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スノーマンのパーティー

「お姉さま、プレゼントの中身、見せっこしよう♪」


「OKジャッコ、いい? ワン、ツー、スリー♪」


「あ~色違いのニット帽だ、くるっ」


「ジャッコがピンクで私がオレンジね、お揃いで嬉しいわ~くるるっ」


「ねえ、パパは何が入ってるの?」


「お前たちとお揃いのニット帽だよ」


「ほんとだぁ、グレーのニット帽、みんなお揃いね~」


「ああ、素敵な国だね、クリスマスタウンは…来てよかったよ」


『よかったわね、あなた…』


『ジャクリーヌ!』


『安心して、わたくしの声は今は子供たちに聞こえませんの。ふふっ』


『今は?』


「パパ~、またぼぉーっとしてる…本当に大丈夫なぁ…」


テレパスで愛妻と会話をしていたジャックはジャッコの心配そうな声に気づいて微笑んだ


「ごめん、ごめん、あんまりミラクルなプレゼントにパパ、びっくりしてぼぉーっとしちゃってな、はっはっは」


「本当にミラクルですわね、流石はサンタさんの国だわ、くるるる」


本当だな…


すべてが優しく心地いいミラクルな国だ


『あなた…本当のミラクルはこれからですわ』


え…


「ねぇねぇ、きぃちゃんたちとクリスマスマーケットに行っていい? パパはお疲れみたいだからお部屋で休んでいたら?」


「そうね、ダンパパがスネイプさんとコージュさんとチェス大会するって言ってたからパパも参加したら?」


「ほぉ! それは面白そうだな♪ しかし、子供たちだけで大丈夫かい?」



「心配いらんよ、ジャック。ピヨとジニーが付き添うからな、ピィピリピィ」


ミトンとマフラー、真っ赤なコートに身を包んだピヨが背後から声をかける


「こ、これはピヨ様、ジニーとあなたがご一緒なら安心です。娘たちをお願いします」


「はっはっはは。家族になったのだから敬語は不要と言ったろう? 礼儀正しいやつよ、ピィピリピィ」


「そうよ、ジャック。まぁピヨ、可愛いわぁ♪まるでクリスマスの精霊、いいえ、お姫様ね」


ピヨと色違いの緑のコートに身を包んだジニーが微笑んでいた



「よせよせ、ジニーは姉バカで困る…」




「何を言うの! こんなに可愛いのに控えめなんだから…」


流石は番い大魔王ハトモコの母親ジニー


シスコンならぬ重度のピヨコンなのである


「ママ~支度できたさん♪」


「ふふふ…きぃとお揃いの番いコート…ふふふ…」


「あら素敵ねハトモコ」


「素敵なのはきぃちゃんだから…ええ…何を着ても可憐だわ…」


「ハトモコちゃん、お待たせだべ」


「ジュリリ。ジュリジュリ…」


ハトモコのお取り巻きの雛鳩たちも身支度を整え準備満タン



「では行こう、さぁジャッコとジャクコもおいで…ピヨがなんでも買ってあげよう」



「わぁい♪ピヨちゃん大好き♪」




「楽しかったぁ~ねっ、お姉さま」


「ほんとね~美味しいフードばっかりだったし、ピヨちゃんに買ってもらったトナカイさんのぬいぐるみもちもちで可愛いわぁ」


50店舗以上のマーケットを楽しんだジャッコとジャクコは雑貨屋さんで一目ぼれしたトナカイのぬいぐるみを買ってもらってご機嫌だった


「二人とも本当に嬉しそう、ありがとうピヨ」


「ああ、クリスマスタウンのぬいぐるみは幸せを運んでくれるからな…」



「そうね…あの子たちは悲しい想いをしたぶん、幸せにならなくちゃね…」


「いかにも…まかりなりにもこのピヨも三人の子供の母として娘の幸せを願わずにはいられんのでな」


パタパタ…


「ピヨママ~」


「ママ~遊んで~」


「ママ~遊んでほしいわさっ」


ピヨの子供の小鴉のカーピヨ、ピンクのひよこのまきピヨ、紫のひよこのぶびピヨはピヨにすり寄って甘えている



「はっはっは、わかったわかった」



「カーピヨちゃんもまきピヨちゃんもぶびピヨちゃんもぬいぐるみみたいで癒される~♪


ミーモ、仲良くなりたいなぁ」


「キーモも仲良しになりたいけど、カーピヨちゃんはともっぽ姫の傍にしかいかないし、まきピヨちゃんはピヨちゃんの傍から離れないし…ぶびピヨちゃんは


ずっとダンスしてて話しかけても『おっほ~今、踊っているんだわさっ』って言われちゃうからな」



「あの子たちと仲良くするのは難しいさん、小鳩なのにねーさんに甘えないんだから」



「きぃちゃん…そうなんだ…ハトモコちゃんに憧れない子がいるなんて…」


個性的で重度なシスコンのハトモコだがきぃちゃんへの番い愛に小鳩たちは感動すると共に強い憧れを抱き、小鳩キラーと呼ばれるほど小鳩たちに慕われのである



「ん~みんなもっふもふで触ってみたい~撫でてみたいなぁ」



「そうね…かぁちゃんは(カーピヨ)はともっぽ姫と親友だから、ともっぽ姫に魂の似てるミーモちゃんなら仲良くなれるかもよ…ふふ」


ハトモコの言葉にテンションが上がるミーモ



「わ、わたしがっ、ともっぽ姫と似てるなんて…ってことは…もしかして、今にカーピヨちゃんをもふもふ出来る日がくるってことぉ??」


「ミーモ……あんた…小鳩ちゃん好きだもんね…」


ルディ命のミーモだが可愛いもの好きなロリコンでもあるのでもふもふな小鳩にはデレデレなのであった


ひょっとしてルディ、苦労するかもだわ…


「平気さ、キーモ(笑)ミーモは重度のシスコンだからきみに似た小鳩ちゃんが好きなんだよ…」


「ルディ、そーゆーこと?」


ルディは腕組みしながらコクリと頷いた


「そ、だから俺的には真のライバルはきみだよ、キーモ(笑)冗談だけどね」



なるほど!


確かにミーモは自他ともに認めるシスコンだった…ってことは将来はバイッポになる可能性もあるってこと?


※バイッポとはバイセクシャルの鳩のこと




「そっか~さんきゅルディ。安心したよ」


口ではそう言ったもののやはりルディの行く末が少しばかり心配なキーモだった




楽しい時間は瞬く間に過ぎていきクリスマスイヴ当日


ソリにのったサンタさんが約束通りにリボンとフリルたっぷりなドレスに身を包んでおめかししたジャッコとジャクコを迎えにやってきた



「メリークリスマ~ス♪ ほっほっほ~二人とも可愛いのぉ~」


「サンタさん、待ってたぽぉ」


「サンタさん、私たち、楽しみ過ぎて今夜のご馳走が喉を通らなかったぽ」



「そうかそうか、じゃがふたりとも心配はいらんよ。スノーマン達はグルメじゃからのぉ、美味しいご馳走が山ほど用意してあるぞ♪」


「そうなのね、じゃあお腹が空いててちょぅどよかったぁ♪」


「サンタ、娘たちを頼んだよ」


「おお、ジャック! まかせておけ」


ウインクしてジャックの肩を軽く叩くとサンタはジャッコとジャクコを載せてスノーマンのパーティー会場へとソリを走らせていった


シャンシャンシャン♪シャンシャンシャン♪


「すっごぉぉい!! 最初乗った時よりずっと早く走ってる~」


「本当ね~でも気持ちいいなぁ」


「ほっほっほ~♪ わしのトナカイ達は用途別に走り分けれるからのぉ、スピードも自由自在じゃよ。二人ともしっかり捕まっておるんじゃぞ」


シャンシャンシャン♪


ものの5分ほどで世界中からやってきたスノーマン達が楽器を演奏して楽しそうに歌い踊るパーティー会場うへと到着した


「ジャッコ姫、ジャクコ姫、ようこそ、我らのパーティーにお越しくださいました」


3メートルほどある大きな燕尾服姿のスノーマンがシルクハットを脱いでペコリとお辞儀をして優雅に挨拶をしてくれる


「あっ、あなたはもしかして…」


「はい。お姫様方に招待状を差し上げた者でございます」


「まぁ、そうでしたのね! あの時は飛んでいらしたからわからなかったわ。ご招待くださってありがとうございます。くるっ」


「さあさあ、二人とも奥のテーブルにご馳走が並んでいるぞ」


「ようこそ、パーティーへ」


「いらっしゃい、お姫様たち♪」


「ホイップたっぷりのショコラは如何?」


「焼きたてのクレープも美味しいですよ~」


スリムやマッチョや恰幅のいい紳士と淑女のスノーマン達がにこやかに微笑んでジャッコ姉妹を歓迎してくれた


「なんて素敵なのかしらっ♪お姉さま、来てよかったわね」


「ええ、ジャッコ。どのスノーマンさんもおっとりされていて可愛らしいお顔だわ」


「ジャッコにジャクコや、こちらにおいで。わし特性のクリスマスプディングをご馳走しよう」


サンタさんが青い炎が揺らめく大きなクリスマスプディングをテーブルに運んでくる


「さあ好きなところを切り分けよう♪ コインが入っていたら大当たりじゃ!」


「これがクリスマスプディング…お父様から聞いていたけれど見るのは初めて…」


「炎が幻想的で美しいわ…お酒がかかっているのでしょう?」


感動しているふたりにサンタさんは優しく言い聞かせた


「本来、ブランデーで作ったバターソースをプディングにかけるんじゃが、これはお前さんたち用に焼いたのでのぉ、ブランデーではない魔法の炎なんじゃよ、安心おし」


「魔法の…炎って?」


「ほっほっほ、これはお前さんたちをこよなく愛する両親の愛で燃えておるんじゃよ」


「両親の愛…でも、サンタさん、パパは本当に私たちを愛してくれています…でも…」


涙ぐんで言葉につまってしまうジャッコ


「サンタさん…私たちの母はもう…」


言葉に詰まってしまった妹の代わりにジャクリーヌが亡くなっていることを伝えようとして涙がとまらなくなったジャクコの頭を撫でながらサンタさんは言葉を続ける


「ふたりとも…よぉくプディングを見てごらん、青い炎と赤い炎が揺れているのがわかるかぃ?」


「えっ、赤と青?」


サンタさんの言う通り

瞳を凝らして見て見ると大きなプディングを青と赤の炎が混ざり合い暖かな炎で包み込んでいる


「赤い炎はパパ…?」


「そうね、ジャッコ…私もなんとなく、赤い炎にパパの優しさを感じるわ…じゃあ…この青い炎は…」


「私の想いよ…ジャッコにジャクコ…」


え…懐かしく暖かい声に反応したふたり

ジャクコは聞き覚えのあるその声の主の方を見て驚きのあまり声が詰まって言葉が出ない


「お…母様?」


ジャッコは自分を産んですぐに儚くなってしまった母を知らない


だが赤ちゃんの時からジャックが毎日のように写真を見せて聞かせてくれた


『愛しいジャッコ…よくお聞き…この人がお前のママだよ、お前に似て美人だろう?

ママはね、お前が生まれるのをそれはそれは指折り数えて待っていたんだ…お前がお腹の中にいた頃、

よく子守唄を歌っていたんだよ』


この人だ…優しい瞳で見つめているこの人がパパがいつも聞かせて見せてくれた私のママ…


「二人とも…寂しい想いをさせてごめんなさいね…これからはずっと…一緒よ…」


「ママ…ママ、ママっ!!」

「お母…様、お母様…」


涙ながらに両腕を広げ、暖かな胸に包み込むように抱きしめてくれるジャクリーヌにジャクコとジャッコはしがみつきながら声をあげて泣いていた










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