変化
大変お久しぶりです。。
お恥ずかしいことに宿題が終わらなかったのです(キャー)
物語は終焉に向かいます(最終回ではないですが)
なんだか、江奈が変だ。
いや、今に始まったことではない。江奈は多分、生まれた時からおかしかったのだろう。それは俺にだって手に取るようにわかる。
だか、家族の元を去ってから、ますます変になった。
変化。
ぽけーっとしてることが多くなった。
虚空を見てる時があるから、普通に通行人とぶつかる。
相手の方……おいたわしや(本気で)
見ているだけで、すごく痛々しいので声をかけてみることにした。
「もしもーし。 えーなさーん?」
「ふぁい!?」
「んだよ、その気の抜ける返事はっ!?」
「ゴメン」
……あ?今、こいつ謝った……?
なぜ?
うーん、家出してからますます気がおかしくなったのか?ホントに大丈夫か、こいつ?
「ねぇねぇ、江奈~。こっちおいでよぉ」
お気楽な鈴が江奈に声をかける。
あ、うん、と返事したがすぐには行かず、ちらっとこっちを見てから、たたたっと走っていった。
元実家を出てくる前に、あの貴族貴族した豪華な着物は着替え、一般庶民が着るような地味な(いや、元々のから比べれば、地味なのだよ)ものに着替えさせてある。
見慣れない江奈の姿だが……うん、似合うと思う。
でもなんだかぎこちないな……
「なー、佐之助」
「は?」
急に話しかけられた佐之助は意味が分からなかったらしい……というか誰も颯介の考えてることなどわかるはずがないが。
「いやぁ、なんだか江奈がおかしいなぁと思って」
「あぁー……それはだな。あれだ。『ナントカ患い』だ」
「んだそれ?……ほほぅ、わかったぞ。で、誰に?」
「さぁな。私の知ったところではない」
そう言いつつもニヤニヤしているのは何故だ?
「お前知ってんだろ?誰だよ、それ」
「いやいや、私が言うことではない……それより颯介。少し相談に乗ってほしいのだが」
ニヤニヤしていたと思えば、急に頬を赤に染めた。
「そんなに恥ずかしい相談か?珍しいねぇ」
「う、うるさい!」
「いいか、お前の想い人は誰か知らねぇが、この世のすべての女せ……だっ!!」
刀の鞘で思いっきり殴られた。てめぇ……
よろしく頼むよ、と肩をぽんとされた後、颯介を睨んでまた、歩き出した。
うぇー、めんどくせ(泣)
******************************
「あ、あのですね!亜里菜さんや沙耶さん、鈴が育った場所ってどこら辺ですかっ!?」
普通に話しかけたかった……無理だった、と後悔中の江奈だったが、約1名を除いて普通に応対してくれた。
「ん。もうちょっとよ」
「あそこらへん」
「なんでさぁー、鈴だけ呼び捨てなの!?」
3人が同時に回答したが、江奈には聞き取れた。
するとあ、そうですか……と蚊の鳴くような声で言った後、するすると縮こまった。
亜里菜たちが育った場所が気になるわけではない(佐之助など論外)。
颯介が育ったところが気になるのだ。
母が死んだあと、江奈はいつも一人だった。
相手してくれないわけではない。
でも大抵は乳母とか、女官とか。
いつも『お嬢様』という感覚で接してくる。
それが苦痛だった。
だけど、颯介を見たとき、何かが変わった……気がする。
あんな自由奔放な男は見たことがない。
はっきり言うと羨ましかった。
今の気持ちがなんなのかはよくわからない。とにかく初めて感じたものだ。
そんなことを江奈が考えていると、正徳が声をかけた。
「江奈さん、ここがこいつらの育ったところだよ」
うげー、っと後ろから声――颯介の声がした。