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36.新年

ドアを開くと領都に続く街道だった。

振り返ると山脈が遠くそびえ、8つの噴煙がかすんで見える。

自分の仕事ぶりに満足しつつ両都へ向かう。


はて?


門は閉ざされており、門の前には大勢の人が開門を求めて怒号を上げている。

門衛が槍衾を向け、門内への侵入を阻止している。

城壁の周りに布張りのテントのようなものが並んでいる。


難民か?

どこかで戦争でも起きたのだろうか?

すぐに領主に確認しなくては。


正面から領都に入るのは無理そうだ。

どこか入れるところはないだろうか。

城壁に沿って一周してみたが、すべての門は同様の厳戒態勢が敷かれており、ネズミ一匹通さない様子だ。


しょうがない、人目に付かない森の中に入り、軽く地面を小突く。

ぽっかりと穴が空いたので、底に降り立ち、今度は領都方向へ。

途中、水脈とぶつかりおそらく井戸へとつながると予想し、その水脈をたどった。


うまく井戸に突き当たった。

しかし、井戸の上からは人声が聞こえ、侵入するのは難しそうだ。


森に戻って考える。

井戸は今日一日は枯れたようになるだろうが明日には元通りだから大丈夫だろう。


城壁を飛び越えればいいか。

一度拠点に帰り、夜を待つ。


闇にまぎれ城壁を飛び越え、領都内へ。

城壁にはかがり火がたかれていたが、高く飛び越え領主邸の屋根に着地。

屋根から敷地裏に飛び降り、邸宅の門へ。

初めからこうすればよかった。

門の前も厳戒体制となっており、門衛4人が夜警を行っている。


「こんばんわ」

「サキさんではないですか。ご無沙汰しております。」

「どうもご無沙汰です、領主様にお会いすることはできますか」

「すぐに確認してきます。おい!聞いてこい」

「ハイ!」

「えらい騒ぎですね」

「ええ、この半年以上毎日のように噴火が続き、聖王国や農村からの亡命者でごった返しています。」

「亡命者?」

「ええ。毎日毎日衰えることなく噴火するものですから、おびえてしまい、農作業もできないと」

「領主様がお会いするそうです!」

「そうか、仔細は領主様からお聞きいただければ。どうぞ中へ」


玄関で迎えてくれた執事に連れられ、執務室へ。

ドアを開けるとげっそりとやつれた領主が執務机で迎えてくれた。

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