妻へよする
わんわんわん♪「ミーモにキーモ、元気だったかい?」
魔性ハスキー犬のルディは久々にキーモとミーモに会えた喜びに飛びついて尻尾をプロペラのようにクルクル回す
「ルディ~待ってたよぉ」
くぅーん…「俺も会いたかった」
ペロペロペロ「再会のキス♪」
「きゃっ くすぐったいって」
「今日はね、ルディ 私達のだ~い好きな きいママ子ちゃんがご家族でお泊りに来てくれるんだよ」
おぉぉーん くぅーうん「俺、知ってるぜ きいママ子さん 有名だよ」
あふーん おぉぉーん くぉぉーん わん「ご主人の有名な詩人、ハトたろさんがきいママ子さんに捧げた愛のポエム「妻へよする」感動するぜ」
「すごっ ルディは字も読めるんだ」
感心するキーモとミーモにルディは胸をはる
おぉぉぉーん「犬でもいい作品はわかるのさ」
「いやいや、相変わらず賑やかだな はっはっはっ」
噂の張本人 ハトたろが妻のきいママ子と腕を組みながら小さな雛鳩たちを大勢引き連れてやって来た
「ミーモちゃんにキーモちゃん、元気そうね」
そして二人の大好きなきいママ子ちゃんは母性溢れる優しい微笑みを浮かべ佇んでいる
「きいママ子ちゃん、可愛い…ハトたろちゃんも可愛いね~」
「いやいや はっはっはっ 聞いたかい? きいママ子ちゃん、ぼく可愛いって言われたぞ」
「あなた、どうなすった? あなたは可愛いの塊ですもの」
「はっはっは~ミーモとキーモは正直者だなぁ」
「パパ…恥ずかしいよ…」
「まあ! コハ、何を言うの パパは可愛くてかっこいいのよ」
「まあまあ、ハトたろ兄さまにきいママ子、おチビちゃんたちもよくきてくれたわ~」
「こんにちわ キニーちゃん」
「あのね、きいママ子ちゃん、この子は魔性犬ハスキーのルディ ミーモとキーモの大親友でナイトなの」
「まあ、そうなのね とっても素敵なナイトさんだわ
初めましてルディさん きいママ子と申します
彼はハトたろ 私の最愛の旦那様です
さっそく子供たちを紹介しますね」
「右から小鳩のイチロ ジロ サブロ シロ ゴロ ロクロ ナナロ ハチロ コハ 子きいママ子 コキマ インコの番い姉妹のピュルとトモぴゅるの13人の子供たちです
皆、ルディさんにご挨拶しましょうね」
「あたしはコハ ハスキーってかっこいいね♪仲良くしてね」
「ぼくはロクロ きみ、ルディってかっこいい名前だね」
いきなり憧れのハトたろ夫妻と大勢の子供たちを紹介されルディは緊張でテンパっている
わ…わんっ
「おっと、これでは失礼ですね」
ルディは騎士の姿に変身すると優雅に跪き挨拶をする
「はじめまして皆さま 私はスネイプ侯爵家の魔性犬ハスキー、ルディと申します
ふだんは犬ですが正式にご挨拶をする時は騎士の姿になりますので驚かないでください
あの、私はハトたろ先生の「妻へよするシリーズ」の大ファンで全作愛読しております」
「きみ、本当かい!」
それを聞いてハトたろはつぶらな瞳をキラキラさせて感動した
愛妻家で子煩悩な立派な大人の男性鳩人間だがルックスが皇帝ペンギンの雛のようにモフモフして愛くるしいため、よく子供に間違えられるのであった
「まあ、あなた、ルディさんにサインして差し上げたら!」
「もちろんさ、きいママ子ちゃん
きみ、来週 新作の「妻へよする15」が出るからそれにサインしてあげよう
それから愛蔵版用として全巻、お宅に送らせてくれたまえ はっはっは」
「あ、ありがとうございます 先生
奥様への想いを綴られたポエムは読むたびに心の琴線に触れて涙が止まりません
俺、いや、私はとんだ果報者です おおぉぉぉーん」
興奮と感動のあまりなのかルディはハスキーの姿に戻ってしまいわんわんと犬語でお礼を言い続ける
「ルディ、犬に戻ってるよ(笑) あのね、感動で胸がいっぱいですって喜んでるの」
「まあ!! ミーモちゃん、訳してくれてありがとう
ルディさんにそんなに喜んでいただけて嬉しいですわ
ねえ あなた」
「ああ、きいママ子ちゃん ミーモちゃんとキーモちゃんは素晴らしいお友達が出来てよかったなぁ はっはっはっ」
「コハちゃんにコキマちゃん、子きいママ子ちゃんにぴゅるちゃん、トモぴゅるちゃん、あっちで怪談しよ~」
「僕たちも入れてくれよ~キーモちゃん、ミーモちゃん」
「いいよ~皆で百物語しよっ♪ ルディもおいで」
おおおぉぉーん 「俺は感激で胸がいっぱいだぜ」
「だめぇ ルディも来るの!」
くぅーん 「はいはい」
怪談に盛り上がる子供たちを見ながらハトたろときいママ子は微笑んだ
※
「ゆっくりしていってね二人とも…」
「そうだよハトたろ兄さん、一週間くらい泊ってけよ」
「ありがとう コージュ どうする?きいママ子」
「では…お言葉に甘えてそうさせていただきますわ
子供たちも嬉しそうだし」
「そうそう、紹介するわ 新しい使い魔のモールとマキーシャよ」
「おお、きみたちが田峯弘樹スペシャルに出た二人か…いやいや、姉妹で再会できてよかったなぁ」
「ありがとうございます キニー様ご家族は妹に会わせてくださった恩人です
生涯かけて姉妹でお仕えさせていただこうと思っております」
「可愛らしい姉妹ですわ 私が特製の魔女ティーを二人に淹れましょう」
「使い魔の私達に魔女ティーをですか!!そんな…畏れ多いこと…」
「いいえ あなた達に飲んで頂きたいの
永い間…離れ離れで辛かったでしょう 心を温め辛さを浄化して姉妹愛をより深く強くする魔女ティーなのよ」
「きいママ子様…あ、ありがとうございます」
モールとマキーシャは涙を流して喜んでいる
「二人とも、遠慮しないで淹れてもらいなさいな
きいママ子はハーブの魔女なのよ
この子の淹れるお茶は絶品なんだから
私達にもお願いね」
「ぼくも飲むぞ」
「まあ、あなたったら♪ 可愛い方 もちろんですわ
ケーキも焼いてきましたわ」
「なんといってもきいママ子はピジョンの姫君の初代のホール担当だからなぁ
ティアラをつけてケーキを梱包する姿はそれはそれは美しかった はっはっは」
「そうだったわね…ともっぽ姫も会いたがっていたわよ
たまにはピジョンに顔を出したら?」
「そうですわね 今度主人とケーキを買いに行きますわ」
「はっはっは」
コポコポコポ…
「心を癒し温め姉妹愛を強くする魔女茶ですわ
夫婦愛の絆もより深まります」
スゥーっと鼻に入るなんとも心地よい甘い香りのお茶はひと口含むとすべての疲れや悲しみ、苦しみ、辛さを忘れさせ
心がポカポカと温まり愛する相手をより大切に想い揺るぎない絆を深めてくれる
「なんて…美味しいんでしょう!! こんなに美味しいお茶、飲んだことありません」
「お姉さま、わたくしもです 優しい甘さとこっくりと喉を潤すこの香りがすべてを包み込んで癒してくれる…」
「うーん…相変わらず きいママ子さんのお茶は素晴らしいね!」
「本当ね コージュ…どうやったらこんなに素晴らしい味と香りが出せるのかしら」
「なにをおっしゃるのキニー姉さんならもっと美味しく淹れられるでしょう」
「はっはっは…きいママ子ちゃんはお茶だけじゃあないっ うん、すべてが素晴らしいんだよ はっはっはっ」
「相変わらずラブラブねえ
妻へよする、うちも全巻揃えているのよ
それにしてもハトたろ兄さん…」
「なんだい? キニー」
「そんなにモフモフで可愛いのにオジサンみたいな話し方合わないわよ(笑)」
「いやいや、この間も皇帝ペンギンのペンペンくんに会ってペンギン仲間だと勘違いされちゃったんだ」
「なにを言うのキニー、ハトたろはこのギャップがまたたまらないのよ」
「まいったねぇ ごちそうさま」
「はっはっはー」
楽しい来客に和気あいあいで盛り上がるキニー家であった