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森の野獣2

「あらあら、キーモちゃんにミーモちゃん、久しぶりね~来てくれて嬉しいわぁ


こっちにいらっしゃい これからランチなのよ~」


鳩が大好きで娘達をこよなく愛するこの国の女王ジニーと王ダン・セフィロスは突然の孫の訪問に大いに歓喜した


「ジニーちゃん、ダンちゃん、お久しぶりです」


「ジニーちゃん、ダンちゃん、こんにちわ


あのね、キニー、今日はお話しがあって来たの」


ジニーの夫のダンは暖かな眼差しを向け二人を抱っこしてくれる


「そうか、そうか、どこでもドアで来られるとは! 魔法の腕をあげたなぁ 偉いぞ二人とも…」


キーモとミーモのママのキニーの両親だが二人とも大魔王なので見た目が若いのだ


ルディは騎士の姿になると跪きジニーとダンに挨拶をする


「初めまして ダン様、ジニー様


わたくしはこちらのお二人の友人のルディと申しますスネイプ伯爵家の息子として迎えられた魔性犬でございます


突然に訪ねたご無礼をどうぞお許しください」


「おう、ルディじゃねぇか!」


ハトモコときぃちゃん姉妹に仕えている騎士の江戸が親し気に声をかけてくれたのでルディの緊張が和らいだ


トタトタトタトタ…トタッ


「ルディちゃん、久しぶりさん♪


キーモとミーモ、元気だったぁ?」可憐な足音と共にきぃちゃんが嬉しそうに走って来てくれる


「そんな可憐な足音をたてて…ふふ、愛らしい子…


ミーモちゃん、キーモちゃん、えっと、ルディさんだっけ、久しぶりね


ママ、パパ、私達、ルディさんともお友達になったのよ」


姉バカ、といっても過言でない妹のきぃをこよなく愛する番い大魔王のハトモコに声をかけられてキーモもミーモもホッとする


「ハトモコ様にきぃ様、江戸様、お久しぶりでございます」


「はっはっは、相変わらず真面目なやつだなぁ♪ 堅苦しい挨拶はなしだぜ


ジニー、こいつは二人を守っているすっげえ誠実でいい奴なんだ


俺が保証するぜ♪」


「まあ、そうなの 江戸がそう言うのなら安心ね よろしくねルディさん、さあさ、こちらでランチを一緒に如何?



姉のピヨが作ったピヨナゲットは絶品よ♪」


「はい、ありがとうございます」



ポカンとしているルディにミーモが説明する


「江戸ちゃんはね、ジニーちゃんの幼馴染なの」


なるほど…それでこんなに信頼されているのか…



「あら、お客さま? ミーモちゃんとキーモちゃんじゃない くるっ」


「ええ、ええ♪ ちょっと見ない間に大きくなったわね くるる こちらにいらっしゃいよ」


「ミーモちゃんの好きなハンバーグもあるわよ」


ジニーの娘達の美しい鳩姉さま達に歓迎されてテンションがあがるミーモ


「姉さま達、お久しぶりですっ ミーモ、会えて嬉しい♪」


ジニーは何か言いたげな少し不安な面持ちをしているキーモを見つめると、瞳がエメラルド色に一瞬、煌めいた


「ランチどころじゃないってお顔ね キーモちゃん


あっちでお話しを聞くわ」


「あ、ありがとうございます ジニーちゃん」


「ミーモも一緒にいく」


ジニーは微笑むとキーモとミーモとルディにココアを淹れホイップクリームをたっぷりのせて出してくれる


「わぁい♪ジニーちゃんのココアだぁ」


無邪気に喜ぶミーモにクスリと笑いながらジニーは話し出した


「野獣のステファンのことね? 」


ジニーのほうから話しやすいように切り出してくれたのでキーモは思いきって胸の内を語りだした


「そうです。お願い、ジニーちゃん、彼を魔女の試験から解放してあげてください


試験で魔法を使われて攻撃される度に傷だらけになって…彼はジニーちゃんの鳩さんを助けてくれたんでしょう


お願い、もう許してあげて…」



バサバサバサ…小さな羽音と共に美しい白い鳩がジニーの左肩にとまった


「ジニー様、わたくしからもお願いします


野獣さんを自由にしてあげてください」


「可愛い~♪ もしかして、ぽっぽこちゃん?」


そう尋ねるミーモにジニーはぽっぽこの小さな頭を愛しそうに撫でながら応えてくれる


「そうよ、私があなた達くらいの年から仕えてくれている使い魔のぽっぽこよ 小鳩たちの使い魔は皆、家族同然なの」


「お二人とも、初めまして くるっ


わたくしはジニー様の使い魔のぽっぽこと申します


野獣さんのことを心配してくださってありがとうございます くるるっ」


「ぽっぽこちゃん、初めまして、キーモです


スネイプ奥様から野獣さんのお話しを聞いて飛んできたの」


「魔女試験を受ける度に傷だらけになりながら攻撃されている野獣さんは皆が合格するとおめでとうございます、って声をかけてくれて…


いつも痛い想いしてて キーモもミーモもずっと気になっていたの」


「くるるっ お二人ともお優しいのですね ええ、ええ…ぽっぽこは感動しました くるる」


ジニーはキーモとミーモにビスケットを差し出しながら応えてくれた


「…わかったわ あなた達が明日の魔女試験に合格したら…


野獣のステファンを自由にしてぽっぽこと同じ使い魔としてうちに迎えることにしましょう」


「本当? ジニーちゃん」


「もちろんよ 可愛い孫に嘘はつかないわ ねぇ ダン」


「ああ、ジニー 二人とも安心おし。 おじいちゃんが証人になろう


絶対に約束は守るからね 明日の試験、頑張るんだよ」


「ありがとう、ジニーちゃん、ダンちゃん


キーモ、頑張って合格するっ」


「でも、ダンちゃんは かっこいいからおじいちゃんなんて合わないよ」


「嬉しいねぇ ミーモちゃんに美味しいチョコをあげようね」


「うふふ パパ、よかったわね くるるっ」


「パパはかっこいいさんよ 抱っこ~」きぃちゃんに抱き着かれて嬉しそうなダン


「よしよし♪きぃちゃんは甘えん坊さんだ はっはっは」


「パパ、きぃちゃんに褒められて光栄に思いなさい くるっ」


「ハトモコ、そんなしかめっ面をして睨まないでくれ(笑)


お前は本当にきぃちゃんが好きなんだな」


「ええ…きぃは我が心の半身…私の命だわ…くるっ…きぃを返して…」


きぃちゃんを見つめながら白眼になるハトモコ


「よしなさい、ハトモコ、美人に産んだのに又、そんな白眼になって…キーモちゃん達が怖がるわ」


「ねーさん、綺麗!」パシャリ!


「ふふふ…」


白眼の自分をすかさずきぃちゃんに携帯で撮られて満足げなハトモコ



ハトモコちゃんって…なんか…凄い…かっこいいな


ハトモコちゃんみたいな妹想いのお姉さんにミーモはなれないかも…


すると…きぃちゃんがミーモの心を読んだかのように応えた


「ねーさんとあなたを一緒にしないで


ねーさんはきぃが命だから…男の人に興味ないの ミーモちゃんはルディもいるし、ねーさんとは違うよ…」



ガーン…確かに…わたし、ルディに夢中だし…



「待って、きぃちゃん


ミーモに強く言わないで…ミーモはハトモコちゃんみたいになりたいって思っただけだよ」


「きぃは怒ってない…ただ、ミーモちゃんはねーさんにはなれないって言ってるだけさん」


「お待ちください、きぃ様


どうかお心をお沈め下さい…ミーモ様は…」


騎士のルディが言葉をかけようとすると…きぃは瞳を紅に光らせる


「なに? 私に意見するつもり?」


ルディは身体が硬直し動けなくなる




「やめなさい、きぃちゃん!」


ジニーママに怒られきぃは渋々魔力を沈める


「ごめんね、きぃちゃん


きぃちゃんの言う通り、ミーモはキーモが大好きだけど ルディが好きだしハトモコちゃんのような素敵なお姉さんにはなれないってわかってるよ


ハトモコちゃんは番大魔王として凛として気高くてきぃちゃん命で凛々しくてかっこいいって思っただけなの…」


ミーモの言葉を聞いてきぃの瞳が静かになりいつもの穏やかな表情に戻った


「ねーさんを褒めてくれてありがとう


きぃこそごめんね ミーモちゃんがわかってくれれば嬉しいさん」


「ちょっと待って、ミーモは悪いことしてないじゃないっ」


「キーモ、ダメだよ! せっかく仲直りしたのに…ねぇ、やめて」


自分に食って掛かろうとするキーモを見て「フッ…」と微笑むときぃはキーモを抱きしめた


ぎゅっ…あたたかいモフモフな羽根が優しくキーモを包み込む


「わかった…ごめんね、キーモちゃん、きぃが言い過ぎたさん


あなたは、いい妹だね…番い愛がとても強い、ミーモちゃん、キーモちゃんを大切にしてあげて」


「二人とも…愛の形は違えども、番い愛は美しいもの…この番いリングをあげるわ」


ハトモコちゃんがキーモとミーモの左手の小指に美しく透き通ったピンクのモルガナイトの指輪をはめてくれる


「別名…姉妹愛を深める石、とも呼ばれているモルガナイトよ


この指輪があなた達、番の絆を強めてより強固にしてくれるわ…それからルディさん、あなたにも…」


ルディの首にはモルガナイトのペンダントをかける


「これは運命の騎士に授ける誓いのペンダントよ


あなたとミーモちゃんとキーモちゃん三人の変わらぬ友情と愛情と絆を深めて強固にするでしょう…」



「そ、そんな素晴らしいペンダントをわたくしに…」


「おう、俺はきぃ様から頂いたぜぇ お揃いだなっ♪」


柴犬から騎士の姿に戻った江戸の胸元に大きなモルガナイトが光っている


「きぃちゃん、ハトモコちゃん、ありがとう ミーモも、いいお姉ちゃんになれるように頑張る」


「ミーモは今のままでいいよ でもきぃちゃん、ハトモコちゃん、本当にありがとう


番い大魔王に頂いた番いリング、キーモは一生、大切にするね」


「うん、なら二人とも、今日からねーさんのお取り巻きにメンバー入りさん♪」



※ ハトモコのお取り巻きとは…きぃを想う番い愛と硬派なハトモコの人柄に惚れ込んだ心優しい可憐な小鳩の雛たちが入るファンクラブ的な会でメンバーになると

ジニー家での怪談会や旅行や楽しいイベントが盛りだくさんなのだ



「あ、そういえば…きぃママ子家のインコ姉妹のピュルちゃんとトモピュルちゃんもハトモコちゃんのお取り巻きだったね」


「ええ、二人ともとっても可愛くていい子達だわ


インコの八百屋さんに遊びに行くとカボチャをレンチンして出してくれたり美味しいお野菜をサービスしてくれるのよ」


「お取り巻きメンバーはシマエナガのじゅりっちゃん姉妹、薬剤師の免除を持つ体の弱いきぃママちゃんをこよなく愛する小鳩のハトモちゃん、お煎餅職人でホッペがオカメインコのように真っ赤なカメちゃんにパラレルワールドの看板娘のハトモちゃん…みんな、いい子だから仲良くなれるよ」


「わぁい♪楽しくなりそうだね~キーモ♪」


「嬉しい♪ キーモ、お取り巻きに憧れてたんだ」


「特別にルディもお取り巻きに入れてあげるさん


江戸と仲良くしてあげてね」


「はいっ、きぃ様、ハトモコ様、ありがとうございます


江戸くん、改めてよろしくお願いします」


「おうおう、こちらこそよろしくなっ♪


ワン友が出来て嬉しいぜ、ルディ 俺のことは江戸って呼んでな」


「ああ、江戸、よろしく頼むよ」


「良かったわね、みんな、じゃあ二人とも、明日の試験、頑張らないとね」


「はい、ジニーちゃん、キーモ、全力で頑張りますっ」


「ミーモも頑張ります」


「はいはい、それじゃランチで腹ごしらえしましょうね」


「わぁい♪」



テーブルにはビュッフェ式に所狭しと料理上手なジニーが腕を振るったご馳走が並べられ ミーモとキーモとルディは瞳をキラキラさせてランチを堪能したのであった







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