お花見に行くの!
クリスマスタウンでサンタさんと遊んだミーモとキーモが帰って来た
さてさて二人の魔女っ子たちの日常とは…
「ねえねえ、キーモ、セブンポッポいこーよ」
高品質で身体に優しいすべての商品にハズレなしのコンビニ、セブンポッポに行きたくて魔女のミーモは双子の妹、キーモをお誘いするが
「寒くてやだ。ミーモ一人で行っておいでよ」
めんどくさがり屋のキーモはコタツで寝っ転がって漫画を読んでいる
「じゃあママと一緒に行こうか?」
優しいママ、キニーはコートを羽織りミーモの頭を撫でると焦ってキーモも支度し出した
「ママが行くならキーモもぉ」
「はいはい。皆で行きましょうね」
おうちを出るとピンク色の可愛い冬桜のピジョン寒緋が満開だ
「わあっ!! きれいきれい!!」
「ママ~、お花見したい」
子供たちはピジョン寒緋にテンションアゲアゲになり寒さも忘れてきゃっきゃっと走り回っている
「今年も会えて嬉しいわ。二人とも、知ってる? この冬桜さんには素敵な伝説があるのよ」
「ミーモ、聞きたい」
「キーモも知りたい。ママ、どんな伝説なの?」
瞳を輝かせて小さな魔女っ子たちはわくわくしている
「じゃあね、明日お花見に行きましょう。美味しいお弁当作って、その時にお話ししてあげる」
「わぁい♪」
そうこうしているうちにセブンポッポに到着
ピロピローン♪
「いらっしゃいまっぽぉ、あら、ミーモちゃんにキーモちゃん」
オーナーのハトマが笑顔で挨拶してくれる
「ハトマちゃん、ミーモ、パフェ食べたい」
「キーモはお汁粉がいい」
「はいはい♪ちょうど小豆を煮ていたから待っててね。パフェは新作のチョコパスペシャルが今日から新発売なのよ」
「元気そうね。ハトマ」
「キニー姉さんこそ来てくれて嬉しいわ。ちょっと待ってて」
ハトマはお弁当コーナーから新作の中華弁当とハンバーグ弁当を持ってくると見切り品の籠に入れる
「はいっ、これ見切りだからただでどうぞ。好きなだけ持って行って」
「でも、ハトマちゃん、これ新作だしまだ賞味期限の時間前じゃないの」
「いいのよ。チビちゃん達好きでしょ? ミーモはチョコパスペシャルね、ちょっと待ってて」
「ハトマ…気持ちは嬉しいけどちゃんと払うわよ」
気前のいい優しいハトマだが見切り品の無料サービスはお気に入りの常連や鳩姉妹たちにしか振舞わない
「うふふ、ハトマは優しいの。姉さま、久しぶり」
「あら、ともっぽ姫」
「わぁ姫だぁ」
「ピジョンの姫君、また行きたい~」
「嬉しいわ。いつでも来てね。これ無料招待券、一年間有効よ」
ともっぽ姫は魔女でこのピジョンタウンの女王の娘であり、天才パティスリーで7歳にして「ピジョンの姫君」という女王の娘の鳩姉妹たちだけで営んでいる
ラグジュアリーで美味しいケーキ屋さんのオーナーでもある
「ありがとうね。ともっぽ。ピジョンは春の新作出たの?」
「出したわよ。その名もシンデレラ♪ 姉さま、食べにいらして」
「ママ~ピジョンちゃんにいくう」
突然、駄々っ子になるミーモとキーモ
「そうねぇ…じゃあ明後日行きましょう。明日は家族でお花見するのよ」
「そっか。ピジョン寒緋桜が見頃だものね。じゃあちょっと待ってて…」
ともっぽ姫は魔法でどこでもドアを出すと「ピジョンの姫君」に行き、新作のシンデレラを人数分、ケーキボックスに詰めて持ってくる
「はい、ぜひ感想を教えてね。ミーモちゃんにキーモちゃん」
「どんなケーキなのかなぁ…ママ、はやく見たい見たい」とキーモ
「ミーモも食べたい」
「うふふ、おうちに着いてのお楽しみ♪ はしっこちゃんもどうぞ」
※ はしっこちゃんとは…販売されているケーキたちをカットした際の切れ端を詰め合わせたモノで家族や常連にのみ配る隠れメニュー
「ハトマもともっぽもありがとう。却ってごめんなさいね。今度、とびきりいいハーブティーを調合して持ってくるわ」
「あら嬉しい、姉さんのハーブティーは本当に美味しいもの」
嬉しそうなハトマ
「そうそう。美味しくて肌もすべすべになるし」
「すべすべって…(笑) まだ7歳で何言ってるのよ」
※ 魔女なので年は7歳だが人間でいうところの年齢不詳である
「またいらっしゃいね。帰りはどこでもドアでどうぞ」
ハトマにどこでもドアを出してもらうとミーモとキーモはママとおうちへ帰って行った
※
この作品を見つけて下さりありがとうございます。
気まぐれに童話感覚で綴っていくのでお付き合いいただければ幸いです