1.雲の上
「あんた、何してんの」
頭上には抜けるような青空、足元には真っ白な雲。
雲の床にちゃぶ台を置き、ノートパソコンをカタカタと触る、金髪ロン毛の白ワンピース男に問いかけた。
「え?見えてます?へー、そんなふうに見えてるんですね私。面白い。」
「?いや、何してんの?それとここどこ?なんで雲の上に立ってんの、俺?」
「はいはい、混乱しますよね。簡単に言うと、あなたは死んで、今異世界に行く前の準備時間って感じです」
「あ〜、よくある異世界転生的な?」
「そうです、そうです。話が早い」
「俺も仲間入りかぁ。で、魔法アリのファンタジー世界に?」
「そうそう」
「またか。もうそろそろこのジャンルも掘り尽くされてるんじゃ?」
「こちらにも色々都合があるんですよ。PV数とか、フォロー数とか」
「・・・まぁいいや。俺に何かして欲しいことでも?」
「そうです!悪魔の邪魔をしていただきたい」
「悪魔?魔王ではなく?」
「そこは次元が違いますよ。悪魔は私と同次元の存在ですが、魔王はあくまで生き物でしょ。始めは一緒にこの世界を作ったのに、あいつときたら最近邪魔ばかり。超むかつくんですよ」
「つれないな、そう言うなよ」
突然現れた黒髪の男が金髪に言う。
「言うわ!私が簡単に、単純に作ろうとしているのにあなたはいつもいつも、複雑怪奇に組み合わせたり。バリエーションを増やしたり。面倒なんですよ」
「こいつの邪魔をすれば良いと?」
「お願いします」
「てい!」
なぜか持っていたバットで殴ってみた。
「危な!突然なにすんだ?…ん?おまえだれ?」
「え?今更?」
「…あ!またお前、違う世界から連れてきたのか?良くないよそれ」
「あなたの邪魔が出来るなら何でもしますよ」
「懲りないねぇ。僕?ろくな事じゃないから、あっちの輪廻にかえっておきな」
「いや、気づいたらここなんで、死んだのかどうかも知らないんですけど」
「死んでなきゃ来れないから死んでるよ」
「そうなん?」
「はい。異世界転生トラック便に頼んだので間違いなく死んでます」
「「・・・」」
「お前が俺を?」
「引くわ~」
なぜか持っていた1トンハンマーで、金髪頭を殴っていた。




