50.お金…
この世界に来てから色々やった。
この大陸に限れば農業生産力が高まり、流通網は整備され格段に安定した。
でもなんだろ、満たされない。
そう、生活してないのだ。
これじゃだめだ。
異世界テンプレを思い出し「冒険者」になろう。
そして稼ぎ、この世界に根を張り、たくさんの人と触れ合おう。
そう心に決め、領都を訪れた。
道ゆく人々は皆気持ちよく挨拶してくれる。
「あの」
「あら、サキさんどうしたの?」
「冒険者ギルドってありますか?」
「冒険者?ギルド?」
「なんていうか、いろんな人の困り事などがあれば、それに見合った報酬が出るような」
「お仕事の紹介?かしら」
「そんな感じの、はい」
「うーん。あたしの知り合いで今人を募集してるっていうのは聞かないわね。
あ、でも、役場で街道工事の妊婦は募集してましたよ。
あと、街の教会や役場の掲示板に日当仕事とか、個人的な依頼みたいなものは見たことあるわね」
おうふ。冒険者も冒険者ギルドもない。
「サキさん。お仕事探してるの?」
「ええ、少し稼ごうかと思いまして」
「サキさんなら引く手数多でしょう。
うちの旦那に話したらすぐ「手伝ってくれ!」とか言い出すわよ。」
「ちなみになんのお仕事を?」
「あら、言ってなかったかしら。うちの旦那はパン屋よ」
「パンは焼いたことがなくて‥」
あら、残念。でも、そうね。サキさんなら領主様でも雇うかもよ」
「あんまり、そういう固い仕事は…」
「そうなの?なら、一度掲示板を見てみるといいわよ。あんまり役に立たなくて、ごめんなさいね」
掲示板の場所を聞き、さっそく向かうことにした。




