昼間の刺客
闇夜に潜む影が月明かりとともに動き出す。
それは、復讐のために。
それは、運命に抗うために。
それは、生きていた証を残すために。
血の川に映り込むその影はまさに、悪魔のようなだった。
「で、ここがその跡地ですか」
俺たちは、昨日ダリルから聞いた狭間の門の跡地を訪れていた。
開門されたのは2年前らしく、門は閉門されていたため消滅していたが、何かが滅びた後だけが痛々しく残されていた。
「エスト鉱石を作り出した結果、門が顕現したと言っていましたが、どうやって閉門したのですか?」
「完全顕現じゃなかったようです。ダルクの時もそうでしたが、開門するにはマイナスエネルギーつまり、銀霧が顕現のトリガーになります。しかし、それを維持するには膨大な銀霧が必要とも言えます。なので、時間と共に閉門をしたのかと。恐らくですが」
ザックは、先生から預かっているエスト鉱石の欠片を取り出す。
この鉱石の犠牲者の魂がここにいるかもしれないと思ったザックは祈りを捧げた。
その時だった。
何者かが尋常なる速度でザックに接近した。
俺は、分からなかったがそれにいち早く気がついたアルディアはザックの目の前にたち、何者かの人たちを防ぐ。
が、防いだと思ったその攻撃の間をすり抜け第2の攻撃が繰り出された。
避けられないと覚悟したアルディアは、如何にその攻撃の威力を弱められるかに思考を回したが、レーチェが風の魔法を発動し、暴風によって相手との距離を取るとに成功した。
「貴方は、いったい何者?私たちになんの用?」
「あんたに用なんてないよ?でも、そこにいる男には用がある」
そいつは、ザックを指さす。
ザックは、そいつのことは知らないみたいで驚愕した顔をしている。
「お、俺は、そいつのことなんて知らない」
「お前は、ここで殺す。出ないと、また悲しいことが起きるかもしれないから。その男の味方をするならお前たちも殺す」
淡々とそいつは話し、またザックに襲いかかろうとする。
その時、俺たちの周りを数人が取り囲んでいた。
それは、見覚えのあるあの軍服の奴らだった。




