昨日よりも今よりも
___一旦状況を整理しようと思います。
そう言い放ったのはダリルだった。
「まず、今我々は追われる身です。ダルクの鉱山の一件で軍服からエスト鉱石の正体を目撃したものとして、捕まると実験対象にされるか殺されるかの2択だと思われます。それを避けるために、独立自由都市であるここに身を潜めているわけですが、ここにも軍服の奴らがいるので、いつ私たちのことがバレるかも時間の問題かもしれません。そして、もうひとつの問題は、この街に影魔が現れたということです。昨日も話しましたが、この前の戦闘はおそらく我々の戦力の確認だと思われます。なので、”次”の戦闘が近いうちにあると思われます。現時点での状況確認は以上」
「俺たちは、この後どーするの?」
ザックは、ダリルに質問をする。
「我々が戦うしかないでしょう。そうしないとこの街の人々は殺されます」
「でも、目立てば目立つほど、俺たちの存在がバレるよね」
「ですね。この前の戦闘でもう、見つかってしまっているという形もあります、逃げるならいまですが…エリアスくん。君はどう思いますか?」
「俺は…この街の人たちを見殺しにはできない」
「わかりました。アルディアさんとザックくんはどうです?」
「俺は、みんなといるのは楽しいからどっちでもいいぜ。でも、戦えはしないけどな」
「私は…私もこの街の人たちを見殺しにはしたくないです!」
「わかりました。レーチェくんもみんなと同じ意見でいいかな?」
「いいよー!だいさんせーい!」
ダリルは、その言葉を聞きニコッと笑う。
「わかりました。では、みんなで頑張りましょ!そのためにこれから皆さんの力を高めてもらおうと思います」
「力を高める?」
「いわゆる修行というものです」
「エリアスくん授業だってー!なんかかっこいい!!」
「でも、修行って何をするんですか?」
そもそも、俺もザックも戦ったこともない。
でも、ダリルは"みんな"と言っていた以上、多分俺らにも何かできることがあるんだ。
「この島には、私たち宝石術師の修行をする場所があります。そこでみなさんも鍛錬をしてもらおうと思っています」
「俺とザックもですか?」
「ええ!君たちも隠していることがあると思うので」
「では、行きましょうか」
ダリルは、手に持っていた紫の宝石を取り出し、それをハンマーを使って砕く。
すると、その宝石から魔法陣のようなものが現れ、僕たちはその陣の輝きの中に飲み込まれていった。




