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フィナーレ

「魔界からの小さき案内人…まとよです」


「もとよです」



「三本目の蝋燭は私達が語らせていただきます」


田峯と鳩代の愛娘、まとよともとよが羽根を繋いで蝋燭の前に座り語りだす


わ~パチパチパチ


「よっ、待ってました♪」


「美しいわ…番い愛ね…」


「まとよちゃん、もとよちゃん、頑張ってさん」


「まとよにもとよ、頑張って」


「二人ともかっこいいぞ」


「ありがとうございます」


まとよともとよは見つめ合いコクリと頷き合うとどちらからともなく語りだした




あれは両親がスタジオ収録で留守がちになりはじめた頃でした


その日は使い魔のポンとポンと、もとよと一緒に母が用意してくれた夕食のカレーを食べているとリビングの窓からトントンと誰かが叩いている音が聞こえたんです


「まとよ、聞こえた? 何、今の音…」


「聞こえたよ…でも知らん顔していたほうがいい」


「お二人とも、心配ありませんよ。通りすがりの霊でしょう。お父様のはられた結界で入ってこられません。


私達がおりますからご安心なさいませ」


「リビングに行ってはなりませんよ。こちらの気をひいて来させようとしているだけですから放っておけばいなくなります」


優しいボンとポンは私達を怖がらせまいと気遣ってくれました


ところがノックの音は止むどころかますます激しく叩きだしたの



ダンダンダン!! ダン、ダンダン!


「もう我慢できない! 祓ってやる」


しつこいノックにキレ出してリビングに行こうとしたもとよの羽根を私は咄嗟に掴んで止めました


「ダメ! 私達が手に負える相手じゃない」


何故だかわかりませんが直感でそう感じました


父と母の血を受けついだ私達は霊感が強くある程度の霊なら祓えたのですが…


いつもと感じが違って全身が総毛だって冷や汗が出てきたので危険を感じました


「そうですよ、もとよ様。ここにいらしてくださいませ。我々が見て参りましょう」


紫色に瞳の色が変わり必死に止めるまとよを見て、なんだか怖くなって私は席に戻りました


二人で抱き合いながら使い魔のボンとポンが戻ってくるのを待っていたのですが…


シーン…


「遅いね…二人とも大丈夫かな」


「様子、見に行った方がいいんじゃない?」


『行くんじゃない!!』


その時、父の声が聞こえて私達は一瞬、緊張の糸が解けました


「うおぉぉぉぉぉぉぉ」


まるで地獄の底から呻くようなおぞましい声が聞こえるとポンとポンが真っ青な顔で戻ってきました


「よかった、お二人とも遅くなって申し訳ございませんでした…怖かったでしょう」


「お嬢ちゃま、もう大丈夫ですよ。お父様が祓ってくださいました」


「怖かったよ~二人とも大丈夫だった?」


「まとよにもとよ、もう平気よ。質の悪い悪霊があなた達の顔を見に来たのね。」


「ママ!!」


「俺の娘達を拝もうなど千年早い…木っ端みじんにしてやった」


「パパ~!!」


私達は瞬間移動して駆けつけてくれた父と母に抱き着いてわんわん泣きました


ボンとポンが言うには…両親を逆恨みしている悪霊が嫌がらせに私達を脅してちょっかいを出そうとしたらしく炎のような真っ赤な髪を振り乱して


金色の瞳で牙を剥きながら私達の顔を見ようとしてわざと大きな音で何度も窓をダンダン叩いていたそうです


様子を見に来たボンとポンを強力な霊力で金縛りにあわせ、父のはった結界を破ろうとしていたら私達の悲鳴を感じた父と母が駆けつけてくれたので


悪霊は慌てて逃げようとして父の魔力で一瞬にしてチリのように散らされたそうです



あの田峯と鳩代の娘達が成長すれば我々は滅ばされると…その前に私達をどうにかしようと今も悪霊たちは手ぐすねを引いているそうです…


ならばいっそ、逃げずに父は母と共に番組に出てやろうと私達は田峯弘樹スペシャルのレギュラーになったんです


まとよともとよは語り終えると蝋燭の日を吹き消した


シーン……


「ふたりはきぃが守るさん! 絶対に手は出させない」


話しを聞いたきいちゃんが怒りで真っ赤な魔眼の大きな漆黒の鳩に変身した


「素敵よ…きぃちゃん」大きなきぃちゃんに抱き着いてスリスリするハトモコ


それを見た田峯は優しく微笑むときぃちゃんを魔力で元の姿に戻してくれた


「ありがとう。きぃちゃん。でも大丈夫


俺と鳩代が修行させたから今のこの子達はバージョンアップして無敵なんだよ。


きぃちゃんは優しい子だね…」


「まとよともとよを真剣に心配してくれて…嬉しいわ」


「鳩代ねーさん、当たり前だよ、二人は大事なお友だちだもん」


「きぃちゃん!!嬉しい…まとよ、きぃちゃんが大好きだよ」



「もとよも大好き~!きぃちゃん、ありがとう!!」


「きぃも二人が大好きさん」


きぃちゃんとまとよともとよは固くハグし合い友情を確かめ合った




「ええ、ええ。二人とも流石は鳩代と田峯さんの子ね! 肝が据わっているわ~」



「ほんと~まとよちゃんともとよちゃん、かっこいい♪ ねぇキーモ」


「だねだね~ミーモ♪」




「さあ、皆さん、夜はこれからです。ここでちょっと腹ごしらえと参りましょうか。


あちらにビュッフェを用意してあるので厄落としも兼てお楽しみください」


焼き鳥、たこ焼き、唐揚げ、おにぎり、サンドイッチ、焼きそば、ラーメン、カレーライスにハンバーグ、ピザなど手軽につまめる夜食がズラリと並び子供たちは大喜び



「わぁ美味しそう~」



それから休憩の夜食タイムを挿んで、ジニーにダン、ピヨ、きいママ子にハトタロに鳩姉さま達や小鳩たちが次々と怪談を語り続けナイトプールの百物語は宴たけなわとなり


百本目を語り終えたスネイプが蝋燭を拭き消した瞬間にお化けが出る…と思いきや…見事な花火があがり楽しいフィナーレを迎えたのであった














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