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七色の薔薇

「モールとマキーシャ!! 二人ともスタイルいい~」



照れながら水着に着替えて来た二人をミーモとキーモは拍手で称えた


「わたくしは胸が…あまりございませんがマキーシャはロリ顔でグラマーなんですよ」


「お姉さまが選んでくださった水着…大胆過ぎて恥ずかしいですわ…」


モールは華奢な身体をフリルの黒いビキニでマキーシャは華奢なウェストにグラマラスな胸をピンクのアニマル柄のビキニで包んでいる


「いやいや、二人ともセクシーで魅力的だよ」キニーとペアの黒いビキニ姿のコージュが紳士的に褒めてくれてモールとマキーシャは笑顔になった


「二人とも綺麗よ…プールに華やかなお花が咲いているみたいで素敵だわ♪」


「パパとママ、セクシーでかっこいい!」


キニーはわがままボディを黒いビキニでセクシーに決め、ミーモとキーモは色違いのピンクとオレンジのフリルビキニではしゃいでいた


プールサイドには瞳に優しい丸いピンクの照明が照らされて家族団らんのナイトプールを演出している


「綺麗だね~♪入るよ、ミーモ」


「うん、キーモ♪」


ミーモとキーモはドキドキしながら仲良く手を繋いでプールに入る


水温も冷たすぎず心地いい


それもそのはずコージュとキニー、モールとマキーシャが二人の好みに合わせて作ったプールなのだから…


「きゃ~気持ちいい♪」


「あ~、身体が水に浮かんでるぅ!」


コージュがにっこりしながら説明する


「泳いでるいる時にお前たちが足がつっても溺れないように魔法がかけてあるんだよ。


だから浮き輪なしでも大丈夫なんだ」


「すっごい!!」


キーモは浮き輪を放り投げて真ん中の深いところまでパシャパシャと泳いでいき両手をあげると…水をかかなくても身体は浮いたままで沈まない!


「パパとママの愛がこもった素敵なプールだね」感動するミーモ


「うふふ、今度、ルディとスネイプご夫妻も招待しましょうね」


「わぁ♪ルディ喜ぶよ! きぃちゃんとハトモコちゃんとカメちゃんやじゅりっちゃん、トトちゃんもいい?」


「もちろん♪」


「楽しいね、キーモ♪」


「うん! キーモ、ジニー家のナイトプールが羨ましかったんだ~嬉しいなぁ」


二人ともこんなに喜んで…作った甲斐があるな


はしゃぐ娘たちに感動するコージュにキニーが囁いた


「よかったわね…パパの株がますます上がったわよ」


「それじゃ、お嬢様方、マキーシャがとっておきの怪談を披露致しましょう」


「うわぁぁ♪待ってましたぁ」



その昔…わたくしとお姉さまで薔薇を育てていたのですが


庭師が仕入れたその薔薇は気難しくどんなに肥料をあげても育たずに枯れはしませんが蕾を付けることもなく一向に咲く気配がありませんでした


薔薇の館で世にも珍しい虹色に光り輝く七色の花びらを咲かせていたと聞いていたのでわたくしたち姉妹はその薔薇が見たくてあの手この手でなんとか咲かせようと躍起になっていたのです


そんな夜…


寝苦しくて夜風にあたろうとわたくしが庭に出ると…ふと、誰かに呼ばれているような気がして薔薇園へと向かったんです


『聞いて…私の話を聞いて…』


声のする方へと歩を進めると…七色の花を咲かせるという薔薇のもとへと来ていたのです


「わたくしを呼んだのはあなたなの?」


『はい…あなたにお願いがあります』


「お願い?」


私はここへ来る前、愛しい方と仲睦まじくおりましたが一人の男性がわたくしを気に入りどうしても譲って欲しいと強引に彼と引き離され


連れてこられたのです


彼と離れてどうして花を咲かせることが出来るでしょう…


「ごめんなさい…うちの庭師があなたの七色の薔薇に魅せられてあなた方を引き裂いてしまったのね」


お願いです! 私を彼のもとへ帰してください


「わかったわ。明日の朝、一番にあなたを薔薇の館へお返ししましょう」


わたくしはそのあと、お姉さまを起こして話を聞いてもらうとお姉さまも涙を流して


「なんてことでしょう…すぐに帰してあげなくては…庭師のクロードを呼ばなくては」


私たちはその夜のうちにクロードを起こすと七色の薔薇さんを丁寧に鉢植えに移して馬車を走らせ薔薇の館へと向かったのです


私たちの深夜の来訪を予期していたかのように薔薇の館の公爵様は屋敷の外で待っていてくださったので驚いた私たちは薔薇の鉢植えを


お渡しすると…公爵は「おかえり…彼が待っているよ」と薔薇さんに声をかけ、黒薔薇の彼の隣に植えてあげると…


あんなに何をしても咲かなかった彼女は大輪の七色の薔薇をいくつも咲かせながら嬉しそうに黒薔薇の彼に絡んでいるのを見て私たちはなんてことをしてしまったのだと涙が止まりませんでした


たとえ、手元で眺められなくても七色の透きとおるように美しい薔薇を見ることが出来たので私たちは公爵にお礼を言い薔薇さん達に改めておわびをすると

馬車に向かいました


屋敷への帰り際、庭師に今後、素晴らしい薔薇を見つけても二度と強引に譲ってもらったりしないようにと約束をさせ胸を撫でおろしたのです


翌朝…


「お嬢様! お嬢様、起きて下さい!! 薔薇園が…」


庭師のクロードが頬を紅潮させてわたくしを薔薇園へと連れて行くので眠たい目をこすりながらついていくと


可愛らしい七色のミニ薔薇が溢れんばかりに咲いていたのです


「これは…どういうこと? まさか、クロード…あなた、また…」


「いいえ、お嬢様。二度と強引に薔薇を譲ってもらわないと昨晩、お約束しました! 私も甘い香りに導かれて薔薇園にきてみたら見たこともない


七色のミニ薔薇が蔦に絡まりながら次々と目の前で咲き出したのでびっくりしてお嬢様をお呼びしたんです。


早朝に起こしてしまって申し訳ございません」


「こんな早くに何の騒ぎ?」


起きて来たお姉さまも七色のミニ薔薇を見て驚きのあまり言葉を失っていました


後日、薔薇の館の公爵様がいらしてこう仰っていたんです


「レインとブラックの子供たちだ…レインが自分の願いを聞いてくれたあなた達に感謝をしてあのお優しい姉妹のお庭で育てて欲しいと言っていてな…」


「まあ…!! でも…こんな珍しい薔薇さん、手入れは難しくないのですか?」


公爵はそよそよと気持ちよさそうに咲いているミニ薔薇を見るとコクリコクリと頷きながら「そうかそうか…わかったよ」と仰って


「この子達もたいそう、ここが気に入ったそうだ。レインたちの意志で来たこの子達は特別な手入れなどせぬとも愛情をかけてもらえれば永遠に

枯れることなく咲き続ける」


そのお言葉通りにわたくしが儚くなるまで薔薇園で咲き続けてくれました


そのあと…お姉さまがわたくしの後を追って儚くなってしまってからどうなったのか…わかりませんが…


『マキーシャ様…マキーシャ様、モール様』


「ねえ、今、声が聞こえなかった?」


「ああ、庭のほうからだ」


「ミーモも聞こえた!」


「キーモも! 庭に行ってみようよ」


マキーシャとモールを筆頭に皆で庭に行くと…


蔦にからまりながら可憐な七色のミニ薔薇がたくさん咲いているではないか


『マキーシャ様、モール様、思い出して下さってありがとう…』


「綺麗…なんだか…涙出てきた…」


「キーモも…こんな綺麗な薔薇さん初めて見る…」


そよそよそよ…『ありがとう…キーモちゃん』


「すごい、キーモのこと知ってる!」


『マキーシャ様が私達のことを語ってくださったので戻ってこられました』


「まあ、あなた達…ごめんなさいね…よく戻ってきてくれました…」


「ごめんなさい…マキーシャが儚くなって私は心を失くして何もかもどうでもよくなってあなた達のことを忘れて…」


『モール様、マキーシャ様、どうぞご自分をお責めにならないでください。こうして戻ってこられて新たに生を受けたのですから』


「キーモも、あなた達のお世話したい! 一生懸命にお世話するから枯れないで…」


「ミーモも、お願い薔薇さん。どうかずっと咲いて頂だい」


『私達は愛の薔薇です。皆さまのお優しさと愛情が何よりの肥料ですので愛でて頂ければ永遠に枯れることはありません』


「よかった…よかったわ…マキーシャ…」


「ええ、お姉さま…あなた達に名前をつけなくてはね…」


「虹子ちゃん♪虹色の虹子ちゃんは?」


『気に入りました。今日から私達は虹子ちゃんです』


「よかった~キーモのつけたお名前を気に入ってくれたよ~」


「よかったわね…マキーシャちゃんの想いがこの子達を蘇らせたのね…私も心を込めてお世話させていただくわ」


「ナイトプールで怪談してよかったな♪」


『キニー様、コージュ様、ありがとうございます』


「おお、俺の名前も認識している! なんと可憐なんだ」


「本当ね。奇跡の七色の薔薇さんですもの」


マキーシャの語った怪談ならぬ昔話から想わぬ奇跡が訪れたキニー家だった







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