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銀霧のグレンツェ  作者: 鳥居賀風
不吉の島
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拘束

目を覚ますと俺は、拘束されていた。

ここがどこなのかさっぱりわからない俺は、何か手掛かりがないかと辺りを見渡す。


暗くぼやけていた視界が次第に明確になっていくと、そこは何かの設備があった場所のようだった。

正確には、今は使われていない施設のような。


確か、俺は赤い光の柱を追って、研究施設の跡地までやってきて、その後誰かに襲われて…。

俺の中の記憶はここまでしかなかった。

たった一つ最後の記憶は、俺と余り歳の変わらない男性の後ろ姿…。


___ガシャン。


エリアスにだけ、照明が当たる。


「お前は一体何者だ?」


誰かが俺に問いかけてくる。

俺は、素直に答えを述べる。


「俺は、ただの一般市民だよ。ここにきたのは、赤い光の柱が見えたから何かと思ってきただけで」

「お前は、その柱が見えたのか?」

「ああ、誰だってあれぐらい見えるだろ?」


俺に質問していた声からの返答が途絶える。

なんかを間違えたのか?俺


「おい、今度は俺からの質問だ。お前は何者だ?」

「俺たちは、影魔を救う者だ」

「影魔を救う?何馬鹿げたことを言ってるんだ。あいつらは、人を襲い人に化けるんだ。それを排除しないと平和は獲得できないだろ」

「お前にとって影魔は悪か?」


その質問に俺は、即答する。


「影魔は、悪だ」

「なら、お前の大切な人たちがもし影魔だったとしてもそれは悪か?」

「どういう質問だそれは…」

「人に危害を加えたりしないけど、影魔ならそれは悪なのか?と聞いているんだ。その影魔が実はお前の大切な人だったとしてもだ」

「…」

「お前は、その人のことを殺せるのか?」


もしも、仮にそんなことが起きた場合、俺は多分殺せないだろう。

本物か偽物かなんて俺にとっては関係ない。

その相手が自分にとって大切かどうか。ただそれだけなのだから。


でも、影魔が悪なんだ。

俺は、そのひどい光景を目の前で見てきたのだから。


「お前は、真実を知るべきだ。お前たちが殺した影魔は一体何だったのか」

「それって」


視線の向こうの闇から足音がこちらに近づいてくる。

それは悪魔の足音なのかそれとも…。


「俺のことはどう見える?人間か、それとも影魔か」


俺の目の前に現れたのは、俺よりも幼い少年だった。

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