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9.魔法は必要か?

続いて火魔法を試してみようかと思ったが、少し考える。

どうも魔法の見た目にこだわると「物理縛り」の呪いによって思わぬ状況が生まれそうだ。


火魔法、例えばファイアーボールは燃える火球が的に向かって飛んでいくというのがテンプレだ。

まず火球に関して考えてみる。

火とは激しい酸化作用だ。なので、酸素と可燃物が必要になる。

何もない空間に火球を発生させようとした場合、可燃物は何になるだろうか?

空気中の二酸化炭素から炭素を抽出するのか?

そうすると、火球が発生するとともに二酸化炭素をいったん炭素に置き換えるための作用が必要になる。

空気中の二酸化炭素と水素を触媒を使ってメタンにするエコがあったと思うが、そもそも水素も必要になるが空気中の水蒸気から水素発生が必要だ。

それに水素が出来たところでメタンを作るには触媒も必要。

詰んだ。


めんどくせー


何もない空間に火球を作るのは無理。


対象物を燃やす魔法として考えよう。

有機物は燃える。

ただ、有機物はもれなく水分を含んでおり、水は可燃物を多い酸素との接触を断つ、つまり火を消す。

生木であれば100~200%の含水率だ。その水分を蒸発させるほどの熱エネルギーが必要になる。

魔力は熱エネルギーに変換されるのか?

それが可能であれば、「火」という現象なしに熱エネルギーだけ発生させてしまえばいいのではないか?


枯れ枝を地面に突き刺し、枯れ枝に向かって熱エネルギーを与えるつもりで念じてみた。

ゆっくりと注ぐ感じでやろう


何も起こらない。


魔力を熱エネルギーには変換できない。


熱エネルギーはいわば原子や分子の振動だ。何か手はないか?


電子レンジ


電子レンジは対象物に電磁波を照射して分子を振動させる装置だ。

しかし、人間は光を出していない。

無理か。


何かほかに手は?


超音波加熱はどうだ。


声帯を使って超音波を出し、対象物を振動させれば燃えるかもしれない。


夕方までいろいろ声にならない声を出してみたが、ダメだった。


物理縛りはかなり強力だ。


ま、いいか。


魔法いらん。


いや、せっかくなので、水球発生による竜巻は奥の手にしておこう。


とりあえず、強力な体で物理特化でいく。

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