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魔法のコイン

さあ、ジャクリーヌさんもこの子たちとクリスマスプディングを食べておくれ」


サンタさんはジャクリーヌにクリスマスプディングを切り分けてくれる


「ママ、コインが入っているんだって♪」


「そうじゃ、当たるとラッキーじゃよ」


「まぁ! 素敵ね!」


「エッグノックと一緒にどうぞ」


「ありがとう、スノーマンさん」


「甘くて美味しい♪ エッグノック飲むの初めてぇ」


「ん…クリスマスプディング、ドライフルーツと木の実がたっぷりね…あ…」


ジャクリーヌは口の中でカチンと音がしたのに驚いた


「まぁ、サンタさんのお顔の入ったコインだわ…くるるっ」


「お姉さま~おめでとう!あ…?」


ジャッコと口の中にもカチっとコインが触れる


「え、ええっ?? 私のプディングにも入ってる!」


「二人ともよかったわね! 」


「ほっほっほ~本来、コインはひとつじゃがお前さんたちは頑張ったからご褒美じゃよ。今日から1年間、願い事が三つ叶うぞ。


本当に叶えたいことを何でも願うと良い」


「ありがとう…サンタさん…」


「ありがとうございます…その、願い事は…心の中で願えばいいのですか?」


サンタさんはウインクしてコクリと頷いた


「心の中で願ってもいいし、口に出したければ1人でいる時にこっそりと言うのがコツじゃよ…」


「わかりましたっ、くるるる」


「でもママ、私たちが鳩娘の姿になったのにどうしてわかったの?」



ジャクリーヌはジャッコのまぁるい頭を優しく撫でながら質問に答える


「それはね、あなた達を愛しているからどんな姿になろうとママにはわかるの。ジャッコ、ジャクコ、長い間、寂しい想いをさせてごめんなさいね」


「サンタさん、これはクリスマスだけの軌跡じゃないよね? クリスマスが終わってピジョンタウンに帰ってもママは消えたりしないよね?」


涙を零しながら訪ねるジャッコの肩をサンタさんはそっと撫でながらこう答えた


「もちろん、ママに会えたのはクリスマスの魔法じゃ。だがのぉ、お前さんたちは願いの叶うコインを持っとるじゃろう?」


サンタさんの言葉にジャッコとジャクコは同時に顔を見合わせ頷いた


コク…


三つの願い事が叶えてくれる魔法のコイン


二人が同時に願うことはたったひとつ はっきりと決まっていた





「ただいま~パパ、パパっ!!」


「お父様、ただいま!!」


娘たちの声にすっ飛んできた父、ジャックはジャクコとジャッコ手を繋いでにこにこと佇んでいるジャクリーヌにびっくり!



「やっとこの子たちに姿を見せられましたわ…あなた…」


「パパ、聞いて。ママとね私たちはもうずっとずっと一緒にいられるの!」


「本当…かい?」


ジャクリーヌは静かに頷きながらジャックの翼をそっと握った(ジニー家の家族になったジャックも鳩なので)


「もう私たち、はなれないですむのよ。お父様、未来永劫、ずっと一緒にいられるの」



「そうか…そうなのか…ああ…夢なら冷めないでくれ…」


涙を流しながら感動に全身を震わせるジャックを妻のジャクリーヌは優しく抱きしめた


「あなた、夢じゃありません。これからは毎日一緒に暮らせますわ…」



わあぁぁぁ


「おめでとう、ジャッコちゃん、ジャクコちゃん」


「これで晴れて家族全員揃ったわね」


ジニーがワンドを振ると…ジャクリーヌは羽根先がうっすら虹色のピンク色の愛らしい鳩になった


「改めてよろしくね、ジャクリーヌ。私はジニー、この子たちのもうひとりのママでもあるわ、ようこそ、ジニー家へ!」


「俺はジニーの夫のダン、はじめまして! 明日は一緒に帰りましょう、平和な国、ピジョンタウンへ」


「ジニー様、ダン様、ありがとうございます…ジャクコとジャッコを可愛がってくださって…ピジョンタウンがどれほど素敵なところか、水晶で観ておりました。


一緒に暮らせるなんて…私、私、…」


ジニーと微笑んでジャクリーヌを抱きしめた


「家族に敬語は禁止令よ、ジャクリーヌ」


「はっはっは…いいクリスマスだ…ピィピリピィ」



「おめでとう、よかったさん」


「なんて…素敵な…クリスマスなの…ええ…」


「ったくよぉ、サンタのじぃさん、しゃれたことむしやがるぜっ」


涙ぐむハトモコときぃちゃん姉妹と江戸、お取り巻きの雛鳩たちや鳩娘たちにピヨ、誰しもが心からジャッコたちを祝福した



「あれ? キーモちゃんとミーモちゃんは?」


「そういえば、さっきジャッコちゃんたちをサンタさんが送ってくれたあと、玩具工場に行くっていってたわ」





「サンタさん、ありがとう」


「ほっほっほ、願いはコインをもらった自分のモノじゃ。あの子たちの幸せはあの子たちが願うじゃろう…


キーモや、お前は残りの二つの願い事はお前さん自身のこと、家族のこと、よく考えて願うといい…期間は来年のイヴまでのばしてやろう」


「サンタさん、大好きよ」


「よかったね、キーモ♪」


「クリスマスは本当に幸せの魔法があるんだな」


キーモは願い事のふたつのうちのひとつをジャッコとジャクコが亡くなったお母さんと再会できるように願おうと思っていたがサンタさんにこう言われた


「待ちなさい、キーモや…お前さんの気持ちはよくわかるがのぉ、そのコインは自分の為に使わなければいけないよ…」


「サンタさん、でも…」


サンタさんは首を横にぶんぶんと振ると


「よくお聞き、そのコインはキーモ、お前を選んだのじゃ。奇跡の魔法はお前のためによくよく考えて願っておくれ…


あの子たちの願い事は必ず、このサンタクロースが叶えると約束しよう…」



「本当?」


「ほっほっほ~サンタに二言はないぞ」



あの時、サンタさんは…ジャッコちゃんとジャクコちゃんが心の中で願っていることがわかっていたのね



「なぁ、キーモ。俺は思うんだけど…」


「なぁに、ルディ?」


「多分、ここに来た時点であの二人は幸せになる魔法がかかっていたんじゃないかな。でもね、それはキーモの優しさが大きかったと思うんだ」


「私も思う。キーモの二人に幸せになってほしいって願いがきっとサンタさんに通じたんだよ!」



「そんな…」



「ミーモさん、キーモさん、ルディさん、ビスケットが焼けましたよ♪」


「ありがとう、エルフ」



以前、クリスマスタウンに来た時に友達になった玩具工場のエルフに呼ばれミーモとキーモ、ルディはココアにサンドイッチ、ビスケットにクロテッドクリームが並べられたテーブルへと走って行った


「このスコーン、なんて美味しいんだ! あうあう、あぉーん、あっと、思わず犬に戻りそうになった(笑)」


クロテッドクリームをたっぷりつけたエルフご自慢のスコーンをほおばりながら感激するルディ


「あはは、ルディったら口のはしにクリームついてるぅ(笑)」


「わかるわかる。私たちも初めて食べたとき、感動したもんね、ミーモ?」


「うん、キーモ、サンタさん、エルフのスコーン、今年もまた送ってほしいよ~」


「ほっほっほ~最初からそのつもりじゃよ、お前さんたちが家に就く頃、届くはずじゃ」



「すっごい、私たちの考え事は何でもお見通しね♪」


「ほっほっほ~、特に親友の気持ちは手に取るように通じるからのぉ」


そう言いながらキーモにウインクするサンタさんだった










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