佐加村と“あずさ組”
はい、2話目です(祝←?)
今回は佐加村に着いたところからです☆名前テキトー?そんなことないですよ、気のせいですよw
「ここが……佐加村……?」
颯介は思わず声を漏らす。
多分豊かな田園地帯……でも今は荒れ果てている。春になるとここでは樹がいろいろな花をつけ、観光に訪れる人間も少なくないと亜里菜に聞いた。
だが、この寒さで花の蕾は膨らまず、人々も暗く沈んでいる。畑なんか冬を越せなかった野菜がしぼんでいる。
「こりゃぁ……冷害か?」
「そのようだねぃ……」
どんどん進んでいくと、子供たちが一か所に集まって遊んでいた。しかしその顔は泣きそうだった。
「おなか……すいたね」
「うん……ごはんが食べたいよぉ」
「ねぇねぇ、お兄さんたち何か持ってないの?」
声を掛けられる……すると亜里菜が荷物からいくつかの握り飯を取り出した。
「おいっ、それって……」
「いいんだよ!さぁ、これをみんなで分けてお食べ」
「ありがとう!」
目を輝かせて言う。そしてきゃあきゃあ言いながら人数分に分けていった。
「ここのガキは偉いなぁ……」
「まぁ、大将がいないんだろう」
亜里菜がその様子を見て頷きながら言う。
そして何を思ったか、突然真っ赤な扇子を取り出した。
パンパン、と手を鳴らす。
「色は匂へど散るぬるを……そんなこたぁわかってる」
慌てて鈴が続きを言う。
「どうせ散りゆく花ならば!」
「精一杯輝いていこうじゃぁないか」
沙耶がぱっと花吹雪を散らす。
大人たちもぽかんとして“あずさ組”を見てる……勿論仲良く握り飯を分け合っていた子供たちも。そして俺も。
「ここで“あずさ組”一つ芝居でもしようかと思いまして……よろしくて?」
亜里菜が扇子で顔を半分隠しながら言った……色っぽい目が細くなる。
案の定男たちは顔を赤らめて頷きまくってる……もうそれはそれはガクガクと。
ふふ、と沙耶が笑う。
「ではでは……」
「私、あちらこちら流離う“あずさ組”座長の亜里菜と申します」
「この組の元気印!鈴です!!」
「沙耶です」
……沙耶簡潔。そう思ったのは間違いでしょうか?
「お前ら……またいつものが始まった」
「颯さんは黙っとき」
……この村に用事があるのは他でもない、俺なんですど。
「おぉ……おたくらが“咲かせ屋”の方々ですか?」
(誰がどう見ても)長老らしき人物がやって来た……ばっちり3姉妹に話しかけている。
亜里菜がクスッと笑って俺の方に扇子を向ける。
「あそこに立っております、面妖な男が“咲かせ屋”ですわ」
……誰が面妖だ。お前らの方が面妖だ。
「あぁ……そうですかい」
長老の残念そうな反応……そうだよな、あんたも男だ。蝶に引かれるわな。こんな男でごめんな!
「俺が“咲かせ屋”の桜庭颯介だ。じぃさん、何故俺を呼んだ?」
ふぅーっと長老が息をつく。
「この村のありさまを見たらあんたにも分かるじゃろ?……みんなみんな枯れてしもうた。大人に元気がないと、子供らにも覇気がなくなってな……この村はもう全体として生気がないんじゃ……あんたの“花魔法”でどうにかしてくれんかの?」
「“花魔法”?」
「あんたの力を見た友人がそう言っとったんじゃ……どこからともなく花を出し、笑顔にしてくれる力があんたにはある、とね」
……尾ひれ付きまくり。後半部分削除してくれ。
「あのなぁ……俺は確かに花は出せるけど、人を笑顔にするとかしないとかは別だぜ?」
「……それじゃあ引き受けてくださらんと?」
「……うーん」
その時、村の奥で悲鳴があがった。
亜里菜氏……意味不明ですねw
彼女のセリフ、はっきり言うと即興です(おい)すごく微妙なセリフを言わせてしまいましたw
……早速お気に入りに登録してくださった方、ありがとうございましたm(--)m
では☆