助太刀
3日ぶりですね☆
続きからです。。なんか「流血無い」とか言ってましたが斬り合ってる時点で流血表現となりますか?
それではどうぞ♪
「ったく……なんなんだい、あんたたち!」
亜里菜が自分たちを囲む賊に向かって吐き捨てる。
すると頭領らしき男が前に出て言った。
「怪我したくなければ、大人しく江奈姫を渡してもらおうか」
「江奈姫?はんっ!なんのことだい?あたいらの中にはそんな人間は一人もいないさ……なに勘違いしてんだい?」
完全にしらを切っているが、さすが芸人。芝居がかった素振りは微塵も見せない。
さらに続ける。
「どいてくれないかい?あたいらは武州に行きたいんだよ」
「ほう……お前は俺たちを欺く気か。よし、お前は娼館にでも送ってやろう」
ばっと抜刀する。それに続いて、後ろの男たちもばらばらと刀を抜き始める。
「亜里菜……こりゃ、やべぇぞ」
しかし彼女は涼しい顔で男たちを見ていた。その目は冷たく光っていたが。
「おい、女子は下がってろ!神父さんも下がってな!!」
……そうは言ったものの、俺は賊を全員を引き下がらせるような力はない。どうしようか……。
すると沙耶が亜里菜の傍に立った。まさか、こいつもやる気か?……どうやらそのようだ。
「ほう……女が2人と優男が1人か……男は殺してもいい。女はなるべく傷つけるな……2人とも上玉だから高く売れるぞ……ひひっ」
卑しい笑みをこぼす男たち。あぁー腹が立つ。
そして一斉にかかってきた。
「くそっ!!俺は……」
そう言いながら鞘ごと刀を抜く。
亜里菜は持っていた扇子に仕込ませてあった、小刀で応戦している……そして以外に強い。
次から次に男たちを倒していく。沙耶も同様。彼女も小太刀で戦っている。
「どうしたぁ!あの女たちは真剣で戦っているというのによぉ!!お前も刀を抜けよ!!」
そう言って直々に頭領が挑んでくる。
その刃を鞘で受け止める。
「俺の刀はなぁ!人を殺めるためにあるんじゃねぇんだよっ!!一緒にすんな!!」
「甘っちょろいこと言ってんじゃねぇよ!」
容赦なく繰り出される斬撃。強すぎる……マジで勝てないかもしれない。
そんな不安が頭をよぎる。
「颯介っ!」
そこになぜか、佐之助が現れた。それに男を何人か連れて。
「佐之助!?なんで来たんだよ!?」
「この関所付近で賊の目撃証言があってな。来てみたらお前たちがいるじゃないか……それにそいつらは賊のようだしね」
引き連れてきた男たちを2組に分け、てきぱきと指示していく。
そして佐之助を含めた組が参戦した。
「ちぃっ!こいつらは幕府の犬か……はんっ!あんな弱小政府でも、こういう使える奴はいるんだな」
そう言いながら頭領は役人たちを斬っていく。
俺は一時ほったらかし。まぁそれはそれでありがたいんだけれども……
しかし女性陣が崩れ始めた。
沙耶が派手に転ぶ。そしてそれを見た賊の1人が沙耶を襲う。
「!!」
転びながらも必死に応戦するが、やはり体勢的に不利。押されている。
「沙耶っ!」
駆け出した。が、佐之助がその前に賊を斬る。そして彼はどさっと転がった。
「大丈夫か?」
「なんとかね……」
「お前も向こうにいろ……女じゃちょっと無理だ」
「バカにしないでほしいねぇ」
傷ついたような顔で佐之助に食って掛かる。しかし彼は完全無視して、賊を追いかけに行った。
「おい、沙耶。佐之助の言う通りだ……向こう行ってな」
「颯さんまで……ちっ」
軽く舌打ちして、鈴たちのところに駆けていった。
「颯介!!いい加減、刀を抜けっ!!」
佐之助が颯介の後ろについて叫んだ。
「無理だっ……そんなことしたら、俺が消えてしまう!」
叫び返すと、後ろの人物が固まった。
「き、消える……?」
「そうだよ!本当だっ!!」
そこへ頭領が割り込んでくる。
「お前ら、覚悟っ!」
そう言って大太刀を上段から振り降ろす。
そこへ神父さんが走ってきた。
「アナタタチ、懺悔しなサイ!神の子供として恥ずべき行いデスよ」
そう言って手刀をかます……あっさり頭領はダウンしてしまった。
「……これで大丈夫デス。まだヤル気がある方はいますカ?」
頼りない優男だと思いきや、実は強いということが判明。
異人+実は強者という彼を見て、頭領が伸びてしまった賊たちは逃げ出すものも多かった。
「残りは捕まえるべきデス……ちゃんと調べるのが西洋風デス!」
はっとなった佐之助たちが残党を取り押さえていった。
そして情けなく伸びてしまった頭領を含め、佐之助の部下たちは彼らを連行していった。
フェリス神父が意外に強いということが判明しました。。無理やりです(笑)予想外です←
次回はなぜ、颯介が藤桜刀を抜いたら消えてしまうのか……という話です。。
では、読んでくださりありがとうございました☆




