東の森①
ダリルとザックが魔法のことに関して話している中、俺はアルディアに声をかけていた。
それは、どうしても気になってしまっていたこと。
「アルディア。ひとつ聞いてもいいか」
「何?」
「あの研究施設で出会った喋る影魔ってお前の知っているやつなのか?」
「どうして、そんなこと聞くの?」
彼女の目が少し変わった気がする。
「いや、初対面そうじゃなかったしさ。冷静なお前らしくもなく突っ走っていたから気になって」
「奴は、私の仇よ。だから、私があいつを殺さないといけないの」
「仇?」
「私の一族を…仲間をあの影魔は皆殺したのよ。で、偶然私は死体に紛れることによって生き延びたわ。私だけが…生き延びてしまった」
「アルディア…」
「ごめんなさい。でも安心して、もう大丈夫だから!」
「自分で全部背負い込むなよ。俺もレーチェもいるんだからな」
「貴方、意外と優しいのね」
そういい、彼女は俺に微笑んだ。
その顔の方がずっといいと俺は思った。
「なあなあ、エリアス。ずーと俺は気になっていることがあってよ?」
「なんだよ、いきなり」
「なんか、見えないけど誰かここにいたりする?」
そうだった。アルディアもダリルもレーチェのことを認識することができたから気が付かなかったが、ザックは認識できていないらしい。
「ああ、言い忘れてたよ。そこにいるのが、レーチェ。妖精だよ」
とレーチェがいるところを指差す俺。
「エリアス。お前頭おかしくなったのか?」
「いや、そこにいるんだけど、妖精って普通の人には見えないらしい」
「何言ってるんだ?」
とザックが疑っているのを見て、レーチェがザックの髪の毛を引っ張る。
「痛い痛い…!やめろって!」
側から見ると、1人で騒いでるようにしか見えない。
「って、今やったの誰だよ?ダリル、お前か?」
「いえ、違います。そこにいる妖精ですよ」
「妖精め。やってくれてな!!」
といい、ダリルが指差した方向にザックは突進するがそこにはもう誰もいない。
ザックの進行方向の逆からレーチェが再び、髪の毛を引っ張る。
それが3-4回繰り返された頃、ザックは、レーチェの存在を認めたように観念した。
「お前、すばしっこいな。俺はザックだ。よろしく頼むぜ」
と握手を交わしたように自身の腕をブンブン振る。
「エリアスくん。エリアスくん。あの人何もないところに1人で話してて、怖いんだけど…」
「レーチェ。ザックのことは放っておいてあげて」
俺は、軽くザックのことをあしらってしまった。すまない。
そうこう歩いていると、大きな泉に出くわす。
「ここまで来れば、ひとまずは、軍服の奴らもたどり着けないでしょう。今日はここで拠点を張りましょう」
アルディアに提案を従う一同。
それを見上げたら、もう夕日が落ちかけていた。




