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咲かせ屋  作者: 玖龍
5人旅……行先は未定
15/37

助太刀

3日ぶりですね☆


続きからです。。なんか「流血無い」とか言ってましたが斬り合ってる時点で流血表現となりますか?


それではどうぞ♪

 「ったく……なんなんだい、あんたたち!」

 亜里菜が自分たちを囲む賊に向かって吐き捨てる。

 すると頭領らしき男が前に出て言った。

 「怪我したくなければ、大人しく江奈姫を渡してもらおうか」

 「江奈姫?はんっ!なんのことだい?あたいらの中にはそんな人間は一人もいないさ……なに勘違いしてんだい?」

 完全にしらを切っているが、さすが芸人。芝居がかった素振りは微塵も見せない。

 さらに続ける。

 「どいてくれないかい?あたいらは武州に行きたいんだよ」

 「ほう……お前は俺たちを欺く気か。よし、お前は娼館にでも送ってやろう」

 ばっと抜刀する。それに続いて、後ろの男たちもばらばらと刀を抜き始める。


 「亜里菜……こりゃ、やべぇぞ」

 しかし彼女は涼しい顔で男たちを見ていた。その目は冷たく光っていたが。

 「おい、女子は下がってろ!神父さんも下がってな!!」

 ……そうは言ったものの、俺は賊を(あいつら)全員を引き下がらせるような力はない。どうしようか……。

 すると沙耶が亜里菜の傍に立った。まさか、こいつもやる気か?……どうやらそのようだ。

 「ほう……女が2人と優男が1人か……男は殺してもいい。女はなるべく傷つけるな……2人とも上玉だから高く売れるぞ……ひひっ」

 卑しい笑みをこぼす男たち。あぁー腹が立つ。

 そして一斉にかかってきた。


 「くそっ!!俺は……」

 そう言いながら鞘ごと刀を抜く。

 亜里菜は持っていた扇子に仕込ませてあった、小刀で応戦している……そして以外に強い。

 次から次に男たちを倒していく。沙耶も同様。彼女も小太刀で戦っている。

 「どうしたぁ!あの女たちは真剣で戦っているというのによぉ!!お前も刀を抜けよ!!」

 そう言って直々に頭領が挑んでくる。

 その刃を鞘で受け止める。

 「俺の刀はなぁ!人を殺めるためにあるんじゃねぇんだよっ!!一緒にすんな!!」

 「甘っちょろいこと言ってんじゃねぇよ!」

 容赦なく繰り出される斬撃。強すぎる……マジで勝てないかもしれない。

 そんな不安が頭をよぎる。



 「颯介っ!」

 そこになぜか、佐之助が現れた。それに男を何人か連れて。

 「佐之助!?なんで来たんだよ!?」

 「この関所付近で賊の目撃証言があってな。来てみたらお前たちがいるじゃないか……それにそいつらは賊のようだしね」

 引き連れてきた男たちを2組に分け、てきぱきと指示していく。

 そして佐之助を含めた組が参戦した。


 「ちぃっ!こいつらは幕府の犬か……はんっ!あんな弱小政府でも、こういう使える奴はいるんだな」

 そう言いながら頭領は役人たちを斬っていく。

 俺は一時ほったらかし。まぁそれはそれでありがたいんだけれども……


 しかし女性陣が崩れ始めた。

 沙耶が派手に転ぶ。そしてそれを見た賊の1人が沙耶を襲う。

 「!!」

 転びながらも必死に応戦するが、やはり体勢的に不利。押されている。

 「沙耶っ!」

 駆け出した。が、佐之助がその前に賊を斬る。そして彼はどさっと転がった。

 「大丈夫か?」

 「なんとかね……」

 「お前も向こうにいろ……女じゃちょっと無理だ」

 「バカにしないでほしいねぇ」

 傷ついたような顔で佐之助に食って掛かる。しかし彼は完全無視して、賊を追いかけに行った。

 「おい、沙耶。佐之助の言う通りだ……向こう行ってな」

 「颯さんまで……ちっ」

 軽く舌打ちして、鈴たちのところに駆けていった。


 

 「颯介!!いい加減、刀を抜けっ!!」

 佐之助が颯介の後ろについて叫んだ。

 「無理だっ……そんなことしたら、俺が消えてしまう!」

 叫び返すと、後ろの人物が固まった。

 「き、消える……?」

 「そうだよ!本当だっ!!」

 そこへ頭領が割り込んでくる。

 「お前ら、覚悟っ!」

 そう言って大太刀を上段から振り降ろす。

 そこへ神父さんが走ってきた。

 「アナタタチ、懺悔しなサイ!神の子供として恥ずべき行いデスよ」

 そう言って手刀をかます……あっさり頭領はダウンしてしまった。

 「……これで大丈夫デス。まだヤル気がある方はいますカ?」

 頼りない優男だと思いきや、実は強いということが判明。

 異人+実は強者という彼を見て、頭領が伸びてしまった賊たちは逃げ出すものも多かった。

 「残りは捕まえるべきデス……ちゃんと調べるのが西洋風デス!」

 はっとなった佐之助たちが残党を取り押さえていった。

 そして情けなく伸びてしまった頭領を含め、佐之助の部下たちは彼らを連行していった。


フェリス神父が意外に強いということが判明しました。。無理やりです(笑)予想外です←


次回はなぜ、颯介が藤桜刀を抜いたら消えてしまうのか……という話です。。


では、読んでくださりありがとうございました☆

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