逃走準備
___で、その人は一体誰なんですか?
アルディアは、俺に尋ねる。
彼女は少し警戒態勢にはいった。
「大丈夫!俺を助けてくれたんだ」
「貴方が?」
「しかも、あの影魔をやっつけた!」
「そんなまさか、、、」
彼女は、驚いたような表情を浮かべる。
そりゃ、そうだ。
あんなに強かった影魔を倒してしまったんだから。
「自己紹介が遅れました。私はダリル=フォスターと申します。ちょっと不思議な力を持ったただの宝石商ですよ」
ダリルは、俺たちに自己紹介をする。
高そうな背広をきた紳士は、僕らに話し続ける。
でも、誰もただの宝石商だとは思わなかっただろう。
「あと、君は1つ誤解をしているようですが、あの影魔は恐らく逃げましたよ」
「え...」
「あの最後の攻撃の際に、隙を見て逃げたのでしょう。深手は追わせていますが、多分再び現れると思いますよ」
アルディアの顔が多分だけど、今少し険しくなった気がする。
「でも、助けられたよ。本当にありがとう」
そういうと俺は握手をダリルと交わす。
「俺の名前は、エリアス。こっちがアルディアで、、、」
と俺は、レーチェのことも話そうとしたが普通の人には見えないことを思い出し、紹介を止めようとする。
「エリアスくんエリアスくん!」
「どうした?」
俺とレーチェはヒソヒソ声で会話をする。
「多分なんだけど、、、この人あたしの事視えてるかも」
2人して同時にダリルの方を見てしまう。
「おふたりとも仲が良いのですね。で、そちらの妖精のお名前は?」
ダリル当人以外が驚く。
「えーとー、ダリルくん。あたしのこと視えてるの?」
「ええ。何かおかしいですか?」
レーチェは嬉しそうにはしゃぐ。
彼女にとって、声を認識させたり視られることなんてほとんどないのだ。
「あたしの名前は、記憶の妖精レーチェ。ダリルくん、よろしくねー!!!」
彼の手を勝手に取りブンブンと腕を回した。
「ダリルさん、あなた一体何者なんですか?」
「それは、先程答えましたが?」
「いや、そうじゃなくて、影魔は追い払えるし、妖精を視ることもできる。どう考えても普通の人間じゃない」
「先程もお話したように、私には少し不思議な力があるんですよ」
「不思議な力ってなんですか?」
アルディアは、ダリルに尋ねた。
ダリルは改まった口調で彼らに話し始める。
「私が言っている不思議な力とは、ありとあらゆる宝石(鉱石)の奥底に眠っている力を特殊な術式と道具によって解放し、その恩恵を受けるというものです。その名も”宝石術”。しかし、眠っていた力を解放した鉱石は、その力がなくなると消滅します。まあ、簡単にいうと宝石術を用いて、宝石たちの眠っている力を呼び起こし、蛇口を開けた状態にするということですね」
「そんな力があってなんて知らなかった…」
「それもそうでしょう。なんせ、滅んだ術ですからね」
「滅んだ術ってどういう…」
すると何かを察知したのか、手をあげ、ダリルは研究室の方を指差す。
「誰かがいるようです?」
もしやもうあの軍服の奴らがここの場所を掴んだのか。
部屋の中に緊迫した空間に変わり、ゆっくりと研究室の扉が動き始めた。
すみません!
今日、めちゃくちゃ大事な打ち合わせに行っておりまして、気がついたらこんな時間に・・・。




