喋る影魔
アルディアは、目の前の喋る影魔に向かって一直線に攻撃を仕掛ける。
普段の彼女ならそんな特攻のようなことはしないのだと俺は思う。
だが、今はどう考えても彼女は正常な判断を欠いているようにしか見えなかった。
アルディアは、両手の銃から弾丸を放つ。
アルディアは、影魔に発砲するが、その弾道線が見えているのか大きく避けることなどもせず、その避ける方法を理解し余裕そうに目を瞑り少しの動きだけでそれを避ける。
が、その余裕な顔もすぐ驚きへと変わった。
喋る影魔は、アルディアのこと見くびっていた。
彼女は、奴が目を瞑ったことを見逃さなかった。
だから、発報と共に私はホルスターに拳銃を納め、携帯していたナイフに素早くもちかえ距離を詰め、奴の喉元を掻っ切ろうとする。
しかし、それを察知したのか影魔は、瞬時にその攻撃を避け、アルディアと距離を取る。
「今のは一本取られましたぜ。でも、残念。それでもまだ俺には届かねーな」
というが、遅れて頬から青い血が流れる。
「今回は届きましたよ…。貴方は必ずここで殺します」
「いいねー。こういう女の絶望した顔が俺は大好きなんだ」
__なんて戦いをしているのだろう。
俺は、遠目からその戦闘を見ていた。
あれは、僕には何もできることはない。そう僕の全てが言っている。
隣にいたレーチェが話しかけてくる。
「エリアスくん…あいつは危険すぎる。今のあたしたちが太刀打ちできる相手じゃない」
「でも、今ので攻撃を当てられたのはアルディアだ。だから、このままいけば…」
俺の言葉を遮るようにレーチェは素早く状況を伝える。
「あいつは、完璧にアルディアちゃんを無害だと思って最初は対峙していたんだ。あいつはアルディアちゃんを舐めていた。だけど、あの頬に傷をつけられたことによって有害だと判断された。つまり、ここからがあいつは、本当の力を出すということだよ…」
「でも、でも…アルディアのことだから大丈夫だよな?」
少しの沈黙があり、レーチェはその問いに答える。
「今のアルディアはどうしてか彼に執着している。殺意に飲み込まれながら戦っている。このままいくと、アルディアちゃんは、…殺されると思う」
俺は、レーチェの言葉が信じられなかった。
あんなに強いアルディアが殺される?
「アルディアちゃんには申し訳ないけど、彼女に視線が言っている間に逃げたほうがいい」
「それってアルディアを囮に使うってこと?それはダメだ」
「でも、今しか逃げることができないよ。あたしの力でもやつは止められない。それぐらい強大な相手なんだ!!」
俺は、レーチェの言葉に今は緊急事態だと言うことを改めて理解する。
多分レーチェだってアルディアを囮になんて使いたくない。でも使わないと逃げ延びる可能性が低くなってしまう。
レーチェは心優しい妖精だ。
だから、苦渋の選択を迫られての発言だと彼女の今にも泣きそうな顔を見てやっと理解する。
「さっきから…何1人で話してるんだよ?エリアス」
俺の1人芝居を見て、困惑しながらこちらに尋ねてくるザック。
俺は、すぐに状況を説明する。
アルディアと喋る影魔の戦闘は今なお続いている。
「で…これからどうする?」
ザックはエリアスに問う。
俺は、何の力も持っていないただの一般人であり街人Aだ。
だから、名前持ちたちには足掻いても届きはしない。
でも、それが諦めたり行動しない理由にはなりたくないと彼は思い始めていた。
もちゆる知識で作戦を練るはじめ、立案していく。
「でも、それだとエリアス、お前」
「大丈夫…俺には妖精がついているから」
「…絶対死ぬなよ?」
「なんとかして、…全員でここから逃げよう!」
___俺とザックとレーチェは決意を固め、アルターク脱出作戦を決行した。




