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ブレーキを外せ!

飛ぶ練習をはじめて二ヶ月後…


きいママ子ファミリーの子供たちはみんな、低空飛行ながら翼で飛べるようになり 子きいママ子とコキマも箒にスイスイ乗れるようなった


キーモも箒に乗って毎日、気持ちよさそうに空の散歩を楽しんでいる


そしてミーモは…飛ぶ気だけは満々なのだがあの日以来…浮くどころか全く飛べなくなってしまい、きいママ子ファミリーもいつまでもキニー家に滞在するわけにもいかずいったん家に帰ることになった



「ミーモちゃん、ごめんなさいね


飛べるようになるまで教えると約束したのに…」



「きいママ子ちゃん、謝らないで


ミーモ、諦めないで練習続けるよ


きいママ子ちゃんが教えてくれたこと思い出しながら頑張る」


「ありがとうミーモちゃん、応援しているわ


ハトたろの用事が済んだらレッスンに来るから待っていてね」


きいママ子は優しくミーモを抱きしめた


「すまないね、ミーモちゃん、ぼくの出版関係のパーティーに夫婦で出席するようにと言われたのだが行き先が遠くてね…


子供たちに留守番させるのが心配で急遽、家族みんなで行くことになってしまったばかりに君との約束を守れずに…許しておくれ」


「ハトたろちゃん、謝らないで


ミーモがなかなか飛べないのがいけないんだから


皆が帰っちゃうのは寂しいけど仕方ないよ


きいママ子ちゃん、二か月間も毎日、一生懸命、教えてくれたもの」



「そう言ってもらえると…嬉しい反面、胸が痛いよ…


ミーモちゃん、きみは絶対に飛べるはずだ


無意識に飛び過ぎないように自分で自分にブレーキをかけてしまっているんだと思うよ


でも そのブレーキを外せるのはきみしかいない」


「ブレーキ?」


「そう、高く飛んだら怖いって心のどこかで自分を保護して飛ばないようにしているんだ


その恐怖をきみが手放した時、必ず飛べるようになるぞ」



「うん…わかった…ありがとう、ハトたろちゃん」


そうは言ったものの…そんな日が来るのかな…




「ミーモちゃん、頑張ってね ピュルル」


「ミーモちゃん、絶対に飛べる日が来ますわ。


希望を捨てずに自分を信じてね」


「絶対飛べるようになるよ~頑張れ~」


「コハも飛べるようになるの応援してるね」


「ぼく、ミーモちゃんが飛べるように毎日お祈りするよ くるっ」



優しく励ましてくれた小鳩たちが帰ったあと…ルディだけは飛べるようになるまで傍で見守りたいと言ってくれたのだが…


両親のスネイプ夫妻が迎えに来て半ば強制的に連れていかれてしまった


「ねえ、ミーモ、鳩で飛ぶのが怖いなら箒の練習してみない?」


「箒…難しそう…」


「だめよ、キーモ…魔女とはいえ、ミーモは高い所が苦手だからバランス感覚が重要な箒こそ危険だわ」


キニーママに言われてしょんぼりするキーモ


「そっか…ごめんね ミーモ」



「気にすることはないよ ミーモ…


別に飛べなくたって不自由は何もないんだからね


行きたいところはどこでもドアで移動出来るしな…」


パパはミーモが落ち込まないように慰めてくれたけど…あんなに一生懸命に教えてくれたきいママ子ちゃんに申し訳ないな


ルディだって毎日、つきっきりで応援してくれたのに…なんだか…私…情けないや…



その日の夕食が終わりミーモとキーモがお気に入りのアイスを買いに散歩がてらセブンポッポに行こうと玄関に出ると…


顔色を変えたスネイプ夫妻が立っていた


「スネイプちゃん、どうしたの?」


「まあ、スネイプさんに奥様、どうなさったの?


お入りになって」


キニーに促されて家にあがるなり、スネイプ奥様が泣き出した


「どうしたの? ミーナさん…わけを聞かせて頂だい」


「ああ…キニーさん、ルディが…ルディがいなくなってしまったの…」


「ルディが!! ルディはどこに行ったんですか?」


ミーモとキーモは驚きのあまり聞かずにはいられなかった


「いや…実はね…ルディはどうしても…ミーモちゃんが飛べるようになるまで傍に居て励ましたいからキニー家に戻りたいと言ってきかなくてな…


騎士に変身して行こうとしたから私が魔力で騎士になれないようにルディの力を封印したんだよ」


「私もいけなかったんです…あの子が…ルディが二ヵ月も私達から離れるなんて今までなかったから寂しくて…行かせたくなかったの」


「そうだったの…スネイプさん、水晶玉にルディの行き先を映せないの?」


「それが…あいつ、水晶玉を割って出て行ってしまったんだよ」


「よほど…ミーモちゃんが心配だったのね


魔力を封じられたあの子は普通の犬と変わらないわ…ここにたどり着くのに何日かかるか…


こんなことなら…私も一緒こちらに来ていれば…あの子に何かあったら…それでキニーさんに水晶玉であの子が何処にいるのか見て頂きたくて…」


「わかったわ! ちょっと待ってね…」


キニーは愛用の虹色クリスタルの玉に手をかざすと…リンバロストの森で怪我をしているルディが映し出される


「ルディ…足を折ったのね…痛そうに引きずっているわ」


涙ぐむスネイプ奥様とスネイプを見てミーモはひどく自分を責めた


私が…甘えてばかりいたから…ルディにこんな無茶をさせたんだ…あんなに足を引きずって…私のために…



「感謝する! すぐにリンバロストに向かおう! キニーさん、ありがとう」


瞬時にスネイプ伯爵は霧に姿を変えてルディのもとへと向かった


「スネイプちゃんが行ってくれたからよかったね、ミーモ…うん?


あれ? ミーモがいない…!! パパ、ママ、ミーモがいないよ」



いってえ…力を封じられちまったから飛べないし…こんなところで怪我するなんて情けないな…


ミシ…ミシ…


うん? 足音…いやな気配だ…


振り向くとブラックキラーと呼ばれている大きな黒豹が牙を剥きながらヨダレをたらして怪我をして動けないルディに近づいてくる…


ダメだ…動けない…ミーモ…ごめんな…パパ、ママ…黙って出てきてごめん…


こんな俺を可愛がってくれたのに…


「ルディ!!」


パパ? パパだ…



ギャオオオオオォォ!!!



スネイプが駆けつけると同時に巨大な銀色の鳩が鋭い嘴で森の黒豹を切り裂いていた


「無礼者…私のルディに近寄るな…」


え…この声は…まさ…か…ミーモ??


銀色の鳩が嘴でつまんだ黒豹をスネイプが一瞬にして木っ端みじんに消滅させる


「ミーモちゃん、戻りなさい…」


スネイプの声で理性を取り戻したミーモはいつもの幼い魔女に戻っていく


「ルディ、無事でよかった…」


「ミーモ…飛べたんだ…あんなに怖がっていたのに…俺を助けに来て…くれたんだね…」


「ルディが怪我をしたって知って…気付いたら飛んでいたの…森に来たら黒豹がルディを食べようとしてて…怒りで身体が熱くなって…」


「ミーモちゃんは魔力が強いんだね ルディを助けてくれてありがとう…」


スネイプはお礼を言いながらハンカチでミーモの唇についた血を優しく拭ってくれた


「でも…こんな姿を見られて…私、もう…ルディの傍にいられない…」


「ミーモ、何を言うんだ…俺は…」


「ミーモを見ないで…」


バサバサバササ…


ミーモはそう言うと小鳩に姿を変えて飛んで行ってしまう


「行くぞ…ルディ…」


スネイプは怪我をしたルディを大きなマントに包みこむと飛んで瞬時にミーモに追いつき魔眼で意識を失わせて抱きかかえるとキニー家に降り立った




虹色クリスタルですべてを見ていたスネイプの妻、ミーナとキニーは失神しているミーモをベッドに寝かせると ルディを助ける為に巨大化して黒豹を切り裂いたミーモに忘却の粉をかけて記憶を抜いて忘れさせる


「ママ、ミーモ大丈夫なの…」キニーは心配で泣きそうなキーモを撫でながら言い聞かせた


「大丈夫よ。記憶を抜いたからね…目が覚めたら自分が飛んでルディのもとへと着いてスネイプさんが助けてくれたことになっているわ


スネイプさん、ミーナさん、キーモもルディも、このことはミーモには黙っていてあげてね」


「もちろんよ、キニーさん、ミーモちゃんはルディの命の恩人だわ」


「勇気のある素晴らしい子だ…この子を傷付けるような事は絶対にしない


そうだろう? ルディ…」


トットットッ…


手当を受けたルディは寝ているミーモに近づくと…顔を優しく舐めて起こしている


「ん…くすぐったい…」


パチ…あれ…私、どうしたんだろう…たしか…ルディが森で怪我して…


わんわんわん! くぅーん… 「ミーモ、ありがとう


きみが鳩になってパパと一緒に飛んできて僕を助けてくれたんだよ」


「あっ、ルディ! よかった 見つかったんだね 無事だったんだね」


くうーん…くうーん…ふにゅー…


「君は飛べたんだよ 僕の為に恐怖を克服して飛んできてくれたんだ…」


おおーん…おん…ふにゅううう…わん


「今日のことは絶対に忘れない…ミーモ、僕は一生、きみを守っていくよ…」


「ありがとう…ルディ…」


ルディは涙を流しながらミーモをペロペロ舐めて抱き着いてくる


「こらこら、ルディ、そんな風にしたら ミーモちゃんが重たいぞ(笑)」


「私からもお礼を言わせてちょうだい


ミーモちゃん、本当にありがとう


ルディのもとに飛んでかけつけてくれて…それでね…お願いがあるのよ


ルディの足が治るまで暫くの間、こちらでお世話になってもいいかしら?」


「ミーナちゃん、本当? ここにいてくれるの?」


「ああ、ミーモちゃん、私からもお願いするよ


ルディも君の傍にいたほうが骨折が早く癒えるだろうしね…お世話になってもいいかい? キニー、コージュ…」


「もちろんだよ! スネイプ、ミーモ、良かったな」


「ミーモ、よかったね…もうっ、無茶して…ダメじゃないっ」


泣きながらミーモに抱き着くキーモ…


「心配かけてごめんね…キーモ」



シュッ…


水晶玉に手をかざして微笑むきいママ子とハトたろ


「飛べるようになったのね…よかったわ!ミーモちゃん」


「ああ、自分でブレーキを外せたんだな…」


「パパ~ママ~何してるのぉ?」


「コハ、シロちゃん、みんな、聞いて頂だい、ミーモちゃんがね、飛べるようになったのよ…」


「わぁぁ、やった~ミーモちゃん、すごいすごい」


「コハ、帰ったら一緒に飛びたいな」


一斉に拍手をする優しい小鳩たちときいママ子夫妻に祝福されて心のブレーキを取り外ずせたミーモを見つめながら揺るぎない忠誠心を誓うルディだった


















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