ハロウィンタウン6
ミーモ、ミーモ、大丈夫か?」
「お嬢ちゃま、ああ、どうしましょう…」
「ミーモ~、美味しいチョコがあるわよ~」
ん…キーモが呼んでる…
ルディの声…わたし、どうしたんだっけ…
ペシペシ、『ミーモ、ミーモママ、起きて』
もふもふしたモノが顔を触ってる…ふふ…気持ち…いい…
「起きるさん」
誰かに鼻…つままれ…ハ、ハ、…クシュン!
パチ
目覚めるとキーモにルディ、モールとマキーシャがのぞき込んでいる
そして…
「はいっ、あ~んして」
きぃちゃんが甘いパンプキンプリンを口に運んでくれる
ん…モクモク…お・い・し・い!!
「わたし、どして寝てるの?」
「ああ、よかったよ…ミーモ…心臓がとまるかと思った」
涙ぐみながら私の頬を撫でるルディを見て思い出す
そうだ、確かステージで彼が最愛の人って…ど、どどど。どーしょう!!
「もうっねあんた、ルディのスピーチ聞いて鼻血出して倒れたのよ、具合はどう? 痛いところない?」
心配性のキーモはふざけ半分だが瞳が潤んでいるのに気づきミーモは反省した
「ごめん、ごめんね、みんな、心配かけて…もう平気、なんともない…ルディもごめんね」
ブンブンと首を横に振りルディは優しくミーモの髪を撫でてくれる
あ…そんなことされたらまた…鼻血が…
「ダメ~、ミーモママ、また倒れちゃう」
コウモリのモコが泣きながら小さな羽根でルディをとめるのを見てミーモは母性がキュン
「大丈夫よ、モコちゃん。心配かけてごめんね」
ミーモに抱きしめられながら
「ママは悪くないもん! ルディがみんな悪い」と言うモコにみんな思わず笑ってしまう
「ルディはミーモが好き、ねぇキーモママ?」
キーモの肩にとまっているモフに冷やかされ赤面しながらルディは優しくモコに言った
「まいったね、ごめんごめん、ママを驚かすことはもうしないよ」
「心配ないわよ。ただの失神だから(笑)明日はハロゥインランドに行くんだけどミーモはお留守番してる?」
キニーに言われ飛び起きるミーモ
「待ってよママ~、ミーモも行くっ、ハロウィンランドってなに?」
「モンスターたちのテーマパークですよ、カボチャの馬車に好きな人と乗ると結ばれるんです」
「ゴーストか走るゴーストコースターや観覧車もライティングが幻想的でおススメよ、ミーモちゃん」
ジャクコとジャッコの話を聞いてますますこれは行かずにはいられない
「31日は皆で白いお化けになって「トリック・オア・トリート」って各家を回るとモンスターたちが珍しいお菓子をくれますよ」
「楽しいさんよ♪ ここのモンスターさんはみんな優しいから」
「寝てる場合じゃないわっ、ハロウィンランドも「トリック・オア・トリート」も絶対に参加しなくちゃ」
「皆さんは私のお友達。明日も明後日も私とお姉さまで案内するのでお楽しみに♪」
ビタミンカラーの小鳩になったジャクコとジャッコはワクワクする計画を話しながらニッポリと微笑んでいた
※
「いらっしゃい~ようこそ~ハロウィンランドへ~ひひひひひ」
3メートルはあるスカルたちがランドの入り口でオレンジ色のカボチャとゴーストの可愛らしい風船を配ってくれる
「すっごい大きいガイコツ…」
「この風船可愛い~」
「まずはハロウィンソフトを召し上がれ」
ジャッコ姉妹が両翼にカラフルなソフトクリームを持って皆に配ってくれる
「美味しい~カボチャの味がする♪」
「ミルキーで甘すぎず美味しいわ」
「ここに来ないと食べられないさんね」
大人も子供も感動するくちどけの良い魔法のソフトクリーム
「では! まずゴーストコースターに乗りましょう」
一反木綿のようなスタイルの半透明の白いお化けが長いコースターになりその周りを七色の小さなランタンがキラキラと点滅してなんともロマンティックで煌びやかだ
綺麗~想像してたのと全然違う!
「昔、来た時はこの乗り物なかったさんね~」
「ええ、きぃちゃん。コースターとカボチャの馬車は今年にできたのよ」
「姉妹で乗ってもいいの?」
「うん、ハトモコちゃん、姉妹でも親子でもカップルでも一緒に乗るとラブラブになれると云われているわ。
二人乗りと三人乗りがあるからお好きなのを選んでね」
ヒヨイッときぃを抱っこしてハトモコは鼻息を荒くした
「い、一緒にねーさんと乗りましょうね…」
「おい、俺も仲間に入れてくれよっ」
「…いいわよ…」
「なんだよ~ハトモコちゃん…感じわりぃなぁ」
あっはははは
皆、爆笑
「出来ればカボチャの馬車と観覧車は最後に乗るといいんですよ。このランドは幸せになれる順番があるのでそれに従ってご案内致しますね」
「凄いわ、ジャッコ…いつの間にか大人になって…」
「やだ、お姉さまったら…自然に覚えただけよ」
照れながらも嬉しそうなジャッコを見ていると自然とあたたかい気持ちになる
姉妹っていいな…ミーモは思った
「やっぱり、馬車はキーモとルディと三人で乗ろうよ」
「いいの? ルディとふたりがいいんじゃないの?」
「違うよ、キーモ。俺もミーモと同じことを思っていたんだ。僕たちはいつも三人一緒じゃないか」
「そうだよ、ルディが大好きだけど私、キーモがいなきゃ生きていけないもん」
「ミーモ…」
「離れ離れになったジャッコちゃんたちを見て思ったの…一緒にいられることがどれだけ素晴らしいかって…」
「偉いわ、ミーモちゃんっ…この番いリングをあげるわ」
小さなモルガナイトのピンキーリングをハトモコはミーモとキーモ、そしてルディの小指にはめてくれる
「ハトモコちゃん…」
「これはね…ミネラルショーで売っているのとは違って長老のお許しを頂いて私がハトモ姉さんに教わりながら作った絆の指輪なの。愛し合う姉妹をよりいっそう強く結びつける」
「そんな尊いリングを姉妹じゃない俺が頂いてもいいんですか?」
コク…
「ええ、ルディ。あなたは番い想いの真のジェントルマンで騎士だわ。ここにいる江戸と同じくあなたならミーモちゃんと結婚しても三人で幸せに暮らせるでしょう」
「ねーさんは気に入った人にしかその指輪をあげないから本当だよ」
「私たちも頂いたの」
ジャッコとジャクコの翼にも番いリングが光っていた
「俺の宝物だぜ」
江戸は誇らしげに美しい小指に光る可憐なモルガナイトのリングをルディに見せた
「ハトモコ様、ありがとうございます!このルディ、一生の宝物として喜んで有難く頂戴いたします」
「ええ、ええ…」
※
それからの時間は夢のように過ぎていった
ゴーストコースターにゴーストハウス、迷いの森、と云われる迷路にスカルの馬のメリーゴーランド
そして合間にレストランで食べたゴーストランチの美味しいさときたら!
ジャッコ姉妹のおごりで可愛くて美味しい料理に皆は舌鼓を打ってハートもお腹も大満足だった
お土産を見たりカボチャ列車に乗ったりハロウィン城ではモンスターたちが歌い踊り宝塚歌劇さながらの華やかで素晴らしいショーが展開された
はしゃいで食べて笑って…気づけば黄昏色に空が染まる頃…
「はぁい、いよいよ本日のメインイベント、カボチャの馬車と観覧車に行きましょう!」
「待ってました~」
「やったやった~」
ジャッコ姉妹に案内されながらミーモとキーモ、ルディはキラキラとイルミネーション輝くカボチャの馬車に乗りこもうとすると…
「この馬車にはちょっとした魔法がかかるのでびっくりなさらぬように…うふふっ」
ジャッコに悪戯っぽくウインクされミーモたちは何が起きるのだろうとドキドキしながら馬車に乗った
耳心地よい美しい音色が流れ馬車がゆっくりと動き出す
すると…
キラキラと眩い光に包まれて…ルディはシンデレラの王子様が来ているような真っ白な軍服に ミーモとキーモはふわりとした豪奢なピンク色のドレス姿になっていてびっくり!
「ええっ、いつの間に…ミーモ、ティアラしてる! 可愛い~ルディもかっこいい」
「キーモもブロンドの巻き毛にドレスがすごく似合ってる~ダイヤのティアラも素敵~! ルディ…本物の王子様みたい」
ルディは微笑みながらミーモとキーモを優しく見つめた
「ミーモ、キーモ、お二人ともお美しい! こんなに素敵なお姫様と馬車に乗れてわたしは本当に果報者です。
生涯かけてルディはミーモ様とキーモ様をお守り致します!」
誠実な瞳でそう誓うルディをミーモとキーモは嬉しそうに見つめていた
「ありがとう、ルディ。あなたは私たち姉妹にとって大切な友人であり家族でありミーモの運命のひと…キーモとミーモがおばあちゃんになってよろしくね」
「もちろんです! キーモ様。もっとも…魔女のお二人はとしをとりませんよ」
「そうだ、鳩に歳はありませんってジニーちゃんが言ってたっけ、ルディ、いつも私とキーモを優しく見守ってくれてありがとう。
私、あなたに相応しいレディになれるよう努力するわ。これからもずっとミーモとキーモと一緒にいてね」
ルディは腰のサーベルをスラリと抜くと胸に当てて誓いの言葉を述べる
「このルディ、おふたりの忠実なる騎士として未来永劫、お守りすることを誓います!」
パチパチパチ…
感動したミーモとキーモは同時に拍手し三人ともあたたかな気持ちで馬車から見える景色を楽しんだ




