コケコ姉妹
「きぃちゃんのルームワンピ可愛い~」
「ありがと、キーモちゃん。ねえさんとお揃いさん♪」
「もうハロウィン柄なんだぁ~ハトモコちゃんとお揃いなのね」
「本当にきぃは何でも似合うし着こなしちゃうから…ふふ…ふふふ」
ミーモとキーモはきぃちゃんの可愛らしいおニューのルームウェアにうっとり
「ミーモちゃんとキーモちゃんもお揃いで如何? 肌触りが気持ちいいのよ」
「ハトトコちゃん♪」
「もう9月だもんね~うん、うん♪ キーモと着たい~」
「ねえねえ、ルディに合いそうなルームウェアもある?」
「もちろんよ。ジャックが飛んでるフードつきの可愛いのがあるから三人お揃いで着ても素敵よ」
「えっ、お、俺に似合いますか? お揃い…嬉しいな」
「いいじゃん、ミーモ。三人お揃いで買おうよ♪」
「うんキーモ♪ 明日お店に行く~」
「うふふ、お待ちしているわ」
「今日入荷したばかりなんだよ~」
「ハトトコちゃん、トトちゃん、もうパラレルはハロウィンバージョンなの?」
「ええ。季節感を大切にしているからね。可愛いハロウィンツリーもあるわよ」
「へぇ♪面白そう~パラレルワールドってほんっと宝箱みたいで楽しい~」
「ハトトコ姉さん、コケ! 私も妹たちとお揃いで欲しい」
「あらコケコちゃん。いいわよ、明日皆でいらっしゃいな、どこでもドアでね」
「コケ♪どこでもドアなら安心。明日行くね♪ みんな~点呼~」
チュンチュンチュン♪
ニワトリのコケコが声をかけると小さな雀の妹たちが可憐にトタトタ走ってくる
「チコまん」「はいっ」
「チコきん」「はいっ」
「チコこん」「はいっ」
「チコんこん」「はぁい」
「チコリ」「はいっ」
コケコが5人全員を点呼すると…妹たちが声を揃えて
「おねーちゃん」
「はいっ」真っ白い羽根を高く上げて妹たちに真剣に返事をするコケコがモミーモは気になった
「コケコちゃんっていつも妹ちゃん達を点呼してるけど…」
「訳があるさんよ…」
「こっちに来て…私から話しましょう」
ミーモの問いかけに真剣な表情でハトモコが応えて皆はハトモコのお取り巻きルームへ移動した
「コケコ姉さんは…ニワトリそっくりだけど鳩なのよ…おチビちゃん達も雀にしか見えないけど雛鳩ちゃんなの」
「そうなの…確かにピヨちゃんもひよこにしか見えないけど鳩だもんね」
「あの子は毎日、10回以上、ああして妹たちを集めて点呼しないと安心出来ないのよ…」
「毎日? 同じ家に住んでいてどうしてなんだい?」
「ええ…」
ルディの質問にハトモコは悲し気な面持ちでコケコ達の前世について語り始めた
※
今から百年以上も前…私達が魔界にいた頃
コケコ姉さんは真っ白い鳩でいつも5人の妹たちをそれはそれは可愛がっていたの
そんなある日…空色の美しい妖精を妹たちが追いかけてリンバロストの森の奥へとに入ってしまいコケコは酷い方向音痴で道に迷って帰れなくなって
当時、ジニーママは身体が弱くて運悪くその時は高熱を出して寝込んでパパはママにつきっきりで誰もコケコ姉さんたちが迷子になったことに気付かなかったのよ
季節は夏で酷い酷暑だったわ…
特に森の暑さは灼熱のようで照り付ける太陽に小さな妹たちは耐えられずその場でひとりずつ倒れてしまい…そんな妹たちを目の前にコケコ姉さんは
どうすることも出来ないまま妹たちの亡骸を抱きしめながら泣き叫んでいたの
なかなか家に戻らないコケコ姉さんを心配してパパが駆けつけた時には間に合わずに変わり果てた6人が儚くなっていて
ジニーママは泣いて泣いて手厚く姉さんたちを葬り誓ったのよ
「気付いてあげられなくて…ごめんね…ごめんね…コケちゃん…来世できっとあなた達姉妹を丈夫な身体に産みましょうね…絶対に…」
「それでピジョンタウンに引越してコンティ草で丈夫になったママはコケコ姉妹を生んだんだけど何故かコケコ姉さんはニワトリで
妹ちゃん達は雀の姿で転生したの」
「可哀想…に…」
「そうか…それで何度も点呼して…無事を確認しているんだな…」
「よほど前世のトラウマが強かったのか中身は鳩だけれど丈夫なニワトリと雀になったのよね…当時、私も生まれてなくてママから聞いたんだけど
胸が引き裂かれそうになったわ…愛する妹を失う辛さも悲しみも誰よりわかるから…
あの姉妹はこの番い大魔王の名にかけて生涯守っていくわ!」
トタ…!
「きぃも守るよ…コケコ姉さんは精神が病んでしまって毎日数時間おきに点呼してて…妹ちゃん達はそんなお姉ちゃんが心配で自分達が
返事して安心するならと健気に点呼に答えているさん」
ミーモもキーモもルディも涙が止まらなかった
今は幸せに暮らしているがジニー家の姉妹たちはハトモコやハトトコをはじめ、誰もが魔界で姉妹と離れ離れになり心に深すぎる傷を負っている
だからこそ番い姉妹の絆が強固で仲がいいのだ
「ハトモコちゃん、きぃちゃん、ミーモ、コケコちゃん達姉妹に何かプレゼントしたいよ」
「キーモも…何が嬉しいかな」
「俺も仲間に入れてくれ…明日、パラレルに行って皆で決めようぜ」
「そういうことなら…私ときぃちゃんも喜んで協力するわ」
「うん、ねーさん♪」
「おいおい、誰か忘れちゃあいませんか?」
「江戸、江戸も来るの?」
「あったりめぇよ! 俺も守って差し上げられなかったからな…協力させてくれ」
「いい子ね江戸。じゃあ明日何時にする?」
「そうね…開店が10時だから10時に行きましょう!」
「そうだ、コケコちゃん達も明日行くって言ってたね」
「なら丁度いいわ! 着るモノなら試着してもらえるし石にしてもぬいぐるみにしても姉さんたちがいてくれれば喜んでもらえるものがきっと
見つかるわ」
「決まりだね♪ では明日の10時にパラレルに集合~」
「おお~♪」
きぃちゃんとハトモコと江戸
ミーモとキーモとルディはコケコ姉妹が笑顔になれるような一期一会に胸を膨らませて気持ちを一つに合わせながらわくわくしていた




