逃走開始
___ここ、俺の家なんだけど。
ドアの向こうになっていたのは、ザックだった。
「ザック!!良かった、無事で」
「まあ、ギリギリってところで逃げてきたけど、ここもすぐに追っ手に見つかる。早くここから出た方がいい。で、そこのお前は誰だよ?」
ザックは高圧的な態度で、ダリルに声をかけた。
俺は、慌てて彼の説明をする。
「待って、彼は味方だから。この人はダリル=フォスター。俺が影魔に殺されそうになった時に助けてくれたんだよ」
「あんた、本当にこっち側の人間か?」
「私は、あっちもこっちもないよ。ただ、ああいう非道なことをする連中のことは好きではないね」
その言葉を聞いて誤解は解けたのかザックは警戒心を解き、彼に握手を求める。
「疑っちまって悪かった。俺の名前は、ザック=ルイス。気軽にザックと呼んでくれ!」
「よろしく頼みます。ザック」
2人は、友好関係を結んだ。
それとは別にアルディアは、自身の荷物から地図を取り出し脱出経路を検討していた。
と同時にどこからか女性の悲鳴の声が街の方から聞こえてきた。
「今の悲鳴…」
「もしかして、影魔?」
「可能性は高いわ。本来の討伐する予定だった影魔が姿を現したのかもしれない」
というと、アルディアは、身支度をし始める。
「もしかして、影魔のところに向かうの?」
「本来の目的だから。ここでやつを仕留める。それが私の使命だから」
行くって言っても先ほどの戦闘でのダメージを引きずっているようだった。
俺は、彼女をこのまま1人で生かすことはできないと思った。
だって、彼女は対抗できる力があったとしても僕と同じくらいの女の子であることには変わりがないのだから。
「なら、俺も一緒に行く」
「貴方死にたいの?」
「死にたくはないよ。でも、こんなボロボロの君を1人で行かせるわけにはいかないだろ」
「では、私も一緒に行きましょう。地図を見る分だと、身を隠すなら、ザルクの街を抜けて東の森に行くのがいいと思います。東の森を抜けてば、何個か隠れ家を知っているので」
「じゃあ、出発だな。行こうぜ、エリアス。どっちにせよ、ここにいたら俺たち全員捕まっちまうからよ」
「ザック、ダリル…ありがとう!」
みんながアルディアの方を見る。
そして最後に、彼女の耳元でレーチェが囁いた。
「アルディアちゃん!一緒に行こう!!」
彼女は、何か心で感じたものがあったのかふと、俺たちから顔を逸らし。
一間を置き、小さく呟く。
___ありがとう。




