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53.食事

ジャンとエリックが車軸を取り替えている間、馬車を持ち上げたりと少し手伝いをした。

その後二人は車輪が壊れた場所に戻って、石畳に傷やゆがみなどが発生していないか確認に行った。

軌道には問題も無く、馬車の老朽化と過積載による者と判明した。

「乗せすぎで馬車を壊しちゃあ、罰金は免れねえな」

「しょうがねえ、次からちゃんと決められた量に納めなきゃ」


軌道馬車は貸与されているらしい。

貨物を無事運ぶことと同時に軌道上の流通を円滑に行うことが求められているらしい。

なので、故障した馬車の撤去作業を積極的に行っていたのだろう。


後方に馬車の姿が見えないことから、空馬車を軌道に戻し、荷物を積み直した。

また壊してはならないということで、人の歩く速度程度でゆっくりと進む。


ジャンとエリックは、目的の町の門限に間に合わないと諦め、街道各所に設けられている野営場に馬車を停めた。

「サキさんにゃ、えらい手伝ってもらったんで、たいしたもんはねえが、飯でも食って下せえ」

馬をつなぎながらジャンが言う。

「そんな、困ったときはお互い様ですよ」

「いつもそんなこと言って遠慮して。ちゃんとお礼させてもらえねえとかかあに叱られちまいますよ」

ガハハとエリックが笑う。

「ではお言葉に甘えます」

「おう、たいしたもんはねえけどな」

二人は馬の世話をし、御者台の下からテントを出して設営し、さっさと火をたき出した。

鍋に馬車脇の樽から水をくみ、火に掛ける。

ジャンが御者座席下からパンとソーセージ、芋を出してきた。

さっさと、ソーセージを鍋に入れ、芋の皮をむき、一口サイズに切ると鍋に入れる。

パンを3枚切り出し、たき火脇に置く。

ジャンが懐から岩塩を取り出し、ナイフで削って鍋に入れた。

「サキさんはこの深皿を使って下せえ。俺はコップで大丈夫ですから」

ナイフで芋とソーセージをとりわけ、煮汁を深皿に注ぐ。

温まったパンを渡してくれた。

「さあ、たべてくだせえ」

「ではありがたく」


この世界に来て初めて人と一緒に食べた食事だった。


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