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銀霧のグレンツェ  作者: 鳥居賀風
伝承『堕ちた妖精』
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堕ちた妖精③

彼女との過ごした日々は、2年経った今日までたった片手に収まるくらいしかなかった。

それでもリュミルの心を射止めるには十分な時間だ。

それは、エディリーヌも同じだった。


___僕たちは初めて恋をした。



その恋は、人間であるリュミルと妖精であるエディリーヌであるがゆえの禁断の恋でもあった。


昔、始まりの樹の幹の上で彼女と約束をした。

それは、”いつか一緒にこの世界を冒険しよう”という約束。

その冒険の時に、彼女が危険な目に遭ってしまうかもしてない。

妖精の魔法が使えなくなってしまうかもしれない。

何かの原因で羽が"落ちて"飛べなくなってしまうかもしれない。


だからこそ、まずは飛ぶことを選んだ。

いつかもし、彼女が”今までできたことができなくなってしまった時”のために。


何か決意を固めたように彼は、立ち上がった。

「セピルごめん!もう1度、飛んでくる!今度は絶対飛んでみせるから」


セピルは知っていた。

リュミルという人間は、”諦めが悪い”ということを。

だからこそ、セピルは彼のことを他の人間たちより気に入ってるのかもしれない。

彼は、ブレない。

どんなことがあっても目標を夢を希望を絶対に投げ捨てない。

そんな彼がセピルは誇らしかった。


セピルは、しょうがないなと言いつつ、彼の後を追う。

すると、どこからか大きな地響きとともに空気感が変わっていく。

先ほどまで、晴天だった青い空は、雲によって見えなくなり、あたりに銀色の霧が立ち込み始める。


リュミルは、近くの木に登りあたりを見渡す。

すると、リュミルの暮らすエクラ村の方で炎が上がっているのを目撃する。

「セピル!村の方で何かあったみたいだ。急いで戻ろう!」


リュミルとセピルは、急いでエクラ村に向かった。

彼らは、この時まだ気がついていなかった。


___人類滅亡のタイムリミットが迫っていたことに。





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