表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
咲かせ屋  作者: 玖龍
桜庭颯介と藤桜刀
1/37

旅立ち

新規投稿です(こんなところで言うことじゃないですね、ははは……)


拙い文章ですが、読んでいただけたら嬉しいです☆


自分でも先が見えないので、道から脱線しそうだったら教えてくださいw

 「うぅー、さみぃ」

 男がへっくしょん、と大きなクシャミをした。


 季節はもう春……なのにまだ寒い。花なんて咲いてない。


 「寂しいなぁ……誰も見てねぇからいいや」

 そう言ってまだ蕾も膨らんでない梅の木に近づいて、その枝にそっと手を被せる。

 そして手をはずす……するとピンク色をした梅の蕾が一気に膨らんで満開に咲き出した。

 「うん。これぐらいないと」

 その様子を見て、ニンマリ笑って立ち去った。



 「(そう)(すけ)さん」

 女性が声を掛ける。おう、と男――楓介は手を振る。

 「今日はどこに行ってたんだい?」

 「ちょいと、ね」

 ふふーんと鼻歌を歌いながらそこを離れた。



 桜庭颯介、というのが彼の名前。黒い目に、無造作に切られた黒い髪。でも整った顔で着物もオシャレ。今日だって赤い手ぬぐいを首に巻いている。颯介曰く、彼はただの商人。しかし彼の腰には刀があった。

 銘は“藤桜刀(とうおうとう)”という聞いたこともないもの。だが、桜庭家に代々伝わるものらしい。

 そして明るい性格で人見知りなんてまるでしたことが無い……そんな変な男。



 「颯さぁーん」

 近所の子供たちが駆け寄ってくる。

 「遅いよぉ!もう終わっちゃうよ!早く!」

 「ちょっと待ってな」

 子供たちに手を引かれ、村の広場へ連れて行かれる。

 「これにてあずさ組、お暇を申し上げまする」

 「あーあ、終わっちゃったじゃん!」

 「颯さんののろまぁー」

 「うっせーよ!俺はちょっと散歩してただけじゃねぇーか」

 「だって亜里(あり)()(ねぇ)が『颯さんを呼んどくれ』って言ったんだもん!」

 亜里菜の色っぽい声を真似して言う。

 「そうだよ。なんで颯さんいなかったんだい?」

 亜里菜が舞台から降りてくる。丁度、亜里菜率いる“あずさ組”の芝居が終わったらしい。

 「あたいらずぅーっと待ってたんだから」

 続いて亜里菜の妹、(すず)が小さく頬を膨らます。

 「さぁて、これをどう埋めてくれるのかしら?」

 最後に鈴の姉で3姉妹の次女、沙耶(さや)が言う。


 彼女らもこの村出身の旅芸人。とにかく美人でファンも多い(特に男)。“あずさ組”というのは彼女らの名前から取っているらしい。


 そんな3人に迫られ、颯介は狼狽える。

 「ま、待てってば……俺だっていろいろ忙しんだよ」

 「たとえば?」

 「……」

 「答えなさいよ!」

 「……うっせーよ!とにかくいろいろなんだよ!!」

 「ふーん……いろいろ忙しい颯さんにはこれ(・・)いらないね?」

 亜里菜が懐から1枚の紙切れを取り出す。そして颯介の目の前でぴらぴらさせる。

 「あ!!なんだそれ!?」

 「忙しそうな颯さんには、関係ないことさぁ」

 「さぁ」

 鈴が真似する……黙っとけやぁー!

 「“咲かせ屋”に是非来てほしいっていう依頼だったけど、無理です、って返しておくわ……残念ねぇ」

 沙耶がクスクスっと笑って紙と筆を取り出す。

 「あっ!ちょっと待て!どこ?」

 「いいさぁ、無理しなくて」

 「そんなことない!依頼があったら絶対行くって」

 「ふふん……ではでは」

 ぴろっとひっくり返す……なになに?“佐加村”?聞いたことねぇなぁ……


 「この村をちょっと行けば、あるところだよ……なんなら、あたいらがついて行ってあげようか?」

 「そうして頂戴」

 「“あずさ組”の次の舞台は“佐加村”に決まり!」

 ……おい、そこ?俺のお仕事についてくるだけじゃん?


 すると子供その1が駆け寄ってきた。 

 「えぇー、颯さん、行っちゃうの?」

 「おうよ!……なんだ?さみしいか?」

 「うん」

 「そういう奴には……ほれ」

 どこからともなく真っ赤な花を出す。子供たちの歓声。うん、成功……わっはっは。

 「じゃあ、私たち待ってるから」

 「ははは……」

 よっこらしょと立ち上がり、颯介を完全無視して先に行ってしまった“あずさ組”の3人の後を追った。


はい、無事に(?)投稿できました☆


“咲かせ屋”とは一体なんなんでしょうか……?正体は次、いや次の次?いやいや次の次の次?……きりがないですけど、そのうち出てくると思います。。


では、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ