宿命に立ち向かうために
___俺の記憶は、途切れていた。
気がつくと、宝石をはめ込んだ扉の前に立っていた。
隣にはレーチェもいるが、彼女も呆然と立ち尽くしている。
「今のは悪い夢?」
「あんな悪夢は見たくないよ、あたし」
二人して顔を見合わせ、お互いに恐怖に支配された顔を目撃する。
「これが君たちが知らないといけない記憶だ」
その声を聞き振り返るとそこには、カタリナが立っている。
「君たちに渡した宝石は、その人の重要な記憶まで遡ることができる。今君が見たのは、エリアス、お前の記憶だ」
「俺の記憶?でも、俺はあんなところ行ったこともないしそもそも、あの時代に生きてない」
「そのとおりだ。記憶と言っても今のお前の記憶ではない、お前の魂に刻まれている記憶だ」
「俺の魂の記憶」
「君たちがどんな記憶の世界に行っていたかは私にはわからないが、恐らく君たちの宿命を知ることになったのだろう」
「あれが俺の記憶で宿命なのだとしたら、俺には何もできない。なんの力のない俺は無力だ」
エリアスの心はボロボロだった。
この旅で様々な困難を仲間と共に乗り越えてきた。
でも、全て仲間に助けられて今日までこれたに過ぎない。
俺は何もできていないだ。
いつも、誰かに助けてもらういらない存在。
そんな俺にあの"最悪"をどうにかできるわけない。
俺の心が恐怖に飲み込まれそうになっていたその時、レーチェが俺の手を握る。
「エリアスくん、君は凄い人だよ。なんの力もないってわかっているのに、あたしを助けようとしてくれた。あの中でただ普通の男の子が誰よりも勇気を出して行動したんだよ!だからね、あのときは助けれくれてありがとうわ!」
その言葉に俺の闇に染まりかけた心に光がこぼれ落ちる、
俺にもできることがあったんだと。
誰かの役に立つことができたということが何よりも嬉しかった。
「君は、今の自分と立ち向かわなければならない宿命を今知った。その運命を君はどうする?進むか逃げるか」
カタリナが俺に問う。
___進むか逃げるか。
何も変わらなかった日常がレーチェと出会い他の人たちと出会い動き始めた。
全ては進むことを選んだから変わり始めたんだ。
だから、俺は。
「俺は進みます。自分の宿命を立ち向かうために!!」
「では、本格的に修行に入ろう。そのためにレーチェとエリアスをペアにしたのだから」
「それってどういう?」
「妖精と妖精の視える人間の二人で作り出す妖精魔法をこれから習得してもらう!その名もエンゲージだ」




