襲撃
事件は唐突に起こる。
まさか、この昼間に何かが起こるとは思っていなかった。
俺たちがダリルとの集合時間に着いたその時、誰かの悲鳴が街に響き渡った。
その声を聞こえた途端、ハルカゼは、我先と俺たちを置いてその声の方向へと走り去る。
俺とザックたちも急いでハルカゼを追いかけた。
俺とザックが到着した時、何が起きたのかは一目瞭然だった。
目の前には、露店いくつかはめちゃくちゃに壊されており、地面に散乱している。
そして、その地面に散乱しているものに向かって、赤い液体が次第に付着していく。
俺は、赤い液体がなんだか知っている。
身体が強ばるのが自分でもわかる。
ボサッ
何が地面に投げ捨てられた音がした。
俺たちは、その音が鳴った方に顔を向けると、あの時と同様に人の屍が転がっていた。
そして、それに気を取られるのも許してくれないらしく、目の前に甲高い音が鳴り響き、俺たちは現実に引き戻された。
「あんたから悪の匂いがする」
「オ、オマエ、、コロス」
ハルカゼは、手に持っていた刃を持ち直し、再び目の前の影魔に攻撃を仕掛ける。
やはりハルカゼは強く、一瞬にして目の前の影魔が倒される。
しかし、ハルカゼは戦闘状態を解こうとはしなかった。
次の瞬間、俺の背後から何者かが現れ攻撃を仕掛けてくる。
死を覚悟したが、レーチェが風の防壁を張り、その攻撃を間一髪で凌ぐ。
背後を確認すると、そこには、2体の影魔が立っていた。
「なんで、影魔が2体もいるんだ?」
「わからねー。でも、エリアス、俺たちやばくないか?」
俺もザックも戦闘経験があまりない。
いつもアルディアかダリルが助けてくれた。
ハルカゼの方を見ると向こうにも2体。
これは、万事休すというものらしい。
ダルクの時みたく逃げることはできない。
俺たちが逃げてもまだ逃げていない人々が確実に襲われてしまう。
どうしたら…。
俺は、思考する。
今、何をすべきなのかを。
そして、覚悟を決める。
”あれ”をするしかないと。
俺は、影魔の前に出ようと一歩を踏み込んだその時、銃声の音が鳴り響く。
そこには、アルディアの姿があった。
彼女の放った銃弾は、1体の影魔の脳天を打ち抜き、消滅する。
その光景を見たもう1体は、彼女に攻撃を仕掛けてくる。
「オ、オマエ…カラ…コロ、ス!」
影魔の攻撃がアルディア目掛けて繰り出されるが、彼女は素早くその攻撃を反転して交わし、相手の後頭部に銃口をつける。
そして、彼女は0距離で脳天をぶち抜いた。
血飛沫が、彼女に降りかかる。
俺は、アルディアのもとに駆け寄り声をかける。
「アルディア、大丈夫か?」
しかし、俺は途中で駆け寄ることをやめてしまった。
「ええ、大丈夫。さあ、早く影魔を殺しましょ」
そう言い彼女は、不気味に笑っていた。




