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ちったのおうち

【ちったのおうち】


魔性犬のショップ、「ちったのおうち」はジニー家の双子のマナンママとモナンママが鳩様が経営していらして


ぼくが生まれて半年くらいの頃…コニーというハスキー犬の女の子がお店のマナンママ(魔性犬のオーナー兼育ての鳩ママ)とお散歩に行ったときに


公園で綺麗な石を拾ってお店に持ち帰ったんだ




『見て見て。あたしの宝物わん』


『綺麗だわん。どこで拾ったわん?』


彼女は黒目がちの愛らしい瞳とブラウンがかった毛並みの美しいパピーで虹を閉じ込めたように七色に光るその石を皆に見せてくれたんだ


『ママとお散歩してたらピジョン公園の芝生に落ちてたわん』



以下はコニーちゃんの回想です


トットット…


「どこに行くのコニー、勝手に走っちゃ危ないわ」


ふかふかの芝生にキラキラ光っているモノがあって、近くに寄って行ったらこの石が落ちてたわん


『ママ、みて。とっても綺麗!! コニー、持って帰りたいわん』


「あら、本当ね…なんて綺麗なのかしら! まるで虹の欠片を閉じ込めたみたい」


『コニー、この石ほしいわん。ママ、持って帰っちゃダメ?』


マナンママはお店のパピーたちを心から平等に愛していたんだけど中でもコニーは甘えん坊でママの傍から離れなくてまるで娘みたいに

可愛がっていたんだよ



「落ちてる石を拾うのってあまりよくないけど…悪い波動は感じられないし綺麗だから首輪にしてあげましょうね」


『本当? マナンママ、嬉しいわん』



金細工が趣味のマナンママは彼女に華奢な金のチェーンにその石をつけて素敵な首輪を作ってあげたんだ


『嬉しいわん、嬉しいわん♪マナンママ、大好きわんわん』


首輪をつけた30分後、ジニー家の優しそうな鳩様がコニーを見染めてお店に入ってこられて…


「マナン、この子をお迎えしたいわ。なんて愛らしいの。それに綺麗なネックレスをしているのね」


「もんもん姉さん、ありがとう。ちょっと待ってて。コニーを連れてくるわね。


コニー、私の姉のもんもん姉さんがあなたのママになりたいって言ってるわ」


コニーはじいっともんもん姉さんを見上げるとブンブンと首を横に振ったんだ


「ごめんなさい。姉さん。うちのお店はこの子達の意志を大事にしているから…」


マナンママとモナンママのポリシーで僕たちのお店では僕たちが望まないと例え女王の娘様でも養子縁組はしないことになっていてね、

つまり僕たちが自分の意志でパパやママを選んでいくんだ


「そう…そうだったわね…残念だけど仕方ないわ」


大人しいもんもん様はがっかりして帰って行った


『マナンママ、あたし、誰のところにも行きたくないわん! コニーをママの子供にしてわん』


「コニー、嬉しいわ。私もあなたを誰にも渡したくなくてお客様が来るたびにドキドキして不安になっていたの。


ええ、ええ。今日からあなたはママの娘よ」


「ママ~!」


二人は本当に仲睦まじくてどこに行くにもいつも一緒だったんだ


そんなある日…


いつものようにコニーはマナンママとお散歩していると空模様が妖しくなってもの凄い雷が鳴りだしてマナンママめがけて落ちてくるのを察したコニーは


小さな身体で飛び上がるとママを庇って自分が盾になって雷に打たれてしまった


大魔王のマナンママは雷鳴に打たれてもなんともないけど魔性犬とはいえまだ幼いコニーは雷の衝撃に耐えられず儚くなってしまったんだ


当時はまだ蘇生することが出来なくてコニーを失ったママは何も食べず眠らずコニーの亡骸を抱きしめたまま廃人同様になってしまって


後を追うことも出来ず毎日毎日泣き暮らして瞳が真っ赤になってしまい周りからルビーピジョンと云われるようになてしまった


日に日にやつれるマナンママを見かねた双子のモナンママは女王のジニー様に何とかならないかと相談するとひとつだあるけ方法があることを告げられてね


僕たち魔性犬はピジョンタウンの氷山の頂上に住んでいるハスキーママとハスキーパパとの間に生まれたんだ。


子だくさんな両親はマナンママと取引をして出産すると空飛ぶピジョン列車で引きパピーたちを迎えに来て「ちったのおうち」で育てられる


悪魔ですら険しくて飛行機やピジョン列車でなければ登れない氷山を翼で飛んで頂上に辿り着き祈りを捧げれば亡くなった魔性犬を蘇生できるが危険すぎると

ジニー様は反対して忘却の粉のお風呂にマナンママを三日間、つけたんだがマナンママのコニーを想う恋しさは薄らぐことが無かった


どうしてもコニーを取り戻したかったママは藁をもすがる想いで氷山に向かい飛んで行ったが凍える寒さと空気の薄さに体力を消耗し頂上にたどり着いた時…


微笑んだまま儚くなってしまった


それから激しい雷が鳴る度に すすり泣くような声と共に子犬の遠吠えが空から響き渡るようになったんだ



「可哀想…ひどいよ…」


「ルディ、その後、マナンママとコニーちゃんは会えていないの?」


「わからない…誰もがそれを望んで止まないけど…」


「ねーさんと私なら…なんとかできるかもしれないさん」


「えっ? きぃちゃん!! いつの間に?」


「ミーモちゃんがナイトプールに誘ってくれたからさっきねーさんと江戸と来たの」


「その二人は…前世が鳩の番い姉妹よ…番大魔王の名にかけて救い出す!! ねぇ玉、きぃ玉よ、マナンとコニーの魂を写したまえ」


ハトモコがふたつの水晶に羽根をかざすと…氷の世界に閉ざされて互いを探しあっているマナンとコニーが映し出された


「ねーさん、いたよ!」


「瞬間移動で連れ戻すわ!!」


「おう、俺も行くぜ!」


きぃちゃんが真っ黒な鳩になりハトモコと江戸を翼に入れると一瞬で姿を消し、鳩の姉妹に戻ったマナンとコニーを連れ帰った


「蘇生されたばかりで気を失っているのね」


「姉さん、コニーちゃん、起きて! あなた達、帰って来たのよ…」


ん…誰かが呼んでる…誰…


誰か呼んでる…あたたかい声が聞こえる…


「マナンねーさん、コニーちゃん、起きるさん!」


きぃ…ちゃん…ハト…モ…コ…


ハトモコ姉さん…きぃちゃん?


パチ…ふたりは同時に意識を取り戻すと


「ああ、コニー!! そうよ、私の妹のコニー!!」


「マナンお姉ちゃん…お姉ちゃん…やっと…会えた」


涙ながらに抱き合う二人をハトモコときぃちゃんが抱きしめる


「もう大丈夫。何も心配いらないわ。あなた達は記憶を取り戻したの」


「つがい姉妹として蘇生されたから二度と離れることはないさん。安心して」


「あ、ありがとう…ハトモコ、きぃちゃん、江戸…なんで犬になっているの?」


「あ、ああ。きぃ様に可愛がっていただきたいから…へへ…」


「そうなのね。江戸らしいわ…コニー、コニー!! やっとやっと抱きしめられた!! 二度と離さないわ…くるる」


「お姉ちゃん、コニーは犬になってたんだね…会えて嬉しい…嬉しい…」


「よかった!! 本当によかったわ!! ルディさん、あなたのお陰よ。二人の事を語ってくれてありがとう」


「とんでもございません。ハトモコ様」


「いいえ。この番大魔王、あなたが話してくれなければ気付きませんでした。尊い姉妹を救えなかったと思うと何てお礼を言えばいいのか…」


「めっそうもございません。わたしもお二人が再会できて…嬉しいです…」


「ルディ、パピーの時は遊んでくれてありがとう。パパとママが出来てよかったね」


「ありがとう。コニー。鳩様だったんだね。お姉さんと会えて…ほん…うううっ」感動のあまり慟哭するルディにミーモもキーモもキニーもコージュも


スネイプ夫妻もきぃママ子ファミリーもモールもマキーシャもハンカチで涙を拭っていた


「怪談の途中で申し訳ないけれど二人を連れて帰るわね。ジニーママも喜ぶわ」


「ジニーママ、ああ、私、さんざん心配かけてしまって…」


「平気よ。マナンねーさん。さっ、帰ろう。ミーモちゃん、キーモちゃん、また来るさん♪」


「うん、きぃちゃん、ハトモコちゃん、待ってるね~」


「二人とも、私達も遊びに行くね~」


「待っているわ!!」「待ってるさん」


「ルディ、また遊びに来いよっ。待ってるぜ」


「ああ、江戸。またな♪」


思いがけないつがい姉妹の再会に感動した皆の胸には あたたかい灯りがともっていた













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