2.転生特典
「このたびは申し訳ありませんでした」
土下座する金髪頭を踏みつけるのにも飽きてきた。
「で、どうするの?トラック便だと帰れないよ、この子」
「この世界で私のお手伝いをしていただければ…」
「まあ、俺の側にはつけないよね。連れてきた時点でそっちに染まっちゃってるし」
「染まるって?」
「ああ、ここで目覚めた時点で、こいつの側って事。だから、世界に降りたら、理由無く俺が殺しに掛かるって感じかな」
「ええ~。ここで暮らそうかな」
「それは出来ないんですよ。というか、すでにかなりリミットが迫ってまして。本当は世界の概略や魔法の使い方などについてご説明したかったのですが…残念です」
更に金髪頭を雲に押し込んだ
「まあまあ、俺が直接手を出すことはないし、別に刺客や教団みたいな分かりやすい手はないから、安心して。おっ!世界に降り始めてるな」
つま先から薄れてきている。
「とりあえず、強くしておきます。それと、慣れるための拠点を作ってます。言葉や文字、食べ物の心配はありません、色々勉強して、転生で困る主な事柄は設定変えておきましたから。」
「設定?」
「そうです、私たちの世界の設定の方をちょちょいと」
「おまっ!そんなことをしたら」
「へっ!ざまー見ろ。中世程度の農林水産業、工業、物流ではあり得ない食べ物が提供され、とつぜん言語が変わったのだ。プフーっ笑える。とっとと戻って対策を講じるが良いわ!」
「バカヤロー!」
金髪と黒髪の罵り合いを聞きながら俺は奴らの作った世界に降り立った。




