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千夜恋と零人とチョコレート

作者: 桂馬

初めて書きました!


テスト勉強などでバレンタインには遅れてしまいましたが、気にせず読んでくださいね!


楽しんで読んでくださると幸いです!

2月14日といえば何を思い浮かべるだろう。

誰もが口にするだろう答えは…“バレンタイン”


あの忌々しいリア充どもがきゃっきゃうふふするイベントだ…


かくなる俺は…非リア。モテる要素などない。


毎年そんな俺は友達とチョコを交換したり、ドッキリしたりとある意味きゃっきゃうふふしている。




昨日。

友達と交換するために男ながらバレンタインにチョコレートケーキを作った。

ジョークの意味も込めて♡の形に作ったのは配るまで内緒である。


明日本命の相手に貰えるとかそんな期待は全くなかったし、そんなの俺の身分でやることではないと諦めていた。

友達同士で交換するのは中学からしていて、意外に楽しい(が、虚しくなるのは言うまでもない)


何気にお菓子作りは楽しいものである。

俺は料理とかそんなの好きだから余計かもしれないけどちょっと料理を凝るのは好きだ

今回だってそれなりには凝ったつもりだ。


そしてとうとうバレンタインデー当日がやってきた。


いつもの電車でみんなより早く教室に着く。

家から学校まで1時間を要するので、遅刻したくないが故に授業前の点呼の1時間前には学校に着くようにはしているのである。


いつもの如く、携帯でゲームをしながら少しずつくる友達を待っていると…。

いつもはこの時間には来ない同じクラスの本真千夜恋ほんまちよこさんが荷物を置いてパタパタと授業の準備(?)をしていた。

珍しいな…と、心の中で呟いていると、本真さんがこちらへやってきて


「ねぇ。なんか言うことない?」

と不満げな顔で聞いてくるのである。


え?ちょっと待ってくださいよ…なんか悪いことでもしましたっけ!?


本真さんは容姿端麗、成績優秀、そして誰にでも分け隔てなく優しいという男子にしては憧れの存在である。

ぶっちゃけ俺の好みのドストライクではある…が、俺は本真さんとはあまり関わりがなく、喋ったことは…遠足で同じ班になった時の班で何するか決める時だけだったはずだ。


なのにどうして!?怖い怖い…。

変に因縁つけられて他の友達とかに仲間はずれにされたり、いじめられて学校やめらなくちゃいけなくなったりしないだろうか…

心当たりがないので聞いてみることにした。


「俺、本真さんに何かしたっけ…?」


「…。」

鋭いめで睨んでくる本真さん

え、なに怖い。


「え、あの…何かしたんだったら謝るけど…?(苦笑)」


「今日は何の日ですか?」

と、問われた。


「バレンタインデーですね…。ほ、ほんとっ非リアにとっては全く無縁のイベントなんですよね!!」と、即座に答えたのだが…


「…。」

むすっとした態度で睨んでくる…

余計に機嫌を損ねたらしい…何だか申し訳ない。

というか要件があるなら早くいってほしい!!この状況怖い!


「…。」

「…。」


教室は沈黙に満ちてしまった…。

誰か本当に俺の存在を消して?


《ガラガラッ》

誰か来たようだ…ふぅっ…助かった…。


「零人おはよ」

あ、俺の名前が零人れいとです。


「おはよ今日バレンタインだぜ〜」


「そだな。また本命0人だろ?零人だし(爆笑)」


「零人を悪口に使うなし(笑)」

今日もまたこんな他愛もない会話で1日が始まる…平和だ…。


「あ、そうそう今年も作ってきたぞ」

「例のアレか」

「そうだ」

「まだきてない奴の机ん中に入れてやろうぜ」


大きな袋から小分けにしたチョコレートケーキを取り出す。


…すると、右隣の席から強い視線がぁ…。

こ、殺される…。

とりあえずほとぼりが冷めるまでは無視しよう。そうしよう。


点呼の時間も近づき、ぞろぞろとクラスメイトがやってくる。


今日は珍しく学校は4限まで。

理由は先生みんな出張らしい(二度と帰ってこなくていいのにね♡)


4限授業と言っても、正直なところみんな世間話で今日は持ち切りである。

もちろん話題はバレンタイン…やめて?まじでやめて?虚しくなるから!


クラス一のモテ男は高嶺の花の本真さんからのチョコを期待しているらしく、なんかさっきからすごくアピールしてる…愚かだ…


と、内心羨ましがってる…わけじゃないんだからね!全然羨ましくなんかないんだから!


なんだかんだみんな「何個貰った?」とかつまらないことばっかり話して…もうやだ!

(ちなみにバレンタインは友達と母親からしかもらわないんだよなぁ)


結局作りすぎたチョコは余り、帰ってから食べなきゃいけないんだけど…

それが嫌だからとりあえず配りまくるんだけど…余るんだよなぁ…


とりあえず授業終わったし、帰ろうとしたらふと思った


「朝のあれ…何だったの…」

自然な疑問である。


本真さんが何を思ってたのか…正直気になるよね…?


…で、今本真さんの前たってるわけなんだけどこれがなかなか喋れないんだよね…威圧感凄いの…ほんと!


「朝のあれ…わかった?」

向こうから話しかけてきよったわ…

「いや…全くわかりませんでした」

「そ…」


本真さんは寂しげな顔で笑った

支度は済ませてあるようで帰ろうとしている

え…なんか嫌だ


「え…ちょっと!ちょ待てよ!」

なんか本真さんの手握ってたわ…これ確実に殺されるわ……てかキ〇タクかよ


「な、ななななに!?」

熱いのかな冬なのに…顔真っ赤じゃん

「え、あの…朝の!あれ何!」

「は、はぁ?自分で考えなさいよ!」

分からないんですけど…


ちょっと今日1日のこと考えてみる…

今日が何の日なのか…バレンタイン?違うな…

そう言えば…


「今日って」


「なによ」


「その…」


「だから何!?帰るわよ」


「誕生日だったんだね」


「っ!!」


「気づいてあげれなくてごめん。おめでとう」


「おそい」


「ごめんなさい」

やだ!やっぱり圧が強い!怖いこの人!


「チョコレートよこしなさいよ」


「…はい!?」


「だから…そのチョコレートよこしなさいよ」


「え、あ、はい。」

俺はあまりに余ったハート型のチョコケーキを一つ本真さんに渡す。


「…ぜんぶ」


「…え?」

(今全部って言いました…?)


「全部よこしなさいよ!食べてあげるわよ!どうせ家に帰って食べるんでしょ?」

なぜかちょっとキレてるんだよなぁ…


「えと…本真さん?そもそもバレンタインデーに渡す物の意味わかる?それにハート型なんだよ?嫌じゃないの?」


…たしかネットで“バレンタインデーに贈る物の意味”とかあったんだよ。

友達なら冗談は通じるけど、友達でも何でもないただのクラスメイトにそんなの…ねぇ…?


すると本真さんは

「そう。じゃあこれは私からのお返し」

と、市販のマシュマロをくれた。


「マシュマロって確か…」


「“嫌い”よ」


「そ、そうだよね…」

何で祝ってるのに嫌われるの俺。

報われない可哀想。泣きたくなっちゃうよね


でもそのマシュマロには“チョコレート”が入っていた。いわゆるチョコマシュマロだ。


「これが私の気持ち。受け取ってくれる?」

(いや…まさか……な?そんなことはないだろうけど)


これこのままの意味だったら…まずい。

マシュマロ自体は嫌いの意味だけどチョコは…

でもここは男として…


「こちらこそよろしくお願いします」

と。口が考えずとも動いていた。


少し驚いた顔をして本真さんはこう言う

「…ずっと前からだったの。」

(…へ?)


「貴方のこと見てたの。でも素直ではいられないし、グループも違うし、みんなからはやめとけって言われるし…でも。私の誕生日くらい…バレンタインくらいは本気になろうって思ったの。」

正直嬉しかった。まずそもそもこちらの片思いと思ってたし、高嶺の花だったから。


「私はおかし作りとか得意じゃないし、いきなり高いチョコとかあげても引かれるかなって。」


きっとそこはかとない勇気を振り絞ってくれたんだろう。

そして睨んでいた本当の理由。機会をうかがっていたのと、気づかなかった俺への怒り。

本当の意味を知れてスッキリしている自分がいる。


「いや、俺の方は何も勇気でなかったし、本真さんは俺にとって住む世界の違う存在だと思ってたから…」


「もう今はそんなことないでしょ?」

と、彼女ははにかみながらいままでにない笑顔を見せる。俺もちょっと恥ずかしい。

けど…


「改めてよろしくね千夜恋さん」

と、しっかり返す。すると


「よろしくね零人くん」

と、千夜恋さんも嬉しそうに返してくれた。


そういって不意に握ったはずの手は繋がれたまま、チョコのように甘い…甘い、千夜恋さんとの恋は始まったばかりであった。

どうでしたか?

初めて書いたので「面白くない」と思う方もいらっしゃるかもしれません…


でも、「面白い」と思ってくださる方が少しでもいらっしゃったら嬉しいです!


感想などお待ちしてます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 導入から物語に入りやすい自然な流れだと感じました。柔らかくコミカルな文章は、最近の流行りを抑えているようでもあり、非常に読みやすかったです!一貫して、主人公(零人)目線がぶれていなかったの…
[一言] 面白かったです。最後まで「朝のアレ」が分からなかったところが凄く良かったと思います。
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