アルターク鉱山の探索
そこは、何もない土地と言われていた。
しかし、ある時大きな地鳴りと共に地面が揺れ、その山に穴が開く。
この土地の住民は、その穴の中の調査に乗り出すと、そこには未着手の鉱石を発見し、このザルクという街は、”鉱山の街”と呼ばれるようになった。
その鉱山の名は、アルターク鉱山。
ザックの情報によると、ここでエスト鉱石が採取できるということらしい。
貴重な鉱石ということだけあって、警備も厳重に厳しい。
現在この鉱山には、入山資格のあるものだけしか足を踏み入れることはできないらしい。
俺たちは、3人はどうやってあの中に入るかを少し離れたところで議論していた。
「私が思うに、あそこにいる看守2人の意識を逸らせられたらいいと思うの」
「じゃあ、俺が彼らの意識を引くからその隙にアルディアとレーチェが中に入って探索してくる。帰ってくる時は、レーチェが何かしらの合図をしてくれ。それで俺がまたあの看守たちの意識を逸らすから」
レーチェは、本の所持者から基本的に遠くまで離れることはできないのだが、この距離くらいなら平気だろう。
「わかったわ。その作戦で行きましょう」
俺とアルディアの作戦はまとまった。
のだが、レーチェは俺たちを置いて看守たちに近づき、その耳元でそっと囁く。
___妖精魔法 ウィンドララバイ
そういうとレーチェはこちらを振り返る。
「ほらー!2人とも行くよー」
「おい、行くって看守がいるから…」
少し大きな声をあげてしまったが、彼らは気が付かない。
俺とアルディアは不思議に思いながらも、そっと静かに彼らの横を通り過ぎ、レーチェと合流をする。
「レーチェ。貴方、彼らに何をしたの?」
アルディアはレーチェに問う。
「魔法で少し眠ってもらっただけどよー。でも安心して!普通に眠ってもらっただけじゃないから」
「それってどういうこと?」
「彼らは寝てるけど、夢を見てるの。自分たちが仕事をしている夢を。これなら、エリアスくんも一緒に来れるしね!」
「あ、ありがとう…!」
ニコニコしながら俺たちに話しかけてきた。
妖精ってなんでもできるんだなーと改めて思い知らさせた。
奥の方に進むと採掘エリアにたどり着く。
鉱石採取をしている人たちに怪しまれないように、そっと行動をする。
一通りこのエリアを見渡したが何も不自然な点は、見つからない。
ここまできて、手掛かりなしかと思われた矢先、レーチェが何かに気がつく。
「ねえ、何かこっちから人間の匂いがする」
そういい、レーチェが指差す方向に向かうがそこには岩しかない。
俺とアルディアは、岩を触るがなんの変化も起こらないが、レーチェが答える。
「そんなことしても意味がないよ。魔法によって隠蔽されているから」
そういい、レーチェが何をか囁くと。
そこにあった岩が消失していた。
「ね!何かあったでしょ?」
あーこの旅には妖精がいないとダメなことが多い気がする。
そう、俺とアルディアはまた思わされることになった。
狭く薄暗い下り一本道を歩き続ける。
その一本道は、人の手入れがほとんどしておらず必要最低限の通路のようだった。
「アルディア。さっきの隠蔽してた岩だけど、魔法ということはここは魔法使いが関与しているのか?」
「その可能性は十分あるわね。そして影魔の目撃証言もある。エリアス、貴方は命の危機だと思ったら一目散に逃げなさい」
アルディアの言葉に再び身が引き締まる。
目の前にうっすらと光が見え始める、ここがこの道のゴールらしい。
俺たちは、その光の中へと入り込んだ。




