藤桜刀の呪い
お久しぶりです。。
最近不定期になりました(呆)))コロコロ更新予定日を変えてしまって……ご迷惑をかけてすみません。。
こんな調子でこれから進んでいきます☆なるべく頑張って土日は更新しようと思っています!
「フェリス神父さん……とりあえず礼を言うよ」
手刀で見事、賊の頭領を打倒した神父さんにぺこっと頭を下げる。
すると彼はいやいやぁと恥ずかしそうに手を振った。
「ワタシも懺悔しなきゃいけませんネェ……兄弟に手を上げてしまったカラ」
「え……さっきのムサいおっさんたちと兄弟なの?」
「勿論!この世界の人類はみんな神様の子供デス!例え血がつながっていなくてもネ。それ故、ワタシタチは人種を越えて兄弟なのですヨ……勿論、颯介サンとも兄弟なのデス」
「は、はぁ……」
すげーな。俺にもたくさん兄弟がいるのか……っていかん。神父さんのペースに飲まれてしまった。俺は一人っ子だ……そうさ。兄弟なんて……何人いるんだろう……
ってえええぇぇぇぇ!!そうじゃなくて!!
「おい、女子2人は大丈夫か?」
後ろで縮こまっている江奈姫、そして彼女の前にぼーっと立つ鈴に声を掛ける。
見たところ怪我はしていないのでまぁ大丈夫だろう。
「それと……沙耶は?」
「私は大丈夫……」
途中で強制的に戦線離脱させられたことをまだ根に持っているのか、むすっとしたまま答える。
「そ、それならいいけどよぉ……亜里菜は?」
首を反対側にめぐらせる。まぁ平気な顔で仕込み刀を扇子になおしていた。
「大丈夫か……よしよし。怪我人なし!万事大丈夫っ!!」
「大丈夫じゃなぁぁぁいっ!!!」
耳元で爆音。
「うるせえぇぇぇぇ!音量下げろっ!!」
耳がじんじんする。あぁいてぇ……。
「佐之助っ!なんだよ」
爆音の声の主に訊ねる。
「お前、刀が抜けないなら持つなっ!というかなんなんだ、刀を抜けばお前が消えるって」
「あぁその話?たいしたことねぇよ……そのまんまだ」
「これのどこがたいしたことないんだ?」
腕組みしながら目の前に座る。
掛け合いを見ながら、みんなが集まって来た。
「颯さん、佐之助の言う通りだよ。一体全体どういうことだい?」
亜里菜が聞く。
こうなったら仕方がねぇ……言うしかないか
努めて明るく言う。
「あ、これはなぁ呪いだよ、呪い」
エヘッと笑う。
「「「「「の、呪い!?」」」」」
うんうん、と頷く。
「呪いって……何の?」
江奈姫が口を開く。
「えー……こいつの」
藤桜刀を指差す。目線が藍色の鞘の藤桜刀に集まる。
「ど、どうしてまた……」
「いやぁ、なんかさぁじいさんから聞いたんだけど……こいつは血に弱いらしいんだ。すぐ酔っちまうらしいんだ。そうなりゃ大変。暴走して主人の命はパァだ」
ひらひらと手を振る。
「すべての責任を取って、主人は消えなければならない。だってさ、これは人の〈願い〉を叶えて幸せにするものであって、不幸にするもんじゃあないだろ?だからさ」
「……じゃ、じゃあソレ以外の刀を持てばいいじゃないか……それなら抜いても構わんだろう?」
「それもダメだ。ガキの頃何回かやったことあるけど抜けなかった……こいつは他の刀を拒むんだろうね」
「……わかった」
佐之助が俯き、小刻みに震える。
「何が?」
「お前……だから剣術の指導をちゃんと真面目に受けてなかったんだなあああぁぁぁぁ!」
「それかよっ!許せっ!!あれは俺の性に合わなかったんだっ!!それはこいつのせいじゃねええぇぇぇ!」
喝!、と鞘で殴られた。
くそぅ……マジで痛い。覚えてろよぉ……あ、涙出てきた。
その時、藤桜刀の鞘に描かれた桜紋が淡く光る。
色は藍色――つまり誰かの〈願い〉を感じた証拠だ。
「?」
辺りを見回す……すると後ろでがくがく震えている江奈姫がいた。
「おい、栞奈。どうしたんだ?」
やっと口を開く。
「私……家に帰りたい」
……えええぇぇぇぇ!?