表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/47

第十二話 戦闘は突然に

ブクマ、並びに評価を下さった方!ありがとうございます!

 学校からの帰り道ーー

 突如、ミコの体に寒気が走る。

 と、同時に、反射的に右側に向かって地面を蹴る。

 

 ドンっ!


 爆炎と共に、先程までミコが立っていた道路に亀裂が入る。


「なっ??」


 ここ数日で研ぎ澄まされていたミコの感覚は正しかったようだ。

 電柱の裏に隠れ、気配を探り、敵の場所を特定しにかかる。がーー、


 ブォっ!

 

 隠れていた電柱に振動が走り、ミコは電柱の影から吹っ飛ぶ様に転がり出てくる。

 そして、すぐさま立ち上がり、体勢を立て直す。


(どこだ!? どこから攻撃している?? )


 ミコは混乱しながらも、感覚を頼りにギリギリ避けていく。


(マズイな、このままだと攻撃を受けてしまうのも時間の問題か…)


 学校でしっかりお昼寝したとは言え、昨日の今日だ。

 体の疲労は隠せない。

 ミコは観念した様に隠れるのをやめ、道路の真ん中に立つ。


(一か八か)


 ミコは右手でポケットをあさり、昨日アヤカの部屋で使った、残りの護符を握り締める。


(はぁぁぁぁ)


 ミコは息を吐き、集中しながら気配を探る。


(来る! )


 ミコは自分の真上に気配を感じ、両手を札に重ね、目一杯気を送る。


「たぁぁぁぁ」


 敵の攻撃と、ミコの攻撃がぶつかった瞬間、


 ドォンっ!


 熱風が爆発し、ミコは吹っ飛ばされる。


「うぁぁぁ」


 地面に転がりながら、フラフラとミコは立ち上がる。


「よこせ…お前の…体…お前の力」


 そいつはそう言いながら、ミコの前に姿を見せる。

 地味な色をしたボロボロの着物に身を包む、若い女だった。その表情は暗く、憎しみの感情を表していた。

 どうやらコイツも、ミコの体に憑依しようと企んでいるらしい。

 ミコはコイツの放つ嫌な感じを知っていた。


「お前…アキラを殺した奴だな? 」


 コイツの放つ嫌なオーラは、アキラの家で感じたものと一緒だった。


「だったら…どうする? お前の力をよこせ。私はアイツらを根絶やしにするまで、諦めはせぬ」


 そう言い終わると同時に、そいつは再び爆風を放つ。


「ああぁ」


 ミコは再び吹き飛ばされ、体勢を崩すと、同時に、女はミコの体に向かって突進する。


「しまった!」


 体勢を立て直せないミコに、迫る女。


南無大師(なむだいし)遍照金剛(へんじょうこんごう)


 ミコの後ろから聞こえた声は、光と共に女を退ける。


「ぐぅぅぅぅ」


 女は光を浴びて、苦しそうに呻く。


「ヒーローっのは遅れてやってくるんだよな! 」


 声のする方へ振り返るミコ。


「カズマ! 」

「よぉ! ミコ。大船に乗ったつもりでいろって言ったろ! 」


 そう言って、下手くそなウインクを投げかけてきた。


(まさか、泣き虫カズマに助けられる日が来るなんて…ね)


 カズマはミコの手を取り起こす。

 その手はミコの手より大きく、たくましい、男の手だった。

 

(もう昔のカズマじゃ無いんだな…)


「ミコ、コイツは? 」

「わからない…敵って事以外はね」

「そうか」


 カズマは長い数珠を左手に巻き、女に向き直る。


「おのれ…お前も…私の邪魔をすると言うのか! 」


 女は叫びながら、両手で光を打ち払う。


「へぇ〜やるなぁ〜」

「呑気にそんなこと言ってる場合じゃないぞ! 」

「俺には朝見たお前の式神の方が危なそうに見えたけどなっ…と」


 おどけた調子で、女が放つ爆風を避けるカズマ。


「避けてるだけじゃ、終わんない。なんとかしないと! 」


 ミコも攻撃を避けながらどうしようかと考えを巡らせる。


「じゃあ、こういうのはどうだ? 俺が足止めをするから、ミコがトドメをさせ! 男女(おとこおんな)の得意分野だろ! 」


 (失礼な)


 そう思いながら、


「任せなさい! 」


 そう答えてすぐさま、意識を集中し始める。


『おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まにはんどま じんばら はらばりたや うん』


 カズマは手を合わせ、言霊に力を乗せる。

 繰り返し唱え続けると、やがて光の束が女を拘束していく。

 女は身動きがとれなくなり、もがき始めた。


「ミコ! 今だ! 」


「はぁぁぁぁぁ!! 」


 ミコは拳に気を乗せ、女に向かって振り下ろす!


「いっけぇぇ! 」


 女に触れるか触れないかの所で、ミコに『記憶』が流れ込んできた。


『何故…貴方は柚葉様を…』


 その瞬間、ミコは拳を止めてしまった。


「何やってんだぁ! ミコ! 」


 ミコは惚けた様に、その場にへたり込んでしまう。その瞬間ーー


 ゴゥっ!


女は再びミコに爆風を叩き込む!


「ミコ! 」


 カズマは叫ぶが間に合わない。


「クソっ」


 



「逃げられてしまいましたか」


 爆風によって舞い上がった砂埃が落ち着き、カズマの視界がクリアになった時、見えて来たのは、アイツだった。

 朝のスカした式神、一夜。

 どうやらあの悪霊を退けたのは一夜らしい。


「ミコ! 」


 カズマは叫び、ミコに駆け寄る。

 そして、ミコの安否を心配するようにミコに触れようとした時ーー、


 パシンっ!


 カズマのては一夜によって払われた。


「なぁっ!」


 一夜は侮蔑の眼差しをカズマに向け、禍々しオーラを放ちながら、


「ミコ様を助けていただいた事は感謝いたします。が、我が主人(あるじ)に軽々しく触れないで頂きたい」

「なななっ!」


(なんで式神にそんな事言われなきゃいけないんだぁ〜! )


 カズマはあまりの事に言葉が出てこず、口をあんぐり開けたまま固まってしまった。


 一夜は気にする様子も無く、気を失っているミコを両腕で大事そうに抱え、連れて行こうとしている。


「おい! どこに連れて行く気だ! 」

「うちに帰るだけです」


 カズマは、この悪霊よりも禍々しい式神に、ミコを任せるわけにはいかないと思った。


「俺も行く! 」

「結構です」

「いや、俺も行く! 」

「結構です」


 その同じやりとりを繰り返しながら、カズマもミコの家のある神社へと足を向けるのだった。

皆様からの感想、ブクマ、評価、レビューをお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ