存在しない鉱石①
部屋の中に入ると、そこには資料とか何かの機械の部品などが至る所に置かれていた。
青年は適当なところに座ってくれといい、奥の部屋へと行ってしまう。
俺とアルディアは、とりあえず座れそうな所を見つけ腰を下ろした。
レーチェは、置いてあるもの全てが物珍しそうに見て回っている。
奥の部屋からこちらに話しかけてくる。
「で?なんで先生に会いに来たの?」
「私たちは、つい最近先生からある情報を頂いたのてす。この街で人に化けて襲っていると化け物がいるという話を」
「なんだそれ?聞いたことねーぞ」
奥から現れた青年は、珈琲を淹れてくれたらしく俺たちに差し出し、青年は、自分の特等席のような場所日座る。
「それで、先生は?」
「ここまで来てもらって申し訳ねーけど、先生は2年前から行方不明なんだ」
「行方不明?」
「先生は、エスト鉱石はこの世界に存在しない鉱石っていって密かに研究していたんだ。だけど、エスト鉱石の研究はこの世界で禁止されているんだよ。だから、2年前のある時、メディラントの奴らがやって来て、先生を強引に拘束したんだ」
その話を聞き、レーチェがエリアスに質問をする
「エリアスくん。メディアラントってヴェルークの首都だよね?」
「そうだよ。メディラントの研究者であるラディックという人が、エスト鉱石を発見して新規蒸気機関を生み出したんだ」
その会話を遮りようにその青年はこちらの話しかける。
「新規蒸気機関なんていう虚構の話はやめてくれ」
「虚構の話?」
アルディアは、青年に問いかける。
「あなたの言い方だと、あれは、この世に存在しないものみたいな言い草ね」
「全くその通りだよ。先生は、新規蒸気機関が導入される1年前も前に”石炭”を用いた蒸気機関を開発していたんだ」
「蒸気機関?」
「知らないのも無理はない。何もなき研究者だった先生は、学会にそれを提出したが何かの力によってそれは認可されなかった。そしてその一年後にほぼ同じ構造を用いた新規蒸気機関が世に解き放たれ、瞬く間に世界にライフラインになっていった」
「でも、どうして虚構の話になるの?今の話を聞いているだけだと、その蒸気機関の構造を”盗んだ”という話に落ち着くのだと思うのだけど」
アルディアは、彼に質問する。
「確かにここまでの話を聞いてたらそうだ。でも、これからが問題だ。先生と俺は、新規蒸気機関の誕生はどう考えても現在のエネルギー源では不可能だと考えていた。なぜって、先生が作り上げた蒸気機関はありとあらゆるエネルギー源を実験し、できる限りの”安全性”を第一にした機関だった。でも、それを超える性能の機関が”安全性”を保証しているとは考えられなかった。だから、先生と俺たちは、奴らの研究施設に忍び込んで手に入れた」
「忍び込んだ!?」
俺は、その大胆さにびっくりしてしまう。
「名前には聞いたことがあるだろう。これが、新規蒸気機関のエネルギー源。エスト鉱石だ」
___その鉱石は、人々を魅了するかのように真っ赤に輝いていた。




