正義の味方
___この状況は、一体どういうことだろう?
今、先ほどまでザックに襲いかかってきた張本人であるハルカゼ=フタバと俺たちは食事を一緒にしていた。
そして、目まぐるしく俺の目の机の上に大量の食器が積み上がっていく。
どうやら食事に困っていたらしく、1週間ぶりのまともな食事らしい。
いったいこの1週間何を食べて過ごしていたのやら。
そんなことを考えていると、胃に入れられる分は入れたのだろう。
ハルカゼは、満腹といったか幸せな顔をしていた。
彼女は、腰元に刀を携えており、服も”和服”と種類の服装をしている。
しかし、動きやすいようにところどころアルディア同様改良しているようでもあった。
髪の毛を一本に結んでおり、その結ばれた黒色の髪は、なんでも染めてしまうような深い色合いをしていた。
「あの、それで貴方はいったい何者なんですか?」
ハルカゼの食事を終えたと見るや、すぐにアルディアはハルカゼに質問をすす。
「私は、各地を巡りながら世直しの旅をしている。ザック、先ほどは急に襲いかかって済まなかった」
「いや、誤解が解けたんならいいけどさ。今度から気をつけてくれよ」
「ああ!肝に銘じておくよ」
「ハルカゼさんは、どうしてあそこにいらっしゃったのですか?」
「私は、昔から”善”と”悪”というものが匂いでわかるんだよ。この島に来た時に、尋常じゃないほどの悪の匂いがしているところを見つけてね、で、その”悪”の匂いが強いものを持っていた君を成敗しようとした」
「じゃあ、これに釣られてきたということか」
ザックは、懐からブラック博士から預けられたエスト鉱石を魅せる。
「やはり、これが原因のようだ。でも、本当に不思議な石だ。”悪”という匂いもありながらかつて”善”だったという匂いも存在している。全くそれは不思議な石だな」
「ハルカゼさんは、さっき世直しの旅をしていると言いましたが、もしかして、影魔も知っていますか?」
「影魔は知ってるとも、私はそれを祓う仕事もしているからね」
ハルカゼはあっさりと影魔を知っていると言い出す。
俺は、世間って狭いんだなと改めて思った。
俺が知らないだけで、隣に人は世の中の常識のように知っている。みたい。
もしかしたら、フィーネも影魔の事知っていたのか?なんて少しは考えてしまった。
「私の師匠がね、昔世直しの旅と言って世界を巡る旅をしていたらしい。その中で異形の存在に出会った。それが影魔。そして、その影魔に襲われていたのが、まだ幼い頃の私だった。まあ、そこからはよくある話だよ。孤児だった私を不憫だと思い、親のように育ててくれた。私も彼のような正義の味方になりたい!そう思って今、昔の師匠みたく旅をしている」
「そうだったんですね」
彼女の話を聞き、興味を示したザックは質問をした。
「なあなあ、ハルカゼの師匠って強いの?」
「ええ。私よりも遥かに強いですよ」
その即答にザックは目を輝かせ、根掘り葉掘りハルカゼの旅の話を飽きるまで聞いていた。




