死神
___宿舎付近
陽は、暮れ始め月が空へと登る。
ダリルは、戦闘状態であった。
おそらく奴が今回の襲撃の黒幕だと確信した。
何故ならその圧倒的な邪悪な威圧感に、ダリル自身一歩も動くことができなかった。
奴は、いうなれば”死神”。
もうすでに死神の鎌を突きつけられているようにやつは、杖をこちらへ向ける。
「あなたの目的は…?」
「狭間の門を永久に開くことだよ。だが、それがゴールでは無いがな」
「そのために、大量に人々を皆殺しにしたのですか」
「必要なことなら仕方ない。私だって人殺しは胸が痛むのだよ」
「あなたをここで食い止めます」
「それは、無理な話だ」
次の瞬間、俺の目の前に黒い手が向かってくる。
それは、一つではない。無数の数。
いや、無限。
影から現れたその魔法は、明らかなこのラディウスの世界の魔法ではない。
やつは、天才なんだ。天災だ。
この世界が認めた7人の精霊使いの一人にして、”禁忌の魔法使い”。
ダリアス=クーパー。
ダリルは、必死にその不気味な攻撃を避けながら、反撃のタイミングを見計らう。
が、そんな隙などなかった。
奴をここで食い止めるのが、俺の宿命なのだとしたらそれから逃げてはダメだと思えた。宝石使いの宿命から逃げないために俺は、仲間たちと立ち上がったのだから。
ダリルは、我が身一つで自身の最大火力の宝石術を叩き込む。
それは、彼が培ってきた全てを込めた一撃。
完璧に決まったと思った。
その攻撃は、奴の掌で吸収され無となった。
攻撃が通用しない。
何もかもが無力であると絶望がダリルの心を支配する。
ダリルの心臓目掛けて、ダリアスは攻撃をしようとするが、その時奴の目の前に刃物が襲いかかり、やつは一瞬後退する。
「あんた、大丈夫かい?」
「あなたは…」
「悪の匂いがプンプンするねー。あれは私の獲物だ」
そういいダリルを助けたのは、ハルカゼだった。
ハルカゼは、刀を構え間合いを詰める
次第に距離を短くしていき、刃の間合いまでつめた。
___魔法VS刀の戦い
ふとした瞬間、事は動く。
いち早く黒き手を放ったダリアスの攻撃をハルカゼは切断した。
魔法を切断。
そんな芸当誰も見たことはなかった。
が、それだけでは終わらない。
その魔法を切断した二手目で視界から逃れ、ダリアスの背後をとり首を一刀両断する。
彼女の圧倒的勝利。
のはずだが、ハルカゼは何かを感じ後退しようとした瞬間、右腕を黒き手によって握り潰される。
すぐさま、その攻撃を離し離脱するハルカゼ。
彼女の目の前には、首のないダリアスがこちらを笑みを浮かべながらこちらを見ていた。




