です

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