古き夢
私は、誰よりも優秀だった。
私は、誰よりも才能に恵まれていたのに、今も尚妖精の姿を見ることは出来なかった。
これは、何もなかった頃の話。
私は、孤児だった。
物心着くかつかないという時には、死が隣に肩を並べてこちらを見ていた。
たったひとつの救いは弟がいたこと。
弟がいるから私は頑張れた。
今だけを生き抜くために、やれることは何でもした。
そう、何でも。
それを幸せだと感じた。
だけど、そんな大好きだった。弟が死んだ。
あの不気味な何かに殺された。
私はただ恐怖し、隠れることしか出来なかった。
全てが去った後、そこ残っていたのは私だけ。
弟の亡骸を見た時、目から涙が止まらなかった。
涙の止め方を忘れたみたいに、収まることが無かった。
私は、孤独になった。
もう、どうでもよくなった。
生きていることに意味をなくした。
ある時、何を聞いたのか私の前に男が現れた。
その男は私に話しかけてきた。
「君は死ぬのかい?」
その問いに私は答えない。
答える気力ももうない。
男は続ける。
「君が見たあの化け物は、影魔と呼ばれている。私はその影魔から人々を守る仕事をしてる」
「影魔、、、?」
「ああ、そうだ。今日は、君を勧誘しに来た。私たちと一緒に影魔を倒すために戦って欲しい。君はその力を勝ち取る権利がある」
私にも力がある?
あの化け物を倒すことの出来る力。
私は、その男から手を差し出される。
「本当にそんな力を手に入れることが出来るんですか?」
「君が望めばね」
「私は...私は、その力が欲しい!誰かを守れる力が!!!」
私は、その男の手をとった。
これは、あの男と出会う前の話。
なんで、今更こんなことを思い出したのか。
目が覚めると、窓の外には日が昇っていた。
今日が過ぎ去りアルディアは、明日を迎えた。




