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始まりの都グロリア

始めまして。上平友利です。

初小説で冒険物ファンタジー小説を書こうとしてる愚か者です。

構想自体は昔から頭にあったものの、なかなか行動に移れず何年かが経過しましたが、ある小説を読んでるうちに再燃したので、この度文字を起こすことになりました。短い付き合いか長い付き合いか分かりませんが、どうかよろしくおねがいします。

「…………さん」


「……さん…………お客さん」


「………んあぁ…。…はい」


「そろそろ着きまっせ。……随分と寝てたが、大丈夫かい?」


「あぁ、えぇ、大丈夫です。昨夜少しばかり寝つきが悪かっただけです…」


「そーかいそーかい、いや、あっしの運転が心地よいということにしておこう!えっへへ」


「あ~、はは…」



そんな微妙に気持ち悪い笑い声をたてながら寝起きの頭を徐々に覚ましていく。

俺は地元を出て、昔から何度か足を運んだことのある都会へと向かっていた。とはいってもまだ成人どころか、仕事もしていない俺には自分で向かう足はない。

だからこそ、こうして商人の積み荷の空きスペースに縮こまりながらも座らせてもらいつつも、いつの間にか寝てしまっていたらしい。



「…まったく、ついでに載せてやってるってのに、愛想がないもんでねぇ」


「あ、いや、それはすみません!そういうわけじゃ…」


「あ~いや、あんたのことじゃなくてね、そっちの2人さ」


「あ、あぁ……」


確かに、俺と一緒に同席してる人が2人いる。一人は右サイドに髪を短めに結わせた、もう一人は左サイドに長めに結わせた、顔が瓜二つの人たち。多分、双子なんだろう。


「それにしても、あんた見慣れない恰好をしているなぁ。どこから来たんだい?」


「オリアナの田舎ですよ。本当に、端っこすぎて何もないようなところです」


「ふ~ん、そうかい。でも田舎もいいもんだけどねぇ。…まぁ若いうちは色々冒険してみるのも悪くはないか」


「はい。…かといって、やりたいことがあってグロリアにいくわけでもないんですけどね…はは」


…そう、特にやりたいことがあるわけじゃないのに、家を、地元を出てきた。あまりにも突発すぎて、そこのとを両親に伝えたのは1週間程前。もちろんいい顔はされなかったが、家をたつ直前にある程度の金銭を持たせ、今まで特にやりこともなく(まぁ今でもないんだけど)、ワガママもなく、悪いことをしてきたわけでもない俺を送り出してくれた。


「まぁグロリアに着いて旨い飯でも食えば、やりたいことでも夢でもそのうち出てくるだろう。いや~青春だなぁ少年!」


目的地はグロリア。自然に恵まれた、人間と獣が共存しながら製造業も盛んに行われている、ここら辺では一番の都会だ。


「旨い飯といえば、冒険者ギルドに行くといいぞ。あそこのギルドで出る飯は旨いぞ~。グロリアに住むなら知っておいて損はない!それに、あそこのギルド長は面倒見もいいから、これから自分がどうしたいのか、相談してみるのもいいかもしれないな」


「冒険者ギルド…か」


物語の解説よろしく、色々な情報を教えてくれる商人のおじさんは、まるで自分の青春を思い出すかのようにキラキラとした目を俺に向けていた。


「あぁ、だが気をつけろよ。グロリアは獣と共存しているが、人間と獣の確執が完全になくなったわけじゃない。外では今でも小競り合いが続いているし、グロリアに住んでいる連中だって、獣を良く思わないやつらが少なからずいる。……おっとこういう話はまだあんたには早かったかな」


よく知っている。グロリアには初めて行くわけじゃない。小さいころに母に連れられて何度か来たことがあるし、そのたびに母に聞かされていた。少しでも離れると、クエルト族に連れていかれてしまうよ、と。


「お、そろそろ着きそうだ。あれが自然に愛され、生命に祝福されし都、グロリアだ」


----------------------


「さて、と。あんたとはここでお別れだ」


「ここまでありがとうございました。色々なお話も聞かせていただいて」


「いやなに、こちらこそ楽しかったぜ。あんたみたいな若い人と雑談できる機会なんてそうそうないからな、…ほら餞別だ。今日の宿代にでも使ってくれ」


「い、いいんですか?載せて来てもらった上にこんな…」


「いいってことよ!商人ってのは、相手の記憶に残ってこそ、次の商売に繋がるってもんだしな!じゃあな!身体に気をつけろよー」


「ありがとうございます!おじさんもお身体に気を付けてくださーい!」



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