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ジャクリーヌ

サンタさんから魔法のお菓子袋をもらい大喜びのジャッコとジャクコは父、ジャックにお菓子袋の中身を嬉しそうに見せている


「見てパパ、見たことないお菓子がいっぱい♪」


キャンディ、クッキー、チョコレート、チップス類にヌガー


あとからあとから出てくるカラフルで美味しそうなお菓子を嬉しそうに見せる娘たちにジャックは目頭が熱くなった



幸せそうなジャッコたちを見守るミーモとキーモにサンタさんが手招きする




「ミーモにキーモ、こっちにおいで」


「サンタさぁん!!」


声を掛けられ嬉しそうに飛びついたキーモとミーモ


ミーモは気づいた


キーモが泣きながらサンタさんに抱き着いていることに


キーモ…


そうだ、キーモはサンタさんが大好きで初めて来た時も 帰りたくなくて泣いていたっけ


本当は誰より真っ先にサンタさんに駆け寄りたかったね…ごめんね…キーモ…


「よしよし…二人ともいい子じゃいい子じゃ…またまた美人になったのぉ…今年も会えて嬉しいぞ」


「サンタさんっ、サンタさんっ。キーモのコインの願い事、憶えてる?」


「おお、もちろんじゃよ。わしが焼いたプディングに仕込んだからのぉ。お前さんは願い事をひとつしかしてなかったのぉ」


「そうなの! でも願い事の期限はクリスマスタウンで再会出来るまでだよね?」


サンタさんはキーモを撫でると首をかしげてこう言った


「はて…? そうじゃったかのぉ…最近物忘れがひどくて忘れてしまったようじゃ…お前さんたちが滞在中まで期限を延ばすとしよう。ほっほっほ~」


「本当に? じゃああとふたつ、願い事してもいいの?」


瞳をキラキラさせて聞き返すキーモを見つめながらサンタさんはコクリと頷いた


そんな二人の様子を優しく見守っているルディにサンタさんが声をかける


「そんな隅っこにいないでこっちへおいで。優しい少年」


「サンタさん、彼はルディ。私とキーモの大親友でナイトなの」


頬を染めてルディを紹介するミーモにサンタさんはウインクしながら質問する



「ほっほっほ~美しいハスキーの姿をしておる…ミーモの将来の旦那様じゃのぉ」


ええっ…


い、い、いま、何て言ったのぉ??


将来のだ、だんな様って…


サンタさんの言葉に驚いたのはミーモだけじゃなくルディは直立したまま鼻血を出している


「ちょ、大丈夫? ルディ…」


「大変、鼻血が…ルディ、動かないでっ」


心配して駆け寄るミーモとキーモ


サンタさんはルディのもとに来ると大きな手をそっと鼻に当てた


『手が…あたたかい…』


次の瞬間…


まるで何事もなかったように鼻血が止まっていた


「ふおっ、ふぉっ、ほっ…驚かしてすまなかったのぉ。お詫びにお前さんにこれをあげよう…」


サンタさんがルディにウインクすると…


『えっ?』


ルディの腰に七色に光る剣が刺さっていた


『な、なんだろう…これは一体…こんなに立派な剣なのに 少しも重たくないなんて…』



「騎士の剣じゃ…この世で唯一無二の姫を愛する剣…お前にしか見えんのじゃ…じゃがのぉ、いつか必ず役立つときがくるじゃろう。


お前さんが姫を愛する限り、その剣は永遠にお前のモノじゃ。ほっほっほ~」



「ルディ、ねぇ聞いてるの? ルディったら…」


「大丈夫? ルディ、サンタさんと何を話してたの?」


ぼぉーっとしている自分を心配して呼びかけるミーモとキーモの声にルディはふと我に返った




「あ、ああ、大丈夫だよ、心配かけてごめんな、二人とも…本物のサンタさんに会ってあがっちゃったみたい…」


「そっか~、わかる、わかるよ、ルディ。キーモもめっちゃ感動したもん」


「本当に大丈夫? どこか具合が悪いんじゃ…」


そっか


ミーモとキーモにこの剣は見えていないんだ…姫を守る騎士の剣…


サンタさん、ありがとう…


俺はこの剣に誓って愛するミーモと親友のキーモを生涯守り抜いてみせます!


「平気だよ、ミーモ。なんともないから」


「うん、ならよかった。ミーモ、お腹空いちゃった」



「さあ~それでは馬車に乗りなさい。これよりサンタホテルへ出発しよう。ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセンにコメット、キューピッド、ドンダー、ブリッツェンよ、出発じゃ!ほっほっほ~」




「くるっ! す、すごいわ、私たち、ソリに乗っているのね、お姉さま♪」


「ええ、ええ♪ジャッコ、サンタさんのソリに乗っているのね…まるでおとぎの国に来たみたいだわ…くるるるる」


「ありがとう、サンタ。娘たちが喜んでいる…今までこの子たちには辛い思いをさせてきたから…感謝するよ…」



「水臭いのぉ、そんな顔をするのはよせよせ、このキャンディをお前さんにやろう♪楽しくなるぞ~」


サンタさんはそう言うと緑と赤と白のクリスマスカラーのキャンディをポイっとジャックの口に入れる



『ん…いつの間に…モクモク…甘くて優しい味がする…妻のジャクリーヌを思い出す…ああ、可憐で優しく聖母のようなジャクリーヌ…


きみと過ごした時間は一秒一秒がかけがえのない宝物だ…』


身体の弱かった妻はジャクコとジャッコを産んで床に就いてしまい儚くなってしまった


ああ…なぜか…このキャンディを舐めているとまるで隣に君がいるような気が…



『おりますわ…あなた…』


え…


聞き覚えのある懐かしい声にふと隣を見ると


亡くなったはずの愛しい妻、ジャクリーヌが生前と少しも変わらぬ姿で微笑んでいる


これは…夢…夢なのか…


『いいえ、夢ではないわ…ジャック…』


青白く華奢な指がジャックの頬を優しく撫でる


温かい…


ああ…きみのぬくもりだ…



「なんだかパパ、嬉しそう…」


「本当ね、お姉さま、いい夢でも見てるのかしら」


ソリに乗ったとたんに眠りに落ちたジャックは口元に微笑みを浮かべたまま嬉しそうに眠っていた




「ジャックちゃん、きっと疲れてるさん。寝かせておいてあげなよ」


きぃちゃんに言われて頷くジャッコとジャクコ


「くるっ、そうね。きっとずっと働きづめで疲れたのね…」


「ええ、ええ。クリスマスタウンに来て、幼馴染のサンタさんと会って気が緩んだのね…」



二人の愛娘に見守られながらサンタホテルに着くまで楽しい夢に酔いしれるジャックだった









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