パラレルワールドの怪
「凄い凄い凄い~目の前で皆がスタンバってる~」
「あ、鳩代ちゃんが来た~まとよちゃんともとよちゃんも~」
「田峯さんも来たよ~すっごい」
「ねーさん、田峯さんが手を振ってくれてるさん♪」
「ええ、神!」ハトモコは霊感バリバリな田峯を尊敬していて「神」と呼んでいる
「そろそろトトちゃんとハトトコ姉さん、トークの打ち合わせじゃない?」
「大丈夫かな…ハトトコ姉さん、すっごくあがってたから…」
田峯弘樹スペシャル公開生放送の観覧席でキニー家、ジニー家、きぃママ子家にスネイプ家の子供たちは興奮していた
「ハトモコちゃんときぃちゃんもトークに出ればよかったのに?」
ミーモの質問にハトモコがキリリとした表情で返答する
「ダメよ…きぃの可憐な可愛さを放送されたら…!!変質者に目を付けられたら大変でしょう」
「あのね、以前、田峯弘樹スペシャルに投稿を採用された時もトークに出たらきぃはねーさんにすっごい不細工なお面をかぶせられて声も変な音声に変換されたから
出ないことにしたさん」
「ぶ、不細工なお面??」びっくりするキーモとミーモ
「ああ、アレはきぃが可哀想だったわ」苦笑いのジニー
「ハトモコはきいちゃんが心配なのよね…」
「ああ! きぃママ子姉さん…ええ、姉さんだけはわかってくれる…」ハトモコは血の涙を流しながらきぃママ子の羽根を握った
「ハトモコ、よしなさい…せっかく美人に産んだのに血の涙を流したり白眼になったり…ママ、悲しいわ」
「ねーさん、泣かないで…きぃ、もう出ないから」
きぃちゃんに涙を拭いてもらってハトモコは満面の笑み
「いま、泣いた鳩がもう笑ったなぁ。はっはっは」
ハトモコを茶化すハトタロをきぃが睨む
「ねーさんをバカにしないで」
「おいおい、きいちゃん、睨むなよ」焦るハトタロ
「どうなすった? きぃちゃん、ハタタロはハトモコが可愛いからからかっただけよ」
きぃママ子が慌ててきぃを説得する
「きぃちゃん、パパを許してあげて。パパはかなり…だから」ハトタロを庇って謝るコハにきぃは微笑んで頷いた
「きぃちゃん、おいで…パパのお膝で観ような」
大好きなダンに抱っこされ途端にきぃはご機嫌さんになりハトモコは白眼でダンを睨みながら嫉妬している
「ハトモコ~、そんな顔しないの…もう…せっかく見に来たんだから楽しみましょうよ」
「ママ…」無言でコクリと頷くハトモコにきぃママ子がアイスモナカをくれる
「美味しいわよ、きぃちゃんと食べなさいな」
「…美味しい!! きぃちゃん、食べてごらん…」
パクリ…
「美味しいさん♪ パパも江戸も食べてみて」
「うめぇ!! まるで牛乳そのものだぜ」
ハトモコときぃちゃんを見ていると微笑ましくて本当に飽きないミーモとキーモ
お互いが大切で大好きなんだよね…
ミーモが心で呟いた瞬間、きぃが微笑んでアイスモナカをくれた
「なにこれ~!! 美味し過ぎる」
観覧席で隣にいるルディも今夜は騎士に変身しながらアイスモナカを食べている
「美味い…こんなアイスモナカ…食べたことない…」
皆がアイスに夢中になっていると田峯が客席に話しかけてきた
「皆さん、そちらのアイスモナカはピジョン牧場の安藤牛から搾乳した自慢のミルクアイスモナカです。
今宵、いらしてくださった記念にお土産も用意してあるので召し上がって下さい」
「田峯ちゃんからのサービスなんだ、道理で美味し過ぎるはずさん」
「は~い、それじゃあ、パラレルワールドのハトトコさんとトトちゃん、トークの打ち合わせお願いします~」
スタッフに呼ばれおにゅーのベビーピンクのワンピースに身を包んだハトトコとトトが鳩代の隣の席に着いた
「大丈夫? ハトトコ…そんなに緊張しないでいいのよ」優しく自分を気遣う鳩代を見て引きつった笑顔のハトトコ
姉さん…完全にあがってる…
トトはハトトコの羽根をキュッと握ってテレパスを送る
『姉さん、トトのお顔だけ見て…ここはパラレルワールド…スタジオじゃないの…田峯ちゃんと鳩代ちゃんとまとよちゃんともとよちゃんが
お店に来ているお客様だと思って』
田峯さんが…鳩代姉さんが…お客さま…
『そう! ほら、落ち着いて来た』ニッポリ微笑む愛しいトトを見てハトトコの緊張は嘘のようにほぐれていきいつものパラレルワールドの店主、ハトトコの顔になる
よかった…ハトトコちゃん、落ち着いたようだな…
トトの機転とハトトコを気遣う姉妹愛に感動して胸を撫でおろす田峯
数分後 スムーズに打合せは行われ恒例のテーマソングと共にいよいよ本番を迎えることとなった
※
チャカチャカチャ~♪チャカチャカチャカチャカ♪スチャ~チャラ~♪
「こんばんわ…魔界からの案内人、鳩代です」
「こんばんわ~田峯です」
「こんばんわ。皆さん、まとよです」
「こんばんわ。もとよです」
「こんばんわ、妖怪正面ジジイです」
※説明しよう。
妖怪正面ジジイとは安藤さんという豊川悦司似の有名な心霊研究科で横から見るとすごく若いが正面を向くと一気に老けて見えるために
「おい、安藤、何でそんなに正面と横顔で顔変わるんだよ(笑)まるで妖怪みたいだなぁ」と幼馴染に言われてついたニックネームであった
「さて、今宵のテーマは…鳩代さん、何ですか?」
「今宵は…宝石や洋服、あるいは書物など モノに憑く念がテーマです」
「念はあらゆるモノにこもりますね…特に人型など」
「妖怪さんのおっしゃる通り…念は知らず知らずに誰かの執着や怨念、強い想いがモノに入ります」
「そうです…例えば念の入った中古品や古着には売った人の様々な想いが残留思念となり悪影響を及ぼすことになりますね」
「骨董品なんかも気をつけないといけませんね……ということで、今宵は宝石やパワーストーンにワンドにティーカップなどの小物から衣服に至るまで
ありとあらゆる魅力的な雑貨を取り扱っているピジョンタウンの「パラレルワールド」のオーナー、ハトトコさんとトトさんにお越しいただきました」
ワーワーパチパチパチ
割れんばかりの拍手と共にハトトコとトトがスタジオに登場する
「ようこそ、お二人とも! いやいや、嬉しいな、ずっと心待ちにしていましたよ~。
やっぱりお店でも念の入ったモノとかあるんですか?」
気遣いながらも打ち合わせ通りに自然に話を振る田峯
ハトトコは静かに頷いて応えた
「はい…うちは宝石に力を入れておりますので念だけでなく強い執着を持った石そのモノに憑いている霊もいます」
「おお、石の中に霊が住み着いている…」と田峯
「念が入りやすいのは宝石に限らず…ですが特に石は何億年もの気の遠くなる時間をかけて形成されるので私達の知らない歴史を見てきています」
冷静に切り返すハトトコに安心した田峯は場が盛り上がる心霊トークを炸裂させる
「なるほど…いわば宝石やパワーストーンは歴史の生き証人なわけですね…」
「長生きしている分、何が取り憑いているかわかりませんよね…」と、鳩代がツッコミに入る
「よかった、ハトトコちゃん、いつものハトマちゃんだね。キーモ」
「本当、さっきまで緊張してたのが嘘みたい、よかった~」
「番い姉妹の愛ね…」
「ハトトコねえさん、トトちゃん、頑張ってさん」
「すげぇ、ハトトコ様、落ち着き払ってるぜ」
皆の心配するなかでライトが向けられハトトコは冷静に話し始める
「正直…数えきれないほどの不思議な体験はございますが…中でも印象的なのが今回、妹のトトが投稿した内容です」
「そうですね、もうひとりのパラレルワールドの看板娘、トトちゃんが投稿してくれた話は僕もびっくりさせられましたね…
長年、この世界に関わっていますがこんな体験をされるとは!!トトちゃん、眠れなくなる恐ろしい投稿をありがとう」
「こんばんわ。パラレルワールドのトトです、あれは思い出すだけでも震えが止まりません…」青ざめるトト
「会場の皆さん、テレビの前の皆さん、気になりますよね?
では…VTRスタート!」
鳩代の声と共にハトトコとトトの体験談が再現ドラマで流れ出した




