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第八話 通じ合う心

ブックマークがまた一件増えました! ご登録ありがとうございます^^

※今更ですが、ミコの家の神社の名前が決まりました。実家の近くの地名から拝借し、一話にも載せました。

 爆発の少し前ーー、


 ミコは美琴との話を終え、目が覚める。


「ミコ様? 」

「二葉、一夜は? 」

「あの、外に…変な奴が来ていて…」


 ミコは急いで窓から顔を出す。

 一夜と、五月人形のような男の子が戦っていた。

 人形は、手や足を刃物に変え、一夜に襲い掛かっている。


「あ、ミコ様!! 」


 ミコは二階の窓から飛び降り、一夜の方へと向かう。


『助けてやってくれ…』


 ミコの頭に美琴の声が響く。


(言われなくても! )


『森羅万象の五つのことわり 

木を以て火を生かし

火を以て土を生かし

土を以て金を生かし

金を以て水を生かし

水を以て木を生かす!』


 ミコは一夜の前に飛び出す。


 ドォン!!!


『五行結界!! 』


 結界はミコと一夜の周りに強固に張られ、爆発を防ぐ。

 前に、二葉に手伝って貰い、護符を使って封印術を施した事があったが、その時よりも力の流れの強さを感じる。


(これが美琴の力の使いかたなのか? )


 ミコが力を使う時は、ミコ自身の霊力を消費していたので、使うと消耗も激しかったのだが、今は違う。

 自然の中の力をハッキリと感じることが出来る。

 ミコは、その力の流れを形にして出せば良いのだ。


 爆発が落ち着いた後、一夜の方を振り返る。


「大丈夫か? 」

「み…ことさま? 」

「ミコだけど…」


 一体どうやったらあの美人巫女と、間違えるのだろう。

 やはり一夜は、容姿でミコを追っかけてきている訳では無いようだ。


「ミコ様、危ないでは無いですか! 私は平気だったのに…」

「結構危なく見えたけど…」

「いいえ、あの程度の爆発なら数日で復活出来ました」


(数日かかるんじゃん…)


 そうは言いつつも、一夜は心なしか嬉しそうな顔をしている。


『私の言葉一つで感情が表に出てきてしまう、とても可愛い奴なんだ』


 確かに、分かりやすいかもしれない。

 可愛いかどうかは別にして…。


「そうか、悪かったね! 邪魔しちゃったみたいで! 」


 ミコは一夜に背を向け、家に向かって歩き出す。


「ちょ…待って下さい! ミコ様 」


 一夜は焦ったような声を出し、ミコの後を追いかけてくる。


「すみません。でも、ミコ様に何かあったら、私の生きている意味がありません。ですから、私を守るために危険な目に遭わないでほしいのです」


 まあ、そうなのだろう。

 一夜は時代を超えてミコを追いかけてきたのだ。

 それなのにミコが死んでしまっては意味が無い。

 それは分かってはいるのだがーー、


「私の魂が…」


 ミコは振り向き、一夜を真正面から見据えて言う。


「私の魂が、お前を守れと言っている! 私を危ない目に合わせたく無いのなら、もっと、一緒に強くなろう! 」

「ミコ様…」


 ミコは、力強い笑みを一夜に向ける。

 一夜は、嬉しそうな顔をし、両腕を広げミコを抱きしめようとする。


(あっ…)


 バチっ!


 一夜は結界に阻まれ、その場にしゃがみ込み、悶絶する。


(ああ、なんか可愛いかも…)


 自分の感情にとても素直で、ミコの事になると、一生懸命になる。

 美琴の言っていた事を少し理解出来た。

 見た目は美形の紳士だけど、中身は全然違う。


 クスクスっ


 なんだかチグハグな一夜を見て、可笑しくてうっかり笑ってしまった。


「ミコ様…」


 一夜は、美しい顔を歪ませて、少し困った顔をした。


「これからも、よろしくね! 」


 ミコは、一夜という式神をもっと知りたいと思った。

 そして、素直に、これからも一夜と一緒に居たいと、心から願った。


「もちろんです。ミコ様が嫌だと言っても、ずっと一緒にいますよ」


 一夜は、全ての女性を虜にする、とろけるような笑顔をミコに見せるのだった。


 



 次の日ーー。

 カズマとセイラが、ミコを迎えに神社まで来てくれた。

 学校へ行く道すがら、二人はこんな疑問を口にする。


「やっぱりおかしいよな? 」

「そうですね、おかしいです」

「何が? 」


 ミコは何がおかしいのか分からず、二人に問い返す。


「昨日まで、あれ程ミコと他の奴を引き離そうとしていたのに…」

「そうですね。素直に送り出すなんて」

「ああ…まあ」


 そう二人に言われて、昨夜のやりとりーー、一夜を可愛いと思ってしまった事を思い出し、気恥ずかしくなってしまう。

 ミコの一夜に対する気持ちが、美琴のような恋愛感情かどうかはわからない。

 しかし、確実に気持ちが通じ合えた。

 そう思えたのは、ミコだけではないのだろう。

 だからなのか、一夜の嫉妬は少し落ち着いたような気がする。

 それになんとなく、昨日の出来事は自分だけの胸に留めておきたい。

 なので、どうやってこの話をはぐらかすかに、頭を悩ませるのだった。





 一夜は炎華が来るのを待っていた。

 炎華に一夜の居場所がバレた以上、多分ミコと一緒に居ない時間に突撃してくる事が予想されたのだ。

 案の定、炎華は昼を回る前に現れた。


「やあ、一夜! 私を待っててくれたのぉ? 」


 甘ったるい声を出し、一夜に話しかけてくる。


「ええ、まあ、そうですね」

「ええええええええ☆」


 奇声をあげ、目を輝かせる炎華。

 

(ああ、うるさい奴ですね)


 待ってただけで、別に会いたかった訳ではない。

 聞きたいことが有っただけなのだが、その前にキレてしまわないようにしないといけない。


「炎華、あなたは何故突然、ミコ様の元に現れたのですか? 」

「また巫女の話かぁ…」


 分かりやすくテンションの下がる炎華。

 それ以外に炎華を待つ理由がどこにあると言うのだろう。

 炎華に色仕掛けをすると、後がめんどくさくなりそうなので、正攻法で攻め落とす事にする。


「言いたく無いなら良いですけど。もう口をきいてあげないだけです」

「一夜〜。分かったよ。言うよ! 言うから! 」


(ふっ、チョロい)


「最近、十二天将の招集をかけられたんだよ。別に行く義理もなかったんだけど、暇だったし、一夜に繋がる手掛かりがないかなって思って…。ほら、一夜、巫女が死んでから、暴れ回ってたじゃん? その後、急に姿消しちゃうし」

「ふん、それで? 」

大裳(たいも)が、巫女が復活したって言い出したんだ」


 大裳とは、天帝の文官とも言われている、十二天将の一人だ。


「アイツは十二天将の中でも真面目なやつで、天帝に絶対服従してた奴だから、天帝を蘇らせる為の魂と霊力をコツコツと集めていたんだ」


 魂と霊力を集める。

 最近、そんな事件があった。

 清花という悪霊を操り、コソコソと魂を集めていた、あれだろうか?


「話を続けて」

「クールだなぁ。ああホント、好きだよ☆」

「…」


 早く確信に迫った話をしたいのに、どうでもいい事を言ってくる炎華。

 一夜の冷たい視線に気が付き、なぜか頬を赤らめる。


「見つめられると恥ずかしいからぁ」

「はぁ…。話を進めていただけますか? 」

「うふふ。それで、霊力の強そうな女を見つけたから、弱い霊の魂を集めがてら、そいつの体を乗っ取ろうとしたらしい」

「それがミコ様…」

「そうらしいな。大裳は弱い霊を操っていただけとはいえ、余りにも呆気なくやられちゃったもんだから、その女を調べる事にした。そしたらーー」


 炎華は、勿体つけてから、ニヤリと笑う。


「起源に、二代目の定めの巫女がいたんだなぁ」

「ほぉ」

 

 つまり、美琴の兄弟か姉妹が、ミコの先祖に当たると言う事だ。

 昔、一度だけ美琴の母の話を聞いた事があった。

 巫女としての能力はそこそこだったらしい。

 だが、その子供だった美琴の方が強い霊力持ち、すぐに三代目にされたとか。

 お役御免になった、二代目の定めの巫女の行方など、誰の知った事でもない。


「その女は、子供を取られてしまった事への強い怒りを持ちながらも、神社に嫁ぎ、女が生まれた時には霊力を封印しながら子孫を残していったらしいな。もう二度と巫女という存在を利用させない為にも。それがーー」

「上赤坂神社」

「ま、そんな所かなぁ」


(そして生まれてしまった。ミコ様が)


 一夜がずっと追い求めてきたミコを、たまたま気がついた程度の奴等に何かされたのでは、たまったものではない。

 それにもう一つ気になる事ーー、


「昔、美琴様を狙ったのは…?」

「…」


 っく!!


 黙り込む炎華に全てを察した。

 そして、一夜は思い出した。

 一夜に定めの巫女の存在を教えたのも、炎華だった事を。

 炎華を睨みつける一夜。


「いや、一夜が強い力を探してるっていうから、教えてやっただけで…」


 炎華に悪意は無かった。

 もしかしたら、最初から炎華を使い、一夜を焚き付け、定めの巫女を殺すことが目的だったのかもしれない。

 一夜は、歯噛みする。


(全て、手の平の上で転がされていたという事か!? )


 しかし、これでハッキリした。

 一夜がこれから戦う相手、ミコを守り切らなければならない相手。

 十二天将。


(厄介な…)


 一夜は、溜息をつくしか無かった。

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