封建的
更新遅くなり、申し訳なく思います(汗)
なんか会話が多いです……いつものこと?
「お前、何奴じゃ」
おおぅ、怒ってるよ。なんか小刀飛んできたし。
「い、いやですねぇ……ほんっとに娘さんには苦労させられましたから、貰うなんて滅相もない。俺がくたばっ」
「そ、そ、そうなんです!お父様っ!!わ、私、この男とそ、そのぉ……夫婦になるかもしれなかったんですっ!!それなのに顔も知らない相手と結婚しろだなんて、そんな無茶なって出てったんです、ええ!」
いや、乗ってくれなくても良いんだけどね。というかそれでいいの?そんな設定で行く??お父さん、ホントに怒ってるよ?ほら……青筋立っちゃってるもん。
「江奈。この男はどこかの殿君か?」
「いや、俺はただの」
「ええ、この方はそれはそれは由緒正しき家の家長です!決してお父様のお考えのような卑しい身分の者ではありませんっ!!」
必死に大嘘をつく江奈姫。そこまでしなくても……。
大仰にため息をついて、それから江奈姫に微笑む。意を決していざ……。
「もういいさ、江奈。……おい、おっさん。俺はどこかの偉い官吏でもねぇし、どこかのお高く止まった殿様でもなんでもねぇ。ただのしがない商人だ。なんか文句あるか」
「やはり……お前のお陰で全てが台無しじゃ。折角、天下取りが江奈を貰ってくれるというのに……全てをぶち壊しやがって……許さんぞ」
「はっ!許すも何も、こいつはあんたの玩具じゃねぇ。第一『貰う』ってなんだよ。織田家も人のことを見下しやがって。何様のつもりだ?おっさん、あんたもだよ。あいつらに気に入られようとして実の娘を嫁入りさせようとしたんだろ?」
「それ以外に女の利用価値はない。江奈は風井家のために嫁ぐのだ。どんな意志があろうとも、女が男に、ましてや父親に逆らうことなど許さんっ!!」
突然芳明は立ち上がり、大股早足でこちらへ歩いてきた。そして江奈姫の腕を引っ張る。
「やめてくださいっ!!お父様、放して」
「うるさいっ!!おまえは黙ってろっ!そこの男!ここで切腹致せ」
「お父様っ!!お願いです、止めてください!颯介はなにも悪くないんです。全部私が」
「黙れと言って居るだろう!!」
結局芳明は江奈姫を突き飛ばして、彼女は床に倒れ込んだ。
「……おいおい、男は女性に優しくするってもんが礼儀だろ?しかもあんたその娘の親だぞ?かわい」
「もう許さん。貴様等、全員死ね。『郷に入れば郷に従え』だろ?わしの屋敷にいる間にはわしの命に従ってもらう。女も子供も切腹じゃ」
無視された。しかも何だよ、『郷に入れば』って……
第一、悪いのは俺で、左之助とか亜里菜とか死ぬ必要なくない?なんで切腹させたいの?嗜虐趣味とか?
「おっさんこそ黙らんか」
取り合えず一言。
「なにが、郷だ、おっさん。だから、別に江奈にあんなことやこんなことをするつもりはねぇ。ただな、彼女を俺たちの仲間にしてほしいんだ。江奈のことは俺たちがちゃんと責任を取る。女は3人いるしな……たったそれだけだ。ダメか?」
……。あ、その顔はダメっぽいですね。なんか既に不機嫌だし、眉がおぉっというぐらい釣り上がってるし。
「当たり前だろうが。江奈は風井家の駒にしか過ぎん。そんな女をお前たち、得体も知れん奴等に預けるわけにはいかん。江奈には江奈なりの幸せがあるのだ。立派な家に嫁いで、跡継ぎを生み、ひいては風井の名を上げるため……それが女の幸せではないのか。事実、織田までとは言わんが、こいつの姉はみんなそうしてきた。どうしてそれを拒む?父は娘の幸せを思って嫁がせようとしたのに」
「幸せだと感じていたら、逃げ出したりしていないだろうが。ちぃったぁ考えろ、このバカ親父」
封建的な考え。なぜこういうことしか考えられない。お前の幸せだのほざいてる奴こそ実は思ってなかったりする。第一、人の幸せなんて他人が勝手に決めるもんじゃないだろ。
ほんとうんざりだよ
「おっさん、表に出ろ。俺がその根性、一から叩き直してやる……!」
1年生のときに国語2の『しろばんば』の授業で習った(と思う)封建的という言葉が今でも残ってます。
多分こういうことなんでしょう。
なんか『仁』っぽいんですけど。最近出ましたよね、咲さんの幸せと橘のお母様の考える咲さんの幸せの違い。
では読んでいただきありがとうございました☆