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咲かせ屋  作者: 玖龍
最終章
27/37

変化

大変お久しぶりです。。


お恥ずかしいことに宿題が終わらなかったのです(キャー)


物語は終焉に向かいます(最終回ではないですが)

 なんだか、江奈が変だ。

 いや、今に始まったことではない。江奈は多分、生まれた時からおかしかったのだろう。それは俺にだって手に取るようにわかる。

 だか、家族の元を去ってから、ますます変になった。



 変化。

 ぽけーっとしてることが多くなった。


 虚空を見てる時があるから、普通に通行人とぶつかる。

 相手の方……おいたわしや(本気で) 


 

 見ているだけで、すごく痛々しいので声をかけてみることにした。

 「もしもーし。 えーなさーん?」

 「ふぁい!?」 

 「んだよ、その気の抜ける返事はっ!?」

 「ゴメン」


 ……あ?今、こいつ謝った……?

 なぜ?


 うーん、家出してからますます気がおかしくなったのか?ホントに大丈夫か、こいつ?


 「ねぇねぇ、江奈~。こっちおいでよぉ」

 お気楽な鈴が江奈に声をかける。

 あ、うん、と返事したがすぐには行かず、ちらっとこっちを見てから、たたたっと走っていった。

 

 元実家を出てくる前に、あの貴族貴族した豪華な着物は着替え、一般庶民が着るような地味な(いや、元々のから比べれば、地味なのだよ)ものに着替えさせてある。

 見慣れない江奈の姿だが……うん、似合うと思う。

 

 でもなんだかぎこちないな……


 「なー、佐之助」

 「は?」

 急に話しかけられた佐之助は意味が分からなかったらしい……というか誰も颯介の考えてることなどわかるはずがないが。

 「いやぁ、なんだか江奈がおかしいなぁと思って」

 「あぁー……それはだな。あれだ。『ナントカ患い』だ」

 「んだそれ?……ほほぅ、わかったぞ。で、誰に?」

 「さぁな。私の知ったところではない」

 そう言いつつもニヤニヤしているのは何故だ?

 「お前知ってんだろ?誰だよ、それ」

 「いやいや、私が言うことではない……それより颯介。少し相談に乗ってほしいのだが」

 ニヤニヤしていたと思えば、急に頬を赤に染めた。

 「そんなに恥ずかしい相談か?珍しいねぇ」

 「う、うるさい!」

 「いいか、お前の想い人は誰か知らねぇが、この世のすべての女せ……だっ!!」

 刀の鞘で思いっきり殴られた。てめぇ……

 

 よろしく頼むよ、と肩をぽんとされた後、颯介を睨んでまた、歩き出した。


 うぇー、めんどくせ(泣)


 

******************************


 「あ、あのですね!亜里菜さんや沙耶さん、鈴が育った場所ってどこら辺ですかっ!?」

 普通に話しかけたかった……無理だった、と後悔中の江奈だったが、約1名を除いて普通に応対してくれた。

 「ん。もうちょっとよ」

 「あそこらへん」

 「なんでさぁー、鈴だけ呼び捨てなの!?」

 3人が同時に回答したが、江奈には聞き取れた。

 するとあ、そうですか……と蚊の鳴くような声で言った後、するすると縮こまった。


 亜里菜たちが育った場所が気になるわけではない(佐之助など論外)。

 

 颯介(・・)が育ったところが気になるのだ。  


 母が死んだあと、江奈はいつも一人だった。

 相手してくれないわけではない。

 でも大抵は乳母とか、女官とか。

 いつも『お嬢様』という感覚で接してくる。

 

 それが苦痛だった。

 

 だけど、颯介を見たとき、何かが変わった……気がする。

 あんな自由奔放な男は見たことがない。

 はっきり言うと羨ましかった。

 

 今の気持ちがなんなのかはよくわからない。とにかく初めて感じたものだ。


 そんなことを江奈が考えていると、正徳が声をかけた。

 「江奈さん、ここがこいつらの育ったところだよ」

 

 うげー、っと後ろから声――颯介の声がした。

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