55.猪狩①
I街
豊富な森林資源を有する丘陵地帯に位置し、小麦など農産物はもちろん、牧畜も盛ん。
葡萄栽培農家も多く、ワイン生産量は王国内トップ10に入る。
麦畑に挟まれた街道を時速80km程度で軽く流す。
すでに麦は刈り取られ、クローバーやすみれ、豆科の植物が茂っている。
まだ森には果実などがあると思うが、きのこやどんぐりにはまだ早い季節。
食糧を求めて街に現れているのか?
さて、門が見えた。
減速し、門番に挨拶した。
「こんにちは、猪狩りに来ました」
張り紙を見せながら伝える。
「サキさん、お久しぶりです。この依頼受けてくださるんですか?」
「ええ、詳しいお話を聞いてから決めようかとは思ってますが」
「ご案内します。おい、パウル。先に走ってブラウンさんに伝えてこい」
「はい」
「ではサキさん行きましょう」
「ありがとうございます」
川沿いの堤防上の道を進みブラウン町長の家へ。
玄関には先ほどのパウルと長身で顎鬚を蓄えた壮年の男が立っていた。
「お久しぶりです。どうぞ中へ。」
「ごぶさたしております。猪狩が必要と聞きまして」
「ええそうなんですよ。マイクにパウルも案内ご苦労様。あとで被害現場の案内も頼みたいから、一緒に中に入っておくれ。」
玄関を入ると、広い居間となっており、大きめのテーブルに椅子が12脚並んでいる。
奥の真ん中にブラウン氏が座るようなのでその向かい側に向かう。
「領都の掲示板でお知りになったんですか?」
「ええ、そうです。少し普段と違うこともしてみたくなりまして」
「サキさんなら安心です。
さて、ここ一月ほど大きなオス猪に悩まされていまして。
そのオスは複数の群れを連れて畑を荒らすんですよ。
気も荒く人間が近づくと、他の雄に呼びかけ、決して一匹だけで動きません。
こんなのは初めてです。
メスが瓜坊を連れているのならよく見かけましたが。
昼は森に潜んでいます。
腹が減ると夜半から群れで出てきます」
「なるほど




