宣教師来る
「あなたにもイエス様の加護がアリマスヨウニ」
「い、いえす様!?だ、誰ですかそれは?」
オー、とそのお兄さんは声を上げる。
「あなた、御存じないんデスカ?あなたは主から不思議な力を授かっていらしゃるのに?」
「不思議な力!?……あぁこれ?」
そう言ってなんかテキトーに花を出す。
するとお兄さんが、かっこいい男を見つけた女の子如く目をキラキラ輝かせて(しかも歓声を上げて)言った。
「ソウデス!!ソレです!!……私はこの年になってやっと神の御業を目にすることがデキマシタ……主よ、感謝いたします」
なんだか、不思議なお兄さんに出会ってしまった。というかこれは神の御業なのか?俺は全然そんなこと思ったこともねぇよ。というか天にいるのはお釈迦様じゃね?なに?何人も神様とかいうのもいるのか?じゃあ日ノ本の仏さんと、西洋の神様の共存だな。
「……ねぇ、なんで感謝してんの?」
「それは聖書にもあなたと同じようなことをしていらっしゃるイエス様が描かれているカラデス」
そして頼んでもいないのに、持っていた本を開いて読み始めた。
めんどくさいので要約。
あるところにイエスという人がいて、それはそれは慕われていたとさ。
それで彼がある町に移動したときに5000人強(いや、それ以上だな)がついてきたんだと。
途中休憩のときにその……あ、イエスの弟子が「ごはん足りません」と言ったらしい。確かに、ぱんとかいう食べ物と魚数匹しかいなくて、約5000人+イエスとその弟子じゃ足りねぇよということになったらしい。
そこで神の御業が始まるらしい。なんでもイエスが天に向かってぱんと魚を持ち上げ、ぶつぶつ祈ったら、わんさかわんさかそれらが増えたらしい。
それを俺の花を出すやつと同じだと思っているらしい。なんつー迷惑。ちげぇよ。
「あー俺は違うから。ごめんなさ……」
「あら、フェリス神父様」
奥からこの店の主人らしき人物が出てきた。やけにニコニコしている。
するとまたオーと言いながらフェリス神父と呼ばれたお兄さんが返事をした。しかし今度は嬉しそうな声。
「コンニチハ~お元気デスカ?」
「どうもどうも……今日はどうなさったのですか?」
「この方が神の御業を行っているのをたまたま見ましてね」
「ほぉ……そりゃすごいですな」
「ちょっと待て。俺はそんなことできない」
「そんなことないじゃないですカ!ワタシはこの目で見ましたヨ!」
「あーとにかく……」
「颯介!できたぞ……ってあれ?誰だ、その外国人は」
丁度着替えを済ませた江奈姫、もとい栞奈と“あずさ組”3人が出てきた。そしてフェリス神父を見て、一様に動揺している。
「颯さん、誰だい、その方?あたいらは見たことないねぇ」
「いや、俺が聞きたい」
はぁーっと頭を抱える。いや、ホント今頭痛いのに(だって家出娘もついてくるって言うんだもん)さらに悩みの種が……こいつは簡単には離れないぞ。
「アラ、みなさんはこの方のお仲間で?」
フェリス神父が後ろの4人に尋ねる。
すると江奈姫が答えた。
「そうだ!そういう貴殿は誰であるか?」
完全に部下への口調。それも直さないとな。
でもフェリス神父は全然気にしてない様子。普通に答えた。
「ワタシはデスネ……イエズス会の神父デス。フェリスと申しマス。イスパニアから来ました」
「いすぱ……?」
「アー……なんと言ったらいいのでしょうか。そう!宋がある大陸の一番西側にある国デス」
「どこまであるんだ……見当もつかねぇや」
「というか颯介!もう出かけたいぞ!!」
……江奈姫。もうちょっと待て……お前京にいたいんなら、あんまり動かない方がいいと思うぞ?行くところないし(笑)
「出かける?」
フェリス神父が反応する。
「みなさん、旅に出るんですか!?なら……」
「なら?」
「ワタシも連れて行ってくだサイ!神の御使いと共にいたいデス!」
「……うそ……」
また頭痛が……なんでこうなるんだッ!
前書き書いてませんが、許してくださいね(笑)
もうフェリス神父、口調めちゃくちゃだしw
しかもあの聖書の話、要約にもなってないしww
でも、あれが聖書の中にあることはあるんですよ☆どこの何は忘れましたが。これは『奇跡』のうちの一つですwwこんな奇跡があったら平賀君感動するでしょうねw(すみません、これは自分の話です。。あれです。活動報告の話ですw)
あと日本のことを「日ノ本」と書いてますが、あれは間違いではありません。。昔の呼称です
では、読んでくださりありがとうございました☆