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銀霧のグレンツェ  作者: 鳥居賀風
不吉の島
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契約

カタリナから告げられたその名前を俺たちは少し前に目撃していた。

あの記憶の世界の中で、レンがエルメスの魔法を使用していたときに発していた言葉だ。


「エンゲージとは、つまり契約だ。契約を結ぶことで結んだ相手の力を使用することができる」

「それってレーチェの風魔法が俺にも使えるということ?」

「簡単にいえばそういうことだ。そして、もう一つは契約をしたことで魔力供給も可能ということだ。魔力についてはどのくらいわかっている?」

「本の知識しかないけど、自身に見合った魔力量しか扱うことができないということぐらい」

「そのとおり。その自分の限度を超えた魔力を自身から引き出そうとすると寿命を縮める。しかしだ。このエンゲージを使うことで契約者の魔力を使える。つまり、自身の限界を二人でなら超えることができるということだ」

「このエンゲージは、俺たちにも使えるんですか?」


俺がカタリナに聞くと、不思議そうな顔をする。


「君は、もうレーチェと契約をしてるんじゃないのか?」

「え?」


俺はレーチェの方を見るが彼女は、ポカーンとしている。

恐らく理解していないみたいだ。


「もしかして、俺たち契約もうしてるの?」

「いやしてないよ?」


カタリナも驚いた表情をするが、話を続ける。


「私の目には、君たちに薄いがパスが繋がってように見えていてね。てっきり契約を結んでいるのかと」

「俺たちカタリナさんに言われるまで知りませんでした」

「恐らくだが、君は妖精に認められたのだと思う。私も昔聞いた話だが、妖精に愛される人間がこの世界にはいるという。その人間はなんの理由もなく妖精を視ることができたという。君はそれなのかもしれないな」


俺にそんな不思議な力が。

確かにレーチェと出会ったときもびっくりはしたけど、何故かそれが当たり前だったかのような感じもしていた。

カタリナさんが言っていた俺の宿命とも関係しているのかもしれない。


「では、まずは契約を結んでみようか」


カタリナの支持に従い俺たちは対面する。

その俺たちの周りに魔術陣を描き7つの宝石を円上均等に並べ始める。

全ての準備が整ったことで、カタリナが言葉を紡ぎはじめた。


「遥か彼方から今にかけて巡り廻る縁の力。正しきものの道標として。迷い戸惑うものたちの救済として。その縁で光を紡げ」


彼女のその言葉とともに、俺たちは、右手を出し合い相手の手を握り呟く。


___フェアリーエンゲージ


何かの縁が繋がった強い感覚に襲われる。

彼女の手を握っていた自分の手が熱い。


俺は彼女の手を話し、掌を見てみると四葉印が手に刻まれていた。

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