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04 転生を意識して

ナンバーにミスがありました。修正済みです。

 ノートを大まかに書き込んでわかった事は、前世の知識はあまり役に立たないという事だった。



 まず登場キャラについて。

 私が知っているのはゲーム本編。つまりキースやリズベットがアカデミーに入学してからの事で、今からは10年後の事になる。

 キースには幼馴染がいるので、その人とは今後会う可能性があるけれど……そもそもリズベットが絡むのはキースルートだけだ。

 何なら主人公がキース以外と恋に落ちてくれれば、リズベットの悪役化は防げるのかもしれない。それも一つの候補として頭に入れておいていいか。


 10年後のカーライン兄妹の関係性でわかっているのは、リズベットが危険な目にあってそれをキースが助ける、という事件があったという事だ。

 それ以来、リズベットは兄を自分の一番に、そして自分も兄の一番にとするようになった。とだけゲーム内で語られていた。

 10年もあったらいつそれが起こるかなんてわからないし、とりあえずリズベットが危険に晒されない様にするという対策とも言えない意識しか持てない。

 そもそも彼女のお付きとして務めるなら常にそうあるべきだ。



 そして、この世界について。

 これに関しては、ゲームの設定よりも、生まれてから8年で学んだ事の方が詳細だった。

 ざっくり言えば中世ヨーロッパ風のファンタジー世界で、多くの人が魔法を使う事ができる。

 魔法を使えるようになるのは大体5〜8歳くらいで、基本的に血筋によって受け継がれている。


 ゲームの舞台のアカデミーは、魔法を専門とする学校でも国内一のもので、強力な魔法を持つものや貴族の子息が集まる場所だ。

 魔法の序列とか扱い方については詳しく知らないけれど、これから勉強して十分得られる知識だろう。



 また、個人が使える魔法以外に、魔力を流す事で作動する「魔行具」と呼ばれるものも存在する。

 個人が持っている魔力の種類ではなく、魔行具自体に決まった術が込められていて、ほとんどの人が使う事ができるものだ。


 例えば照明。魔行具のランプやシャンデリアには光を発する術が込められていて、何かしらの魔力を流すとそれが作動する。

 今まで特別意識をしないで使っていたので、前世の感覚でなんと言えばいいのか……スイッチを押す感じ?

 でも照明だと流す魔力で明るさや時間が変わるので、どちらかというと電池だろうか。


 街に出ると魔行具の無いお店や民家を見かけた事があるので、どこにでもあるものではない気がする。

 メラルーカの家や使用人部屋にもあるので、貴重なわけではないのかな。



 というわけで、前世の記憶からは新しくわかった事よりも、今まで過ごした世界への疑問が浮かぶ結果になった。

 ついでに精神年齢がかなり飛んだのだけれど、大学生だったという事くらいしかわからない。


 異世界転生ものと言えば、前世の知識で活躍できる!というストーリーが多かったが、専門知識を持っているわけでもなくなんだか物悲しい。

 前世の私もっと頑張れよ。転生する前提で頑張る人なんていないと思うけど。



 5ページほど埋まったノートをパラパラと捲り、特にすることも思いつかなかったので本棚に戻す。

 結局記憶を取り戻す前とやる事に変化が無さそうで拍子抜けだった。

 今日は休んでいてと言われたけれど、熱は引いたし昨日は寝っぱなしだったのでやる事がない。

 強いて言うならお風呂に入りたい……。


 そういえばお風呂。歴史ものだとローマくらいしかお風呂のイメージがないのだけれど、青マジの世界にはしっかり完備されている。

 というのも、何故か青マジには攻略キャラクターの入浴スチルが存在したのだ。

 水着ができないからだとか、そこまで露出したいのかとかファンから言われてたけれど、制作チームのその執念に今は感謝しかない。

 日本人の感覚を持っていてお風呂に入れないのは苦痛すぎる……開拓とかができる地位でもないし。


 世界設定って変なところでも決まるんだなぁと思いつつ、私は身を清めるべく部屋を出た。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、中世も入浴文化が無かったわけではないです。

香水で臭いを隠したとか不清潔だったとかのイメージが強かったんですが……専門知識のない転生者だし変に詳しくないかな、ということでその辺りはふわっとしています。言い訳です。

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