18.出立
名前を設定したことで、「顔パス」が有効化され、開かずの扉が開いた。
まだ扉の向こうへ出てはいないが、覗いてみたところ、こことほぼ気候の変わらない場所のようだ。
よし、いよいよ世界に向けて出発しよう。
携行物の用意だ。
何しろ、インベントリがないので、リュックなどで運べるだけとなる。
リュック一つ、75Lくらい
布きれ、ベッドのシーツを持って行こう。
縄、10m3本
食器、皿、コップ、スポーン、フォーク
剣、
ナイフ、
盾、
あの実、5個
リュックに詰め込み、くくりつけ、これで一杯だ。
大問題がある。
飲み水だ。
水筒がないのだ。
試しに、あの実を開けるときに「水」と念じてみたら、水が一杯に入っていたが、もったいないな。
そこで、実の殻を米粒を潰した「のり」で貼り付け、穴を開け、栓を作り、水筒とした。
これ一つで1Lは入るので、3つ作った。
生水なので、草原に生えていた抗菌作用の強い草を入れておいた。
さあ、これで準備できた。
朝を迎え、いよいよ出発だ。
今まで平穏に過ごせたこの拠点から出ると思うと感慨深いものがある。
ノブを回し、外の世界へ。
そこは変わらず明るい世界。
鳥のさえずりが聞こえ、見違いまっすぐ続いている。
遠くには壮大な山々が峰を連ね、手前には丘も見えている。
空は青く、雲は白くたなびき、素晴らしく美しい。
金髪が大切に思うのも理解できる。
背中の荷物は重いが、心は軽い。
まだ見ぬ世界に期待と少しの不安。
冒険が始まるのだ。
右手に違和感がある。
「・・・ドアノブ?」
何もない空間でドアノブを回してみた。
「すぐ拠点に戻れるじゃねーか!」




